『人ってものは常に変わり続ける。ただ単に人を倒すだけなんて虚しいものさ。俺は常に今自分がなれる最高の自分になりたい』-フィル・デイビス
フィル・デイビス は土曜の夜にラシャド・エヴァンス と対戦する。しかしフィルにとって誰と対峙するかは重要ではない。それはエヴァンスだったかもしれないし、“ショーグン”フアだったかもしれない、またライトヘビー級チャンピオンジョンのジョン・ジョーンズだったかもしれない。彼はそんなことは気にしないのだ。それらはただの名前だから。
「人ってものは常に変わり続ける。ただ単に人を倒すだけなんて虚しいものさ」とフィルは語る。「俺はただ自分がなれる最高の自分でいたい。だから誰と戦うかなんて気にしない。ただ自分のために準備をし、そしてスキルをさらに磨き上げたい
これはレスリングルームの中で長い年月をかけて培われた哲学だ。レスリングにおけるキャリアは、2008年ペンシルバニア大学在学中にNCAAナショナルチャンピオンシップを制覇したときにピークを迎えた。そのあとMMAの世界に飛び込んだが、その中で彼はまだレスリングで手にしたチャンピオンの称号を手にすることができていない。
「俺はかつてチャンピオンだった。そしてルールの違うスポーツをやっているが、しかし競技に臨む姿勢は変わらない。もし自分自身ついてまだよくわかっていないなら、相手がどんなやつでどんな事が出来るのかなんて関係ない。もし自分が最高の自分になれないなら、相手だって最高の状態でいる必要はないだろう? 時々、目標とする一人の背中を追う事に躍起になってしまう時があるが、ある日突然その人が敗れたら、違う背中がまた新たな目標となるだけだ。そうやって誰かを追いかけながらずっとトレーニングするというのは、違う気がする」
このインタビューの時点では、去年のUFC 133 でエヴァンスと戦う予定であったが、フィルの膝の負傷によりカードは延期となっていた。
「試合がキャンセルされてすぐに自分の状態を100%に戻すよう専念した。もちろん、俺はずっとこの階級に目を配り、誰が誰と戦い、どんな戦いをするかをずっと見てきた。俺はエヴァンスがどんな戦いをするか知っている。ただ、対象にのめりこんで研究しすぎるという事はないよ」
この膝のけがは単に外的負傷だけでなく、5カ月の休養期間を生み、彼のキャリアを傷つける可能性もあった。しかし2010年にUFCに参戦して以来、休みなく試合に出続けていたこの27歳の男にとっては、それは必要な休養期間とも言えた。 UFC 109 の ブライアン・スタン 戦でデビューして以来、2010年までに4戦4勝し、そしてケガをした2011年はさらに1勝している。そう、彼は連戦連勝し、彼のファンやそしてメディアを沸かし続けてくれた。ただ、彼はけがで離脱していた間、自分に必要なスキルを身に付けるための時間を取ることができた。
「年に4、5回の試合をこなそうと思うとなかなか自分を高める時間はない」フィルはそう付け足した。「ファイトキャンプから次のファイトキャンプへと飛び回るだけで、それがいいとは限らない。だから少し戦いから離れる事はいいことだった。そして焦る必要はなかったから、本当に治るまでゆっくり調整しようと思った。自分に必要なスキルを身に付けて、今は自分のなりたい自分になれているよ」
もうすでにスタン、ホジェリオ・ノゲイラ、, アレクサンダー・グスタフソン, そして ティム・ボッシュ を倒してきた男がさらに強くなっているというのは恐ろしい事だ。エヴァンス戦はさらにタフで彼のキャリアの中で間違いなく一番重要な試合になるだろう。FOXのメインイベントとして不足はないといっていい。
「ただの試合だよ。チャンピオンになるためのチャレンジの一つだ」
この発言には説得力がある。そして彼は周りを遮断することで彼の本能を最大限に発揮することができるという。 「自分自身に忠実になれば簡単な事だよ。自分が最高だと信じる事から始めれば自分史上最高になれる。そして自分を甘やかすことは簡単な事だから、自分に新しいゴールを設ける事はとても難しい。それは本当に難しいよ。でも、もし今の自分にどうやってたどり着いたのかを忘れてしまったら、自分をさらに高める事なんて出来やしない。自分が一番の高みまでたどり着いていないなら、それはまだできる事があるってことだ」
完璧なファイトになるのだろうか? このMr.ワンダフルにどんな事が起こるのだろう? 「最小のダメージでゲームプラン通りに試合を運ぶ事」と彼は言った。
そして何が次に起こるのだろう? 「次のゲームプランを練って、それに合わせて完璧に準備をするだけ」 そしてより完璧な自分になるのか? 「もちろんだよ」