UFC 327終了後にカセヤ・センターで記者会見を行ったデイナ・ホワイトCEOが、メディアからの数々の質問に応じた。
メインイベントでのイジー・プロハースカの心痛む敗戦
カーロス・アルバーグがメインイベントに組まれたイジー・プロハースカとのタイトルマッチ中に膝を負傷したことが分かった際、事態はニュージーランドから来たアルバーグにとって厳しいものになったように見えていた。元ライトヘビー級王者が、タイトルを再び手にする展開が予想された。
しかし、ドラマチックな事態の急変によって一瞬ためらったプロハースカが、その報いを受けることに。プロハースカに強烈な左フックを喰らわせたアルバーグが、戦況を塗り替えてライトヘビー級の王座に就いている。
「ああ、戦いは終わっていた――だが、本当に決着がつくまでは、終わっていないということなんだな。信じられないくらいの逆転勝利だった。われわれが100%を知ることなどないが、彼が前足にキックを入れていて、(アルバーグに)その前足が効いていたのは見て分かった。そして唐突に、後ろ足を負傷してしまった。ACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)をやったかもしれないね・・・。何人かが(プロハースカは)時間つぶしをしていたとか、あれをやっていたとかこれをやっていたとか私に言ってきた。だが、私に言わせれば、相手にダメージを負わせたなら、レフェリーが入ってきて止めるまで、フィニッシュを狙い続けなきゃならないんだ」
特異なキャラクターをかき消したジョシュ・ホキットの猛闘
元NFL選手だったヘビー級のジョシュ・ホキットは、試合前に奇妙なしぐさを見せ、おかしなキャラクターを演じ、珍妙な振る舞いをする。だからこそ、今回の試合に臨むまでは、決して万人受けするファイターではなかった。
ホワイトCEOも、そのキャラクターを歓迎していない1人だった。しかし、そのホキットがオクタゴンに立った瞬間から、そうしたおどけた姿はあっという間に忘れ去られていく。カーティス・ブレイズをユナニマス判定で退けたこの試合で、ホキットはファイト・オブ・ザ・イヤーの候補に挙げられるほどの戦いを見せた。
それだけのインパクトを、ホワイトCEOも受けている。
「彼は今夜、有言実行した。人前に出てくだらないことを言ったり、おきまりのギャグをやったりするのは、私の好みではない。だが、今夜は2人に尊敬の念しかない。信じられないほどの試合だった。もうこれ以上、私が彼について何か言うことはない。さっき言ったように、彼は有言実行したんだ・・・。ギャグをやったり、何かを演じたりするのもまた1つ。そこに行って、世界ランキング5位のおそろしい男と戦うのも、そして、彼が今夜やってのけたようなことをやるのも、それとはまた別の1つだ」
デリック・ルイス vs. ジョシュ・ホキットがUFC Freedom 250に加わった経緯
ホキットがファイト・オブ・ザ・ナイトに選ばれるとてつもない試合でカーティス・ブレイズに勝利を収めたのを受け、ホワイトはホキットがホワイトハウスで行うUFC Freedom 250にてデリック・ルイスと対戦することを発表した。
この試合の実現に至る異例のストーリーを、ホワイトCEOは語っている。
「組織としてはクレイジーな話なんだが、その1時間ほど前に、大統領から“なぜデリック・ルイスがホワイトハウスのカードに入っていないんだ?”と言われたんだ。私は“5分で戻ります!”と答えて・・・デリック・ルイスに電話すると“大統領がなぜお前がホワイトハウスのカードに入っていないんだって言っているぞ”と話した。デリック・ルイスは“政治だよ。政治のせいでホワイトハウスのカードから外されてる”と言うんだ。“このカードで戦いたいか?”と聞くと、彼は“もちろんそのカードでやりたい。大統領にありがとうと言っといてくれ”と答えた」
「それで、私はミック・メイナードに“デリックの試合を組んでくれ。来週この話をしよう”という感じのことを言った。その後でホキットの試合があって、私はヘッドフォンをつけていたんだが、ジョー・ローガンが“ホワイトハウスのカードにホキットが入れる空きはあるか?”と聞いてきたんだ。私は“マジか!”っていう具合でね。ミックをつかまえて“戻って彼にやる気はあるか聞いてこい”と伝えた。ホキットはちょうど救急車に乗るところでね。彼はイエスと答えたんだよ」
ゲイブル・スティーブンソンのデビュー戦
UFC 327の放送中、ゲイブル・スティーブンソンがUFCと契約したことが発表された。デビュー戦はUFCインターナショナルファイトウイークに予定されている。ホワイトCEOは対戦相手はまだ決まっていないとする一方、スティーブンソンがオクタゴンデビューでどんな戦いを見せるのかに興味があると話している。
「彼はUFCでやるべきだろう。誰だって、最初にここに来るときにはUFC特有の緊張というものがある。彼に試合を組むんだ。ここには楽な試合なんてないけどね。彼がどうやるか、見てみよう」
ジョン・ジョーンズに復帰ありや?
UFC 327の会場にはジョン・ジョーンズが来ており、試合を見ることでその魂に火がついたと伝えられている。本人も、完全に引退したわけではないとほのめかした。ホワイトCEOは、ジョーンズと復帰について話していないと述べている。
「いいや。だけど、ここ10年のジョンと何が違うっていうんだ? 分かるだろ? 私が常に(ジョーンズを)どう見てきたかと言えば、前にロレンツォ(フェルティッタ)にも話したんだが“彼を軸に据えてビジネスを組み立てることはできない。だけど、いざ彼が現れたときには、おもしろくなる”って具合だ」
ケイラ・ハリソン vs. アマンダ・ヌネスに続報なし
女子バンタム級王者のケイラ・ハリソンが手術を終え、順調に回復していることから、元王者アマンダ・ヌネスとの対戦への期待が高まっている。両者がUFC 327の会場に現れる中、ホワイトCEOは2人の対戦日程について最新情報はあるかを尋ねられた。
「いいや。彼女の具合や感触を見ていかなければならない」とハリソンについてコメントしたホワイトCEOは、次のように続けている。
「言っておくが、手術の後には避けたい状況というものがある。アマンダ・ヌネスに頭をつかまれて首を振り回されるなんてとんでもない。だから、彼女が100%回復したことを確認してから、試合を組んでいく」
ロンドンでコナー・ベンがレジス・プログレイスに勝利を収めた件について
「ああ、その試合を見たよ・・・彼の圧勝だったと思う」
ジェイク・ポール vs. マイク・タイソンを見たティト・オーティスがキャンセルされたホワイトCEOとの試合を実現させようとしたとのうわさについて
「ロレンツォがそんなようなことを言っていたと思う」と振り返ったホワイトCEOだが、すかさずこの話に水を指した。
「私はもう56歳だぞ。7月には57だ。毎日、ベッドから出るのにも奮闘だ! だが、そうだね、何となくそんな話があったような気がするよ。多分ね」