日本時間3月5日(日)、アメリカ・ネバダ州ラスベガスにあるT-Mobileアリーナで行われたUFCのプレリミナリーファイト(前座試合)後半戦の試合レポート。
フェザー級 5分3ラウンド
ミアサド・ベクティック vs. ダレン・エルキンス

ボスニア生まれのベクティックはデビュー以来11戦全勝。UFCに参戦以後も4連勝を記録しており、前回はラッセル・ドーンを1Rチョークで仕留めている大注目選手だ。現在ランキング13位。対するエルキンスも、タフネスとレスリング力を活かしてのグラインド戦法でここのところオクタゴンで3連勝中。現在ランキングは14位だ。
1ラウンド、両者オーソドックス。ベクティックは踏み込んでの鋭い右を二発当てると、前に出たエルキンスのパンチのタイミングに合わせてダブルレッグでテイクダウン。すぐに胸を合わせてハーフからサイドに移行し肘を落とすと、エルキンスの顔面を早くも切り裂いてみせる。さらにマウンテッド・クルシフィクスの体勢でエルキンスの両腕を封じてパウンドを落とすベクティックだが、エルキンスも動いてハーフに戻す。
さらにガードに戻したエルキンスだが、ベクティックはパウンドを放ちまたしてもハーフまで体勢を進めてパウンドを落とす。それでも下から抵抗を続けスクランブルを試みたエルキンスだが、ラウンド終了時にはその顔面は血に染まり腫れ上がっていた。
2ラウンド、ワンツーを当てたベクティックは再びテイクダウンに成功。しかしエルキンスは金網を背にすぐに立ち上がる。さらにテイクダウンを狙ってゆくベクティックだが、エルキンスはこらえてギロチンを仕掛け、嫌がったベクティックから上を奪取。そのまま背中に付いたエルキンスだが、ベクティックは振りほどいてみせた。
ベクティックはさらに組み付いてテイクダウンに成功。下から抵抗を続けるエルキンスを組み伏せてハーフで胸を合わせると、そのまま上のポジションをキープしていった。
3ラウンド、スピードに勝るベクティックはワンツーを当てるとテイクダウンを狙い続け、シングルレッグから上を奪取。エルキンスは下からベクティックの脚を取ってヒールフックを狙い、極まらないと見るや立ち上がって背中に付くことに成功。立ち上がったベクティックに対し、背後からエルキンスの右がクリーンヒット! さらに、ぐらついて前傾姿勢となったベクティックの顔面にエルキンスの蹴りがヒット! ベクティックが前に崩れ落ちて3分19秒、エルキンスがまさかの大逆転KO勝ちを果たした。
大ダメージを受けた圧倒的に不利な状況でも諦めずに戦い続け、奇跡とも言える大逆転勝利を果たしたエルキンスは「最高の気分だ! 史上最高級の大逆転勝利ができた! もうフィニッシュするしかないと分かっていたんだ。ありがとう!」と語った。
ヘビー級 5分3ラウンド
マルチン・ティブラ vs. ルイス・エンリケ

ポーランドのティブラは、前回ビクトル・ペスタをハイキックでKOしてUFC初勝利を挙げている。対するブラジルのエンリケも、ここのところサブミッションでUFC2連勝中だ。
1ラウンド、両者オーソドックス。早々に組み付いたエンリケはしつこくテイクダウンを狙ってゆくが、流れで狙った膝蹴りを取られて逆にティブラにテイクダウンを許してしまう。しかしラウンド終盤に戦ったエンリケは、逆にボディロックからテイクダウンを奪い返してみせた。
2ラウンド、組み付いたエンリケはボディロックでテイクダウンに成功すると、すぐにサイドに。ティブラが立ち上がった後も執拗にテイクダウンを狙い続けた。
3ラウンドもテイクダウンを狙うエンリケ。しかしそれを堪えたティブラが逆にテイクダウン狙い。それをがぶったエンリケはスタンディングギロチンで締め上げるが極め切れず。再びテイクダウンを狙ったエンリケを、今度はティブラががぶって背後に回る。それを嫌がったエンリケからティブラがマウント奪取。強烈なパウンドを何発も落とすと、3分46秒でレフェリーが試合を止めた。
バンタム級 5分3ラウンド
ユーリ・アルカンタラ vs. ルーク・サンダース

ブラジルのベテラン、アルカンタラは前回やはりベテランのブラッド・ピケットから1R三角締めで一本勝ち。UFC戦績を8勝4敗1NCとしており、現在ランキング15位につけている。対する米国のサンダースはデビュー以来11戦全勝。前回のUFCデビュー戦では、日本でもおなじみのマキシモ・ブランコを1Rチョークで仕留めている。
1ラウンド、両者サウスポー。いきなり近づいて大外刈りで倒したアルカンタラは、そのまままたいでの腕十字を狙うが、サンダースは素早く反応して頭を起こすとパウンドを放ってすぐに離れる。開始早々の電光石火の両者の攻防に沸き上がる場内。スタンドに戻ると、アルカンタラは飛び込んでの豪快な左を当てるが、サンダースもカウンターを当てる。
やがてアルカンタラのローを掴んで倒して上になったサンダースは、パウンドからアルカンタラの背中に付いて体重を預けると強烈な左の連打。アルカンタラはその左を抱えて伸ばしにゆくが、見事な体重移動で上を保つサンダースは今度は右で連打。アルカンタラを金網に詰めてさらに連打を入れていったサンダースだが、終盤片膝片手の付いたアルカンタラの顔面に膝を入れてしまう痛恨の反則。1ポイントを減点されるとともに、圧倒的有利な体勢も失ってしまった。
2ラウンド。大きなダメージを受けたはずのアルカンタラだが、闘志は全く衰えずに飛び込んでの左を放ってゆく。対するサンダースも優れた距離感でそれをかわしてはカウンターの左で応戦。やがて前に出て金網際にアルカンタラを詰めたサンダースは強烈なボディへの膝。これが効いて膝を付いたアルカンタラにさらに打撃を入れてゆく。
スクランブルを試みるアルカンタラだが、サンダースはそれをがぶって1ラウンドと同じ体勢でバックに付いてパンチの連打。大ピンチと思われたアルカンタラだが、ここで前転して膝十字の体勢に。サンダースの右足の深い部分を両脚で挟み込むことに成功し、そのまま腹這いになって伸ばすとサンダースがタップ! 3分13秒、アルカンタラが大逆転のサブミッションを極めてみせた。
柔術黒帯の力を見せつけた勝者は「みんなありがとう。この日のためにとレーニングに集中してきたんだ。1ラウンドの膝は効いたけど、練習でもよくあることだから戦い続けたんだ。僕は柔術の黒帯だ。あの膝十字は僕の持っている武器の一つに過ぎないよ。次はぜひ僕よりランクの高い選手と戦いたいね」と語った。
ヘビー級 5分3ラウンド
マーク・ゴッドビアー vs. ダニエル・スピッツ

ゴッドビアーは前回のオクタゴンデビュー戦でジャスティン・レデットに1Rチョークで敗退。対するスピッツはこれまで5戦全勝。今回がUFCデビュー戦だ。
1ラウンド、両者オーソドックス。前に出て積極的にワンツーやローを放つゴッドビアーに対し、スピッツはリラックスした構えで距離を取り、ジャブやストレートのカウンターを狙う。ラウンドを通して、ゴッドビアーのローがスピッツの左足を捕らえる場面が目立った。
2ラウンド。パンチで前に出てくるゴッドビアーに組み付いたスピッツは、ボディロックからテイクダウンで上を取る。しかしゴッドビアーは立ち上がり、目に見えて動きの落ちたスピッツを金網に詰めてはヒジや膝、ボディや顔面へのショートパンチを放っていった。
3ラウンド、前に出て強打を放つゴッドビアーと、下がりながらカウンターを狙うスピッツという展開が続く。後半にゴッドビアーの右がクリーンヒットしてスピッツの膝が一瞬落ちる。さらに連打を放つゴッドビアーだが、スピッツを仕留め切ることはできなかった。
判定は3-0 (三者とも30-27)でゴッドビアーの勝利となった。