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エネルギー満タンのスミス、中井戦に意欲

 


「Puedo pelear, no me duele, tengo mis manos y mis ojos」

これはUFC 180で女子バンタム級のレスリー・スミスがオクタゴンサイドでドクターストップをかけられた際にスペイン語でメキシコシティの観衆に向かって発した悲痛な叫びだ。

「まだ戦える。痛くなんかない」そして、「手と目が残っているわ」という意味だ。

インヴィクタFCでファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得している彼女が試合を続けたがったことに驚きはない――たとえジェシカ・アイのパンチを受けて、彼女のカリフラワーイヤーがちぎれかけていたとしても。スミスにとっては軽傷でも、医療チームが2ラウンドで試合を止めるには十分すぎる負傷だった。

「1ラウンドで彼女の方が私より速いのは分かったわ。だから、それは彼女に譲ったの」とスミスは言う。「私のパンチの方が一撃は重いけど、一方で彼女のスピードに対処しなければならないのは分かっていた。でも、私のゲームプランには柔軟性が足りなかったのね。ドクターが私の耳をそんなに重傷だと思うなんて予想外だった。言っておくけど、それはあくまでもドクターの印象だからね(笑)。あと1ラウンドと半分を与えてもらえるのなら、耳なんていつだって差し出したのに。あの時私は次第に焦点が合ってきたと感じていたの。2ラウンドでは私の方がずっと強いと感じていたし、流れが変わり始めていた。戦うのに耳なんて必要ないわ。でも、試合は私の手を離れた。それは理解できるわ。私たちの状態に注意するのがレフェリーと医療のプロたちの仕事。ファイターはそんなこと重視しないから。私にとって耳は大事じゃない。試合に勝つことが一番大事なの。私がもっともらしいことを言うとしたら、これしかないわね」

この不屈の精神こそ、“ザ・ピースペーカー”の異名を取る彼女が自然とファンに愛されるゆえんだ。その負けん気は北カリフォルニアの有名チーム、“スクラップ・パック”ではぐくまれた。33歳の彼女のカリフラワーイヤーは、ケリ・アン・テイラー・メレンデスやケリー・ファッツホルズとサンフランシスコのエル・ニーニョ・トレーニング・センターで激しい戦いを重ねたからこそできたものだった。敗北の悔しさを今も忘れていないスミスだが、彼女はそこから学び、アイとの再戦の可能性に目を向けている。



「おかしな話だけど、私がトレーニングキャンプでこれほど懸命に取り組んでいなければ、何のダメージも受けないようなパンチだったのよ。滑稽だと思わない?」と言ってスミスは笑った。「私が学んだ一番大事なことは、ゲームプランにもっと流動性が必要だってことね。違うやりようがあったのは確かだから。次にあの結果から得た大事なことは、再戦が実現した時にはもっと注意を払うってこと」

スミスの最後の試合から16カ月が経過した。しかし、それは耳のせいではない。プロ戦績7勝6敗1分の彼女は、昨年の4月に膝の半月板を修復する手術を受けねばならず、それが2015年の試合から彼女を遠ざけた。その間、スミスは旅先でもトレーニングを続けた。シンガポールではMMA、ムエタイ、ブラジリアン柔術、レスリングから幅広い世界王者を擁する一流ジムの“Evolve MMA”で5週間のワークアウトに取り組んでいる。

「東南アジアとは相性がすごくいいの」とスミスは述べた。「気候も食べ物も生えている植物も好き。それから、格闘技に対するポジティブな姿勢と評価も大好き。タイではたくさんの時間を過ごしてきて、最終的にそこへ行くのがゴールだったの。彼らのコーチがヒース・シムズだって知っていたから、連絡したら、こっちにいらっしゃいって言ってくてたの。向こうで宿泊の手はずまで整えてくれるって。彼らのチームと一緒にトレーニングさせてもらい、素晴らしい経験だった。みんなにオススメしたいくらいだわ」

ようやく、スミスはUFCファイトナイトで復帰戦を迎える。日本時間の20日(日)、舞台はオーストラリアのブリスベンだ。これ以上のタイミングはない。

「ミーシャ(テイト)とネイト(ディアス)が勝ったなんて、今まで見た中で最高の試合だったわ」とUFC 196で見事なパフォーマンスを見せた友人やトレーニングパートナーからエネルギーを充電した様子のスミスは意欲をみなぎらせた。「ミーシャ・テイトとネイト・ディアスの戦いぶりには尊敬と感謝しかない。素晴らしかったわ。あの場でそれを見られて本当にエキサイティングだった」

友人にモチベーションを与えられたスミスが対戦するのはグラップリングの第一人者、中井りんだ。オクタゴンでの唯一の試合はUFC女子バンタム級王者ミーシャ・テイトに判定負けを喫したが、中井が女子MMA界、特に日本で持つ重要性はまだ世界のUFCファンの間ではさほど知られていないかもしれない。UFCでデビューを飾る前に中井はプロになった2006年から16勝0敗1分という見事な戦績を築き上げた。彼女は間違いなくスミスにとって強敵だ。だが、ピースメーカーは大喜びでこの勝負を受けて立つという。再びファンを楽しませたいと彼女は述べた。

「ずっと日本へ行って日本のファイターと戦うのを夢見ていたわ。だって、柔術、柔道、侍や忍者の故郷でしょ」とスミス。「ちょっと想像を膨らませすぎかしら。でも、日本での試合じゃなくても、りんと一緒にケージには入れるのは光栄よ。彼女はMMAで長く輝かしい歴史を持っているから。すごくいい対戦だと思う。私にはたっぷり時間があったし、世界で最高のトレーニングを受けてきた。去年はどうやってそのエネルギーと攻撃性を一点に集中させるかを考えて1年を過ごしたわ」