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エドガー快勝、大勝のヌルマゴメドフはマクレガーを挑発

日本時間11月13日(日)、 アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク市にあるマディソン・スクエア・ガーデンで行われたUFC 205におけるプレリミナリーファイト(前座試合)後半戦の試合レポート。

フェザー級 5分3ラウンド 
フランキー・エドガー vs. ジェレミー・スティーブンス




元ライト級王者のエドガーは、昨年11月、チャド・メンデスを1ラウンドKOに葬り力を見せつけたが、今年7月の前フェザー級王者のジョゼ・アルドには5ラウンド判定負けを喫している。現在ランキング2位。

対するスティーブンスは、昨年12月にはマックス・ホロウェイに判定で敗れたものの、この5月には元フェザー級王者のヘナン・バラオンを判定で下し、キャリア最大の勝利を収めた。ランキングは7位とし、今回さらなる大チャンスを迎えている。

1ラウンド、両者オーソドックス。一回り大きいスティーブンスに対して横への動きを多用するエドガーは、開始早々ダブルレッグでテイクダウンを奪うが、スティーブンスもすぐに立ち上がる。プレッシャーをかけたいスティーブンスに対し、エドガーは横に動いてはカウンターの右を当て、またテイクダウンを仕掛けて揺さぶるが、スティーブンスも辛抱強くディフェンスする。その後突き放すことに成功したスティーブンスはプレッシャーをかけるが、エドガーは左右の動きでそれをかわしていった。

2ラウンド、エドガーは左右の動きに加え、前後の出入り繰り返しながらワンツーやローを当て、さらにテイクダウンを織り交ぜてゆく。スティーブンスは倒されても立ち上がって試合をスタンドに戻して前に出てゆくが、エドガーの動きは止まらない。

そんな中、前に出続けるスティーブンスの左ハイがヒット! 崩れたエドガーに膝で追撃するが、エドガーはタックルで凌ぐ。それを振りほどいたスティーブンスは、下がりながらダメージの回復を図るエドガーを追いかける。ここでエドガーが起死回生のダブルレッグ! テイクダウンに成功すると、スクランブルで立とうとしたスティーブンスにギロチンチョーク! 下になりながらスティーブンスがそれを凌ぐと、上から抑え込んで再びアームイン・ギロチンで。マウントから絞り上げるがスティーブンスは逃れてみせた。

3ラウンド、スティーブンスは強烈なローを繰り出すが、エドガーはその2発目に合わせてテイクダウン。ハーフで胸を合わせて抑え込んでみせる。スティーブンスは下からキムラロックを仕掛けるが、エドガーはそれをディフェンスし、スクランブルを試みたスティーブンスの背後に回る。チョークを狙うエドガーだが、スティーブンスは立ち上がって振りほどくことに成功した。

残り2分。スタンドで距離を詰めて豪腕を振り回すスティーブンス。エドガーは左右に動きながら、ときにテイクダウンを交えてそれを捌いてゆく。終盤スティーブンスはさらに拳を振るうが、エドガーもカウンターの右を返すうちに試合は終了。大激闘を展開した両者に大きな歓声が送られた。

判定は3-0(30-27、30-27、29-28)でエドガーに。勝者は「ガーデンのみんな! 最高だぜ。ジェレミーはビーストだった。デイナ、今度はブルックリンで大会を開いてくれ!」と喜びの声をあげた。


ライト級 5分3ラウンド 
ハビブ・ヌルマゴメドフ vs. マイケル・ジョンソン




23戦無敗のグラップラー、ヌルマゴメドフはこの4月怪我からの復帰戦を行い、ダリル・ホーチャーを2ラウンドで仕留めて復調を印象づけた。現在ランキング2位。

対するランキング6位のジョンソンは前回、ダスティン・ポイエーを1 ラウンドKO、こちらも勢いに乗っている。今後のライト級タイトル戦線を占う上できわめて重要な上位ランカー対決となった。

1ラウンド、オーソドックスからプレッシャーをかけたいヌルマゴメドフに対し、リーチに勝るサウスポーのジョンソンは良いタイミングの長い左ストレートを多用し、ヌルマゴメドフを近づかせない。ボディストレートも当てたジョンソンは、さらに左をあててヌルマゴメドフをぐらつかせる。被弾しながらも強引に前に出て組み付いたヌルマゴメドフは、小外掛けから捻り倒してテイクダウン、そのままサイドを取ることに成功した。

すぐに相手の両手を固定するマウンテッド・クルシフィックス(マット・ヒューズポジション)の体勢を作り、パウンドを打つヌルマゴメドフ。ジョンソンが暴れて腕を抜くと、ハーフに移行して体重をかけさらにパウンドとヒジの連打。なんとかジョンソンがガードに戻しても、すぐに膝を入れてハーフで押さえ付け、再び強烈なパウンドを落としてゆく。嫌がったジョンソンの背後に付いたヌルマゴメドフは、ジョンソンの片手を固定してさらに強烈なパウンドの連打! 絶体絶命と思われたジョンソンだが、下から抵抗を続けてなんとかラウンド終了まで生き延びた。

2ラウンド。前ラウンド同様にワンツーで距離を取りたいジョンソンだが、ダメージ故にキレが落ちていて、ヌルマゴメドフのプレッシャーに負けて距離を詰められてしまう。それでもジョンソンは組み付いてくるヌルマゴメドフを突き放すが、ヌルマゴメドフはしつこくテイクダウン狙いで密着。やがてジョンソンは引き込みながらのギロチンへ。しかしヌルマゴメドフは足を抜く。

すぐに膝を入れてパスし、再びクルシフィックスを作ってジョンソンの両手を封じたヌルマゴメドフは、ガラ空きの顔面にパウンドを連打。さらに1ラウンド同様、背後からジョンソンの片手を掴んでのパウンドの連打。体重をかけられ脱出できないジョンソンは、無数のパウンドを貰いながらも諦めずに抵抗を続け、このラウンドも最後まで耐え抜いた。

3ラウンド、明らかに動きの落ちているジョンソンに対し、前に出ながらの右アッパーで距離を詰めたヌルマゴメドフは、すぐにダブルレッグからテイクダウンに成功。ジョンソンの両足の上に座り込んでパウンドを連打する。さらにヌルマゴメドフはマウントからサイドとポジションを変える。ジョンソンは金網を蹴っての脱出を狙うが、ヌルマゴメドフのポジションは崩れない。

やがてキムラグリップを作ったヌルマゴメドフが、そのままジョンソンの左腕をキムラロックで絞り上げると、それまで恐るべきタフネスで抵抗を続けていたジョンソンも、2分31秒でついにタップした。

その凄まじいグラップリング力を改めて見せつけたヌルマゴメドフは、「僕は謙虚でいたいんだけど、この場では話さなくてはならない。他のみんながしゃべりすぎるからだ。UFCのPRマシーンにはものすごい力がある。君たちが推しているあの男は、この前チキン(弱虫)の如くタップしたばかりだというのに、今日はタイトルに挑戦だ! なんてクレイジーな話だ!」

「なあ、これはトラッシュトークじゃないよ、真実だ。アイルランドには人口が600万人しかいない。対してロシアは1億5,000万人だ。僕は君らが誇るチキンと戦いたい! これこそライト級で一番楽な試合だからだ。僕の力は全て神が下さったものだ。僕はこれで24戦全勝だ」 と、ブーイングの中でコナー・マクレガー戦をアピール。

さらにヌルマゴメドフは、インタビュアーのジョー・ローガンに対し、「君はナンバーワンのMMAアナリストだ。どうか教えてくれ。僕はタイトルに挑戦する資格はあるかい?」と詰問。ローガンのお墨付きを得ると「レッツゴー! 君たちのチキンと戦おうじゃないか!」とさらに念を押してみせた。


ミドル級 5分3ラウンド 
ハファエル・ナタウvs. ティム・ボーシュ




ナタウは4月にロバート・ウィテカーに判定負けし、連勝が4でストップしてしまった。現在ランキング14位。ボーシュの方は7月、ジョシュ・サマンに2ラウンドTKO勝利を収め、こちらは連敗を3で脱出したところだ。

1ラウンドオーソドックスのボーシュは、柔らかく上半身を揺らしながら左右のフックや前蹴りで中心にプレッシャーをかける。対するナタルはスイッチしながらサークリングし、ローやジャブ、さらに大振りの右を狙うが、ボーシュの前進を止め切れない。

やがて距離を詰めたボーシュの右フックが炸裂! 膝から崩れてダウンしたナタルにパウンドの追い打ちを浴びせ、3分22秒でレフェリーが試合を止めた。

素晴らしい戦いでランカーを倒したボーシュは「UFCで20試合目の今回、はじめて自分の武器が研ぎすまされた気がするよ。これからどこまで行けるか楽しみだ。周りからは見えなかったけど、序盤にパンチを効かせることができて、向こうの目を見て効いているのが分かったんだ。だから辛抱強くまた狙っていったんだ。(フィニッシュでは)ケージが背にあったせいで向こうは距離を取れなかったんだろうね」と語った。


ウェルター級 5分3ラウンド 
ビセンテ・ルーケ vs. ベラル・ムハマッド




ルーケは前回、ヘクター・ウルビナを1ラウンドKOに仕留め、UFC3連勝を記録している。対するムハマッドも前回、アウグスト・モンターノに3ラウンドTKOで勝利。勢いに乗った両者の対戦だ。

1ラウンド、スイッチしながらローやミドルを放ちプレッシャーをかけてゆくルーケに対し、ムハマッドはサークリングしながらカウンターを狙う。やがて距離が近づいたところで、ムハマッドの右をガードしたルーケの左フックが炸裂! たまらずダウンしたムハマッドにパウンドで追い討ちをかけて、1分19秒で勝負を決めた。

見事なKO勝ちを収めて4連勝を収めたルーケは、「神に感謝したい。2週間半の準備期間だったけど、ニューヨークでの試合のオファーにノーとは言えなかったよ。ブラジルでもブラックジリアンでも打撃の練習をずっと重ねていたし、向こうの得意なパターンは分かっていたから、カウンターを狙っていたんだ。生まれ育ったブラジルにも、アメリカにも感謝だ」と語った。