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地元カナダでライト級のサッゴがシウバに競り勝つ

日本時間2016年6月19日(日)にカナダのオタワで開催されたUFCファイトナイト・オタワのプレリミナリーファイト(後半戦)の試合レポート。

日本時間2016年6月19日(日)にカナダのオタワにあるTDアリーナで開催されたUFCファイトナイト・オタワのプレリミナリーファイト後半戦で、ライト級の有望ファイター、ジェイソン・サッゴがブラジルの強豪レアンドロ・シウバとの接戦を制し、スプリット判定での勝利を記録した。

ライト級 5分3ラウンド
ジェイソン・サッゴ vs. レアンドロ・シウバ



サッゴのテイクダウンを警戒して低めに構えて距離を取っていたシウバだが、様子見のローキックを不用意に繰り出すと、サッゴはその蹴り足をキャッチ。すぐに軸足を刈りながら前に出ると、残り時間3分少々でトップポジションを奪取する。ホイラー・グレイシーの黒帯サッゴはやや腰高の状態でパウンドを落としながらパスガードを狙っていたが、シウバはサッゴの腰下に潜り込むようにして相手のバランスを崩し続け、サッゴに強いパウンドを落とすことを許さない。ラウンド終了前にはシウバは立ち上がることに成功し、両者がスタンドの状態で第1ラウンドが終了した。

オクタゴンの中央から左のストレート、そしてハイキックでサッゴを突き放すシウバがテイクダウンの素振りもみせるが、シウバはテイクダウンにはこだわらず、すぐに自ら距離を取る。第2ラウンドに入り、スタミナに不安があるのかやや攻めあぐねる様子を見せるサッゴ。残り時間1分でサッゴが遅まきながらテイクダウンに飛び込むが、すぐに距離を取るとスタンドでの攻防を選択する。その後は正面からまっすぐ飛び込むサッゴの打撃をよく見たシウバが相手の蹴り足を捉え、押し込みながらテイクダウンを成功させたところで第2ラウンドが終了した。

手数の少ないシウバに対し、サッゴが単発の強打を繰り出す展開が続く。残り時間3分、両者が一瞬至近距離での激しい打ち合いにもつれ込み、サッゴはそこからタックルに切り替えるとシウバを金網に押し込むがテイクダウンを奪うことは出来ない。その後は単発ながらもサッゴがパンチ、キックと手数を繰り出すもののこれといった有効打は見られず、逆に試合終了間際にサッゴの蹴り足を拾ったシウバがテイクダウンを成功させた。

ジャッジの判定は29-28、28-29、そして29-28のスプリット判定でジェイソン・サッゴを勝者として支持。決定的なシーンは作れなかったものの、試合全般を通じて前に出ながら手数を繰り出したその姿勢が評価された形で、その戦績を12勝2敗とし、地元カナダで嬉しい勝利を記録した。対するブラジル、サンパウロのレアンドロ・シウバは19勝3敗1分け1ノーコンテストとなった。

ライトヘビー級 5分3ラウンド
ミシャ・サークノフ vs. イオン・クテラバ



スピードに勝るクテラバが何度も飛び込みながらの右のパンチを狙うのに対し、サークノフは落ち着いて左のストレートを返してゆく。ラウンド中盤にクテラバの右がサークノフをふっ飛ばすが、サークノフはすぐに立ち上がると何事もなかったようにスタンドでの攻防を再開する。距離が詰まると豪快な投げを狙うサークノフだが、クテラバは空中で態勢を整えサークノフの投げをことごとく潰してしまう。しかしラウンドが後半に入ると、クテラバのフットワークはややスピードが落ちてきたようだ。

ジリジリと距離を詰めながら左のクロスを狙うサークノフに対し、サウスポーからのバックフィストなども織り交ぜるクテラバだが、サークノフのペースは崩れない。フットワークの差を丁寧なジャブで埋めるサークノフが、ラウンド終盤にはクテラバを金網に押し込み得意の壁レスに持ち込むが、これといった攻撃を見せることは出来なかった。

最終ラウンドが始まると、クテラバは手数を増やして圧力を強めるが、サークノフは意表を突くスーパーマン・パンチで距離を詰めると押し込みからの両足タックルでいともたやすくテイクダウンに成功!クテラバの左脇の甘さを一瞬で見抜くとがっちりと肩固めに捉えて締め上げる!3ラウンド1分22秒、サークノフの完璧な肩固めに対し、クテラバにはタップ以外の選択肢は残されていなかった。

この一戦でライトヘビー級のフィニッシャー対決を制したラトビア出身、カナダ在住のミシャ・サークノフはその戦績を12勝2敗と伸ばし、現在7連勝、7連続フィニッシュ勝利と見事な活躍を見せている。一方、大きな期待と共にUFCライトヘビー級戦線に殴り込みをかけたモルドバの新鋭、イオン・クテラバだったが、そのUFCデビュー戦を勝利で飾ることは出来ず11勝2敗1ノーコンテストと戦績を落とした。

ミドル級 5分3ラウンド
タムダン・マクロリー vs. クリストフ・ヨトゥコ



どっしりとオーソドックスに構え、右ストレートを主軸に前に出るマクロリーに対し、サウスポーのヨトゥコは足を使って動きながら、相手の裏を取るチャンスを伺っている。1分近くやや遠めの間合いで距離とタイミングを計っていたヨトゥコが鋭い飛び込みで頭を相手の左に大きくずらしながら、左のオーバーハンドを強振するとこれがまともにマクロリーの顎先を直撃!意識はありながらも、体の力が完全に抜けたマクロリーが崩れ落ちるとヨトゥコがすかさず追撃のパウンドを打ち下ろす。これに反応することが出来ないマクロリーを確認したレフリーのイヴ・ラヴィーンが即座に両者の間に割って入り、1ラウンド59秒でKOによる試合の終了を宣告した。

この勝利でポーランドの有望ファイター、クリストフ・ヨトゥコはUFC戦績5勝1敗。プロ通算戦績は18勝1敗と快進撃を続けている。一方、見せ場なくオクタゴンを後にすることになったニューヨークのタムダン・マクロリーは14勝4敗と戦績を落とした。

バンタム級 5分3ラウンド
クリス・ビール vs. ジョー・ソト



グラップリングで数々の輝かしい実績を持つソトがコンパクトな打撃で前に出ながらテイクダウンを狙って時折シングルレッグに飛び込むが、 ビールは大きく左に回りながら狙いすましたジャブとワンツーでソトを押し戻そうと試みる。両者の距離が偶発的に詰まると、ソトは躊躇なく引き込みを見せるがビールはこれには付き合わず、両者はすぐにスタンドでの攻防を再開。時折ビールの強烈な連打にソトの前進がとまるシーンも見られたが、ソトはしっかりとガードを固めてこれといったダメージを受けることなくオープニング・ラウンドの終了を迎えた。

第2ラウンドに入ってもビールのフットワークは衰えない。左右のダイナミックな切り替えしと巧みな出入り、そして低めに突かれるジャブにソトは距離を詰め切れないようだ。ラウンド中盤、ソトは意を決したようにガードを下げると、ほとんどノーガードで前に歩きながら左右のパンチを振り回し、下がり続けるビールを強引に乱打戦に誘う!この作戦が功を奏し、ソトは不用意な胴タックルに飛び込んできたビールの首を抱えるとギロチンで引き込み、さらにポジションをバックマウント、サイド・マウントと変えながら優勢を印象付けてこのラウンドを終えた。

疲労のためかガードが下がったビールだが、そのパンチの威力はいまだに健在。たびたびビールの重たい左右がソトの顔面を捉えるが、ソトは必死に食い下がりビールに組み付く機会を伺っている。残り時間2分15秒、金網を背にして一瞬足の止まったビールにソトが渾身の両足タックルで飛び込むと、すぐに相手の背後に回り込みながらバックマウントを奪取!相手のガードが堅いとみると一度フル・マウントにポジションを戻し、鋭いパウンドでビールをうつぶせにすると間髪入れずその右腕をビールの顎に食い込ませ、3ラウンド3分39秒でバンタム級では無敗を誇ったビールからタップアウトを引き出した。

この勝利で待望のUFC初勝利を記録したカリフォルニアのジョー・ソトはその戦績を16勝5敗と伸ばし、そのグラップラーとしての真価を見せつけた。一方、フライ級で連敗を喫し、再起を掛けて臨んだバンタム級戦でもまさかの敗戦となったクリス・ビールは10勝3敗となってしまった。