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エリオットが大健闘も、完勝の絶対王者DJがV9達成

日本時間12月4日(日)、 アメリカ・ネバダ州ラスベガスにあるザ・パームスで行われたジ・アルティメット・ファイター・シーズン24フィナーレのメインイベントでUFCフライ級タイトルマをかけて王者デメトリアス・ジョンソンがティム・エリオットと対戦した。

【メインイベント】
UFCフライ級タイトルマッチ 5分5ラウンド 
デメトリアス・ジョンソン vs. ティム・エリオット




ジョンソンは、UFCのパウンド・フォー・パウンドランキングでも世界最強と評価されているフライ級絶対王者。昨年12月には最後の難敵と言われたヘンリー・セフードにも1ラウンドTKOで圧勝している。すでに同級のめぼしい上位ランカーは全員倒してしまっており、一人無人の荒野を往く状態にある。

その無敵の王者への挑戦権をかけ、各団体の王者を集めて行われたジ・アルティメット・ファイター(TUF)シーズン24を見事に勝ち上がったのがエリオット。もともとUFCに参戦しており、一時はランキング7位につけたこともあるエリオットは無類のタフネスとスタミナ、そして強烈無比な首技を武器にトーナメントを順当に勝ち抜き、決勝では日本の扇久保博正と対戦。激闘の末、レスリング力を誇る扇久保をポジショニングで上回り、3-0の判定勝ち。今回のチャンスをつかんでみせた。

1ラウンド、スイッチを繰り返しながら出入りを繰り返すジョンソンに対して、ノーガードの構えからパンチで前に出るエリオット。すかさずジョンソンはダブルレッグでテイクダウンに成功し、素早く腕十字を狙うが、エリオットは反応してサイドポジションを奪取。さらにスクランブルしたジョンソンに対して、エリオットはTUFでも猛威を振るった必殺のギロチンへ! 両足でジョンソンの身体を捕らえて締め上げてあわや大金星かと思われたが、ジョンソンは足を抜いて回転して首を抜くことに成功。

ジョンソンをがぶったエリオットは、今度はダースチョークに変化! これも深く腕が食い込んでいるかに見えたが、落ち着いて脱力したジョンソンは、やがてスピンして脱出。すぐに立ち上がって打撃で襲いかかるジョンソンは、エリオットをがぶってコントロールして膝を当て、体勢を逆転する。

振りほどくことに成功したエリオットだが、スタミナを失ったか両手を膝に置き息も荒い。王者は首相撲に捕らえるが、エリオットはここで前に出てボディを連打。さらにフックをヒットさせてジョンソンをぐらつかせる。持ち直した王者はパンチで前に出るが、エリオットはそれに合わせて見事なタイミングでシングルレッグテイクダウンに成功。ハーフ上の体勢でラウンドを終えてみせた。

圧倒的不利が予想されたエリオットの大健闘に、場内は大きく盛り上がった。

2ラウンド。半身でノーガードで構えるエリオットに対し、スイッチを繰り返すジョンソンはローキック。対するエリオットは大振りのパンチで前に出るが、そこにジョンソンはテイクダウンを合わせる。エリオットはギロチンで切り替えそうとするが、ジョンソンはサイドに回って危機を回避するとバックへ。それでも動き続けるエリオットだが、ジョンソンはそれに合わせて動き上をキープ。サイドからキムラを狙うが、エリオットも足を効かせて逃れる。

ならばとばかりに再びサイドを取ったジョンソンは、今度はマウンテッド・クルシフィクスからパウンドを放ち、再びキムラ狙い、さらにバックを狙うがエリオットは動き続けて極めさせない。終始エリオットの先手を取って攻め続けるジョンソンだったが、ラウンド終盤にエリオットは背後から膝を狙ったジョンソンの足を掴んでテイクダウン、上になってみせた。

3ラウンド、ローを飛ばすジョンソンは、パンチで一気に距離を詰めて組み付くと背後に回る。エリオットもスクランブルで上を狙うが、ジョンソンはバタフライで跳ね上げてシングルレッグから上を奪取。ハーフ上で胸を合わせて抑え込んだジョンソンは、パウンドを入れつつサイドを狙うが、ガードに戻したエリオットは下からのパウンドやサブミッションを狙い続ける。常にパウンドを交えながらパスを狙い続けるジョンソンと、下から動き続けるエリオットのノンストップのグラウンドの攻防が、ラウンド終了まで続いた。

4ラウンド。エリオットはあえてステップを止め両足を広げてベタ足で立つパフォーマンス。さらに映画『ベストキッド』の主人公の如き片足蹴りのポーズをとるが、距離を詰めたジョンソンがテイクダウン。そのままバックから上四方、さらにサイドで抑え込む。スクランブルを試み続けるエリオットだが、ジョンソンはその動きはもう見切ったとばかりに先に動き、上を取り続ける。さらに王者はバックからチョーク。腕が深く入ったかに見えたが、エリオットはそれでも身体をズラしてエスケープに成功。

これに応戦するジョンソンはマウンテッドクルシフィックスからパウンドを連打するが、エリオットはこれも脱出。それでも上を取り続けるジョンソンは、キムラグリップからストレートアームバーに。さらにキムラに変化して腕十字を狙うが、エリオットは後転してこれまた脱出してみせた。

5ラウンド、半身から横蹴りやバックフィストを繰り出すエリオットは、さらにダブルレッグでテイクダウンに成功! ジョンソンがスクランブルしたところにギロチンを狙うが、すでにこの仕掛けは読んでいるジョンソンは頭を抜いて上を奪取。エリオットも下から抵抗するが、王者は流れるようなポジショニングでサイドを奪う。下からしがみつくエリオットはやがてガードに戻すが、ジョンソンは常にパスを続ける。エリオットは下からキムラグリップを作ると、そのままポジションを返そうとするがジョンソンは先回りして腕十字に。しかし腕がすっぽ抜けて不発に終わる。

それでも上を取ったジョンソンはエリオットのバタフライを超えてハーフで抑え込み、最後までキムラを狙い続けて時間切れ。ブザーが響くと、絶対王者は笑顔でチャレンジャーの腕をつかんで立たせ、その健闘を称えた。

両者が終始動き続けた激闘の判定は3-0(49-46、49-46、49-45)で王者ジョンソンに。実に9度目の防衛を果たした王者は「ティム・エリオットは凄いファイターだった。(最初のラウンドで首を取られた時は)レフェリーのハーブ・ディーンに“大丈夫だから止めるなよ”って合図を送っていたんだ。タフだったけど、王者らしく冷静さを保ってリラックスして脱出した。グラップリングで彼を倒せると分かっていたからね。またジムに戻って世界最高のコーチたち、マット・ヒュームとブラッド・カートソンと一緒にやっていくよ」と語った。

敗れたものの、予想を遥かに上回る大善戦を見せた挑戦者エリオットは笑顔で「ありがとう。僕はただ試合が好きなだけの男なんだ。あとは、わが娘もね。また次の試合をしたいよ。自分でもこの舞台で誰とでも渡り合えることは分かっていた。死ぬまで戦っていいなら僕は誰にでも勝てる。ただ試合時間が終わった時に少々リードされていたってだけさ。DJは世界最強の選手だ。そんな選手とオクタゴンで時間を過ごせてハッピーだ」と語った。

1ラウンドにあわやの場面を作り、その後も驚異的な粘りを見せた挑戦者エリオットの健闘が光った一戦。そして、その大健闘故に、ラウンドが進むにつれ、挑戦者の動きを先回りして攻撃の精度を上げていった絶対王者の底知れぬ強さを見ることができた一戦だった。