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ブリスベンのメインカードは驚きの結末に

UFC ファイトナイト ブリスベン大会で行われたメインカードの結果は以下の通り。

オーストラリアのクイーンズランド州ブリスベンにあるブリスベン・エンターテイメント・センターで開催されたUFC ファイトナイト大会のメインイベントでヘビー級のマーク・ハントとアントニオ“ビッグフット”シウバは25分間に渡る流血、ガッツ、テクニック、そして勝利への意思に漲る、今年一番とも言える、どちらが勝者でもおかしくはない名勝負を繰り広げた。そしてジャッジの判定がどちらを勝者としたとしても不平を述べるものはいないであろうこの真の激闘はマジョリティ・ドローと言うジャッジの判定により引き分けに終わった。

このヘビー級の死闘に対し、1名のジャッジが48−47でハントを勝者として支持したものの、残り2名のジャッジは47−47と判定した。

試合開始後2分が経過するまでこれと言った攻防は見れれなかった。ハントが荒々しい大振りのパンチを空振りした所にシウバは強烈な右を叩き込んだが、ハントはその一撃を瞬きもせずに受け止めた。しかしラウンド中盤を過ぎたあたりでシウバの右の強打が再びハントを直撃し、ハントはこの一撃でフラッシュダウンを喫してしまった。すぐに起き上がったハントはまるで何事も無かったかの様にシウバにプレッシャーをかけ続け、シウバはガードを高く挙げながら距離を保ちつつ注意深く打撃を散らしてこれに対応した。残り時間1分、シウバはテイクダウンに飛び込んだがハントはこれを巧みに防御し両者が金網際で組み合う中、1ラウンドは終了した。

2ラウンドが始まるとハントはやや手数を増やし始めたが、シウバの防御と攻撃は共に堅実であった。残り時間2分20秒、ハントの右がシウバを捉え、シウバは一瞬片膝をついたものの即座にそのダメージから回復したようだった。その後シウバがハントの前足に強烈なローキックを叩き込み続け、ハントはバランスを崩しスタンスをスイッチする姿を見せる等、この試合におけるハントに対するシウバの最大の武器はローキックであることを証明した。

シウバが再びローキックを狙うとハントはその蹴り脚をキャッチしテイクダウンを成功させた。シウバはすぐに立ち上がったものの、ハントがこれまで見せる事の無かったいくつかのトリックを隠し持っている事が明らかになった。ラウンドが進むにつれてハントは圧力を強め続け、右の強打でシウバの顔面を打ち抜くとシウバに尻餅をつかせた。会場に大声援が鳴り響く中、グラウンドでの打撃でフィニッシュを狙ったハントだったが、シウバはなんとかこのラウンド終了まで持ちこたえる事に成功した。

4ラウンドが始まるとシウバは大振りのパンチで突進し、ハントは望む所とばかりにこの打ち合いに応戦したが、間もなく両者は金網際での組み合いに陥った。両者がブレイクされると、シウバは再び大振りのパンチからテイクダウンに飛び込んだが、この攻防を制してテイクダウンからトップポジションを獲得したのはハントであった。ハントが数発のパウンドを落とした所で両者の攻防は再びスタンドに戻り、互いに猛烈な無数の打撃を交換した。そしてハントがやや劣勢に回ったかのように見えた所で“ザ・スーパーサモアン”が反撃を開始した。しかし両者の攻防がグラウンドに移行するとシウバはマウントポジションを奪取し無数のパウンドを振り下ろし、ハントの顔面から流血を誘った。万事休すかと思われたハントだったが、この最悪のポジションでも止まる事無く動き続け、なんとかラウンド終了のブザーが鳴るまで生延びた。

最終ラウンドが始まってもハントの中には闘志がみなぎっている事は明らかだった。ハントは左右のパンチを振るい続け、シウバの顔面は明らかに傷ついていった。おびただしく流血し、疲労の見えるブラジリアン・ファイターはそれでも前へ出続け、ハントはこれをほとんど乱打のような打撃で迎え打った。残り時間2分44秒、レフリーのスティーヴ・パーセヴァルはシウバのカットの具合をドクターに見せる為に一度試合の中断を宣告したが、ドクターは試合の続行を許可し死闘は再開された。両者は驚異的な乱打戦を繰り広げ、すぐにシウバが優勢に立ったかに見えた。すると今度はハントが盛り返し、会場の誰もがこの二人は一体あとどのくらい立っている事ができるのだろうか、と疑問に思う程であった。残り時間1分、両者はとうとう金網際での組み合いに陥った。ほんの僅かの休息ののち両者が再び死力を尽くして打撃を繰り出す中、この記憶に残るであろう死闘は試合終了のブザーによって終わりを迎えた。

ハントはこれで9勝8敗1分け、シウバは18勝5敗1分けとなった。

ショーグン vs. テフナ

今夜のセミ・メインイベントに登場した元UFCライトヘビー級王者のマウリシオ・フアはパース出身のジェイムズ・テフナをこれぞ“ショーグン”と誰もが唸るような一撃で1ラウンドにフィニッシュし、彼の現在の実力に疑問を持っている人々を沈黙させた。

最近のアレクサンダー・グスタフソン戦やチェール・ソネン戦の時よりも集中力を高めて来た様に見えるフアはオクタゴンの中での自在なフットワークを駆使し、テフナのテイクダウンを跳ね返すと、左で距離を詰めて来たテフナに完璧な左フックを叩き込んだ。テフナがマットに激しく崩れ落ちるとレフリーのジョシュ・シャープが1分03秒で試合の終了を宣告した。

この勝利で32歳のフアは戦績を22勝8敗と伸ばし、テフナの戦績は18勝7敗となった。

ベイダー vs. ペロシュ

ライトヘビー級のライアン・ベイダーはアンソニー・ペロシュを3ラウンドに渡り圧倒。ユナニマス判定で勝利を手にして9月にグローヴァー・テイシェイラに喫した敗北から見事な復活を遂げた。

ジャッジの判定は30−27が2名、残る1名が30−26でベイダーを勝者として支持した。

序盤は辛抱強くチャンスをうかがったベイダーが右のアッパーカットで41歳のペロシュからダウンを奪うと、ベイダーが試合をフィニッシュするのは最早時間の問題かと思われたが、ペロシュはこのピンチを凌ぎきり、攻防をスタンドに戻す事に成功した。再びベイダーの右のアッパーカットがペロシュを捉えたが、経験豊富なペロシュはお返しの右でベイダーをえぐり、ベイダーは少々慎重にならざるを得なくなった。ペロシュがスリップし再びマットに倒れると、元ジ・アルティメット・ファイターのベイダーはすかさずペロシュに踊りかかり、グラウンド&パウンドで相手を攻め立てた。またもや立ち上がる事に成功したペロシュは打撃を繰り出しなんとか活路を切り開こうと試みた。残り時間1分、ベイダーはテイクダウンを成功させるとグラウンドでの打撃でペロシュを鮮血に染め、このラウンドでの明確な優勢を印象づけた。

第2ラウンドは10−8と採点されてもおかしくはない程、その始まりから終わりまでベイダーによるグラウンド&パウンドを駆使した圧倒劇が展開された。3ラウンドもベイダーは5分間に渡り絶え間ないプレッシャーをペロシュに掛け続けて同様の展開を繰り広げると、その戦績を17勝4敗と伸ばした。ペロシュはこの一戦を落とし、その戦績は14勝8敗となった。

パレレイ vs. ベイリー

8月の3ラウンドTKO勝利を収めたニキータ・クリロフ戦とはうって変わり、パースのソア・パレレイはパット・ベイリーを相手にその真価を発揮、強烈なグラウンド&パウンドで“HD”を僅か1ラウンドでフィニッシュして見せた。

即座にテイクダウンに飛び込んだパレレイだったがベイリーはこれは巧みに防御した。しかし残り時間3分、ベイリーがヒザを放った所でパレレイがテイクダウンをフィニッシュ、すぐにマウントポジションを奪取した“ザ・ハルク”は鋭いパウンドを落とし続けベイリーの意識を刈り取り、1ラウンド2分09秒でレフリーのストップを呼び込んだ。

10連勝目となるこの勝利でパレレイは戦績を20勝3敗と伸ばし、ベイリーは8勝7敗となった。

ヘスター vs. アンドリュース

TUF 17の出演者同士であるクリント・ヘスターとディラン・アンドリュースのミドル級の一戦は、2ラウンド終了時にアンドリュースが負傷により試合続行不能に陥ると言う消化不良な結末を迎える事になった。

序盤から爆弾の様なパンチを振り回すヘスター(9勝3敗)は何度かそのキレのある右をアンドリュースに叩き込んだ。試合時間1分15秒、アンドリュースがテイクダウンで反撃すると両者の攻防はスクランブルの様相を呈し、アンドリュースが一度はヘスターをギロチンに捉えたもののヘスターはそこから脱出しトップポジションを確立した。残り時間1分、両者の攻防は再びスタンドに戻り、ゴールド・コーストの人気者アンドリュースが再びテイクダウンに成功し、場内に大歓声が轟いた所でラウンド終了のブザーが鳴った。

2ラウンドが開始されるとパンチをまとめたヘスターは更にテイクダウンにも成功。グラウンドで打撃を振り下ろし、アンドリュースの顔面を鮮血に染めた。残り時間1分20秒、アンドリュース(18勝6敗1ノーコンテスト)は攻防をスタンドに戻す事に成功するが、それまでのグラウンドでのヘスターの猛攻で消耗したように見えた。ところが実際にアンドリュースを苦しめていたのは消耗ではなく、右のクロスを放った際に発生した右肩の脱臼であった。アンドリュースは2ラウンドは闘い抜いたものの、当然ながらラウンドインターバルの間に試合の終了が宣告され、ヘスターにTKOによる勝利をもたらした。

コヘイア vs. ケッジー

メインカードのオープナーではブラジルのニューカマー、ベッチ・コヘイアが女子MMA界のパイオニア、ジュリー・ケッジーに判定で勝利。見事な金星を挙げることに成功した。

判定は29−28、29−28、そして28−29と別れたものコヘイアを勝者として支持。コヘイアはこの勝利で戦績を7勝0敗と伸ばし、ケッジーは16勝13敗となった。

1ラウンドの序盤3分間はケッジーが効果的なキックとカウンターのパンチを駆使して試合を支配した。しかし4分過ぎからコヘイアは距離を掴み始め、ボディから顔面への的確な左のコンビネーションを何度も叩き込むと、金網際にケッジーを押し込む展開を繰り返した。

2ラウンドでも1ラウンドと同じ様な展開が繰り返されケッジーが主導権を握ったものの、3ラウンドに入るとコヘイアは手数を増やし、ケッジーを乱打戦に誘い込むとそこからテイクダウンへと繋げてみせた。コヘイアが試合の流れを完全に掴んだかと見えた瞬間、ケッジーは爆発的な動きで立ち上がり、ジャッジによって優勢とまでは評価されることは無かったが、堅実なディフェンスでブラジリアンのそれ以上の有効打を許す事は無かった。

無敗を守ったコヘイアはこの勝利で7勝0敗。ケッジーは16勝13敗となった。