日本時間11月27日(日)、 オーストラリア・メルボルンにあるロッド・レーバー・アリーナで行われたUFCファイトナイト・メルボルンのプレリミナリーファイト(前座試合)後半戦の試合レポート。
ミドル級 5分3ラウンド
ダニエル・ケリー vs. クリス・カモッツィ

地元オーストラリアの元柔道五輪代表のケリーは昨年5月、サム・アルビーの強烈な一撃を貰いプロ初黒星を喫したものの、それから2連勝をマークして調子を上げている。対するカモッツィは8月ターシス・レイチに3ラウンドチョークで一本負け。連勝が3で止まったことで勝利街道復帰を目指す。
1ラウンド、サウスポー同士の両者。前に出るケリーに対して、カモッツィはサークリングしながらジャブを当てる。前に出るケリーも時折左フックやオーバーハンドを当てるが、リーチに勝るカモッツィのジャブやワンツーがヒットする場面が目立つ。終盤、カモッツィは強烈な左のカウンターヒジを当て、ケリーの額から出血が。しかしケリーも負けじと組み付いてテイクダウンを奪い、場内を沸かせてみせた。
2ラウンドも猛然と前に出たケリーは、カモッツィを金網に詰めると小外掛けでテイクダウンに成功。ハーフで抑え込んでパウンドを当てる。カモッツィは脇を差してロックダウン(二重絡み)を作ってプレッシャーを避けようとするが、ケリーはバランスをキープして胸を合わせてさらにパウンドを落とす。やがてガードに戻したカモッツィだが、ケリーは体重をかけてパウンドを入れ続け、カモッツィの顔面を血に染める。
ガードを開いて突き放そうと下カモッツィに対して、ケリーはその足を捌いてサイドに回ってさらにパウンド。カモッツィは再びガードに戻すが、ケリーは上のポジションをキープし続けた。
3ラウンド、前に出たケリーは左ストレートをヒットするが、カモッツィは足を使って回りカウンターのジャブやアッパーを当てる。追いかけるケリーと、回りながらジャブを放つカモッツィという展開が続く。ケリーは時にカモッツィを金網に詰めて組み付くが、カモッツィは振りほどく。残り1分半、無数のジャブを受け、顔面を血に染めつつも前に出るケリーは、カモッツィを金網に詰めて片足を取ると、さらにもう片方の足を刈ってテイクダウンに成功!そのままインサイドガードで上になった。
残り1分。ケリーは前に体重をかけ、鉄槌を当てにいくがカモッツィも防御。さらに腰を上げたケリーはカモッツィのガードを空けさせると終了寸前に足を捌いてパスに成功。サイドから猛然とパウンドを打ち込み、大歓声のなか有利な体勢で試合を終えてみせた。
判定は3-0(29-28, 29-27, 30-27)でケリーに。1ラウンドはカモッツィが有効打で圧倒していたので30-27というスコアには疑問が残るものの、不屈の闘志で前に出て、自らのアイデンティティである柔道技を炸裂させての見事な逆転勝利だった。
地元の大歓声を浴びた39才のケリーは、「最初の2ラウンドは取ったと思ったよ。息子にハッピーバースデーと言いたい。タフな試合だった」と語った。
ライト級 5分3ラウンド
ダミアン・ブラウン vs. ジョン・タック

地元オーストラリアのブラウンは前回、セザール・アルザメンティアを1 ラウンドKOに沈め、UFC初勝利を挙げたところ。対するグアム出身のタックは前回はジョシュ・エメットに1-2の判定で惜敗。UFC戦績は3勝3敗だ。
1ラウンド、両者オーソドックス。オクタゴン中央を取ったタックは右ストレートからタックルに入るが、ブラウンはギロチンでカウンター。アームインの形で絞り上げるが、タックは頭を抜いてハーフで抑え込む。金網に押し付けてブラウンの動きを止めたタックは上からパウンドを放つが、ブラウンも足で距離をとって立つことに成功。
スタンドでブラウンはパンチのコンビネーションで前に出るが、タックのカウンターの右ストレートがクリーンヒット! ダウンしたブラウンに対し、タックはすかさずバックを奪ってチョークを狙うが、ブラウンは顔面から血を滴らせながら腰を上げて守り抜いた。
2ラウンド、タックのローがブラウンの急所に入るアクシデントが。再開後、スイッチをしながら積極的に前に出るブラウンのパンチが当たる場面が増えてくる。さらにブラウンは前に出たタックに綺麗なカウンターの右ストレートを決めてみせた。
3ラウンド、前に出るタックがワンツーを当てれば、ブラウンも強烈な蹴りからパンチのコンビネーションでカウンター。鋭いジャブからローを当てるタックに対し、ブラウンは再び顔面から血を流しながらミドルやハイを打ち返す。結局両者譲らずに試合が終了した。
判定は2-1(29-28, 28-29, 29-28)で、後半盛り返したブラウンの勝利。地元ファイターの勝利に観客席は盛り上がったが、1ラウンドは完全に支配し、2 ラウンドもダウンを奪ったにもかかわらず負けにされたタックは呆然としていた。
ウェルター級 5分3ラウンド
リチャード・ウォルシュ vs. ジョナサン・ムニエ

地元オーストラリアのウォルシュは、ここまでUFC2勝3敗。対するカナダ出身のムニエは、前回のUFCデビュー戦にてコルビー・コビントンに3ラウンドチョークで敗れ、プロ初敗戦を喫している。
1ラウンド、オーソドックスからローで前に出るウォルシュに対して、ムニエは軽快なステップを踏み、スイッチを繰り返しながらローを返してゆく。カウンターのストレート等を当てたムニエは、終盤に組み付いてテイクダウンを奪い、ハーフ上からパウンドを入れていった。
2ラウンド、前に出てテイクダウンを狙うウォルシュだが、ムニエは金網を背に耐えて振りほどく。前に出るウォルシュに対して、ムニエがスイッチしながらパンチや横蹴り、さらにバックフィストでカウンターを取る場面が増えてくる。終盤、ムニエのカウンターに合わせてウォルシュがダブルレッグでテイクダウンを取ったが、ムニエはすぐに立ち上がり、膝蹴りや前蹴りを返し、終了直前にはバックスピンや飛び膝等の大技を繰り出してみせた。
3ラウンド、後の無いウォルシュは果敢に前に出てシングルレッグでテイクダウンを奪うが、ムニエはすぐに立ち上がり、やがて振りほどくことに成功。その後、ウォルシュのバックフィストに合わせてムニエが逆にテイクダウン。ギロチンでカウンターを試みるウォルシュだが、ムニエは素早くサイドに回って対応し、そのまま抑え込むが、ウォルシュも脇を差してスクランブルから立ち上がる。
さらに打撃戦を仕掛けるウォルシュは、右ストレートをクリーンヒットしムニエが膝を付く。立ち上がったムニエはタックルを仕掛け、それを切られると膝を放って距離を取り、展開を切ることに成功。終盤にウォルシュはシングルレッグからテイクダウンし、さらに背後からパウンドを仕掛けて最後の攻撃。しかしムニエも立ち上がって向き直り、首相撲からの膝で反撃をみせた。
判定は3-0 (29-28, 30-27, 30-27)でムニエに。敵地で嬉しいUFC初勝利を挙げてみせた。
フライ級 5分3ラウンド
ベン・グエン vs. ジアン・エレーラ

ベトナム系アメリカ人のグエンは前回、ルイス・スモルカに2ラウンドTKO負けを喫して連勝を8で止められてしまった。現在ランキング15位だ。対するエレイラも前回、強豪アリ・バガウティノフに判定で敗れている。
1ラウンド、開始と同時にエレーラが右のフライング・サイドキック(いわゆるライダーキック)でグエンを吹っ飛ばす! さらに立ち上がったグエンを豪快な反り投げで投げるエレーラだが、グエンはまたしても立つ。
その後形勢を建て直したグエンは、ドミニク・クルーズ風の斜め前に入るステップを多用して積極的にワンツー、逆ワンツー、ローで前に。回って対処するエレーラだが、手数が出ない。やがて連打で前に出るグエンの左がヒットし、エレーラがダウン。すぐに立ったエレーラに対してさらに前に出るグエンだが、エレーラもカウンターの右やミドルで反撃。一進一退の激しい1ラウンドが終了した。
2ラウンド、バックスピンキックを繰り出す両者。グエンが変則のステップから積極的に前に出て左右のパンチを当てれば、エレーラも強烈なローやミドルを返す。このラウンドもハイペースでお互いが打撃を交換する展開が続いたが、終盤にやや手数で劣っていたエレーラがダブルレッグでテイクダウンを取ってみせた。
3ラウンド、グエンのパンチに合わせて再びダブルレッグを合わせたエレーラだが、グエンは倒れず、追い突きを中心に前に出続けてゆく。下がりながら被弾する場面の目立つエレーラは、終盤になって積極的にパンチを放つが、致命打を当てることはできなかった。
激戦の判定は3-0(30-27, 30-26, 30-27)で、ハイペースで前に出続けたグエンに。勝者は「僕のメンターのブライアン・エバーソール、誕生日おめでとう。この試合は、打たれてもとにかく前に出たんだ。これだけ打ったのに向こうも打ち返し続けてきた。本当にタフな男だ。コーチ達に感謝したい」と語った。