日本時間9月25日(日)、ブラジル・ブラジリアにあるジナシオ・ニルソン・ネルソンで行われたUFCファイトナイト・ブラジリアのメインカード(セミメインイベントまで)の試合レポート。
フェザー級 5分3ラウンド
ヘナン・バラオン vs. フィリップ・ノヴァー

元バンタム級王者、バラオンは昨年7月にTJディラショーとのリターンマッチに敗れると、今年5月にフェザー級に転向第一戦を行うも、ジェレミ―・スティーブンスにも惜敗。対するノヴァーも昨年末、ズバイラ・ツクゴフに惜敗して以来の登場となり、巻き返しを狙う両者の激突となった。
1ラウンド、オーソドックスからジャブや前足のローを交換する両者。お互いに距離を測り合うなかでノヴァーが左フックを当てると、バラオンも左右のローをノヴァーの左足にヒットさせた。
2ラウンド、踏み込んでの右ストレートを当てたバラオンは、さらに強烈な右ローをヒット。その後も距離とタイミングを掴み始めたバラオンがローや左右のパンチを当てる場面が目立つ。やがてラウンド終盤、バラオンはテイクダウンを奪ってこのラウンドを確実に自分のものとした。
3ラウンド、セコンドのアンドレ・ペデネイラスから、テイクダウンを狙えという指示を受けたバラオンは、やがて組み付くと大内刈りからテイクダウンに成功。しかしノヴァーは金網を背に立ち上がる。スタンドに戻ると後のないノヴァーは前に出るが、バラオンは体勢を入れ替えて回避。終盤ノヴァーはサウスポーにスイッチをしてスーパーマンパンチを狙うが、タイミングを読んだバラオンは組み付いき、投げで崩してノヴァーの背中に付いてみせた。
判定は3-0 (29-28, 29-28, 30-27)でバラオンに。フェザー級転向初勝利を地元であげた元バンタム級王者は「ブラジルで勝てて嬉しいよ。この機会を与えてくれたUFCにも感謝したい。これまで懸命にトレーニングをしてきたんだ。今後も相手は誰でも構わないから、ベストを尽くしていきたい。僕の練習を手伝ってくれたみんなありがとう」と語った。
ヘビー級 5分3ラウンド
ロイ・ネルソン vs. アントニオ・シウバ

ビッグカントリーことネルソンは前回、デリック・ルイスと壮絶な死闘を展開。1-2で惜敗するも、その強打とタフネスを改めて見せつけた。現在ランキング11位。対するランキング15位のビッグフットことシウバは、ここのところマーク・ハントとステファン・ストゥルーブに連続して1ラウンドKO負け。復活を期しての登場となる。
1ラウンド、両者オーソドックス。左ジャブを伸ばして距離を詰め、必殺の右オーバーハンドを狙うネルソン。対するシウバは重い右ローを当ててネルソンの体勢を崩す。その後ネルソンは組み付いてのテイクダウンを狙うが、シウバは倒れなかった。
2ラウンド、前に出て右を狙うネルソンに対し、シウバは時にスイッチをしながらカウンターのローや膝を当てる。中盤、距離を掴んできたネルソンが右ストレートやアッパーを当てる場面が増えて来る。やがて、シウバのローに合わせてネルソンの右アッパーがヒット! ダウンしたシウバにパウンドを落とし続けると、シウバは無抵抗に。そこでネルソンが攻撃を止めた後、4分10秒でレフェリーが試合を止めた。勝ったネルソンは、このストップが遅すぎると動揺した仕草を見せた。
その拳の威力をまざまざと見せつけたネルソンは「気分は良いよ。これでまたトップに仲間入りできる。フルファイトキャンプを張って王者のスティペと戦いたいね。それはともかく、いつもファンのために戦っているんだ。友人と戦う時にはどうしてもスパーリングみたいになる。1ラウンドはそうやってお互い様子を見て、その後思い切り倒しにいったんだ。相手をKOした時は手応えで分かる。彼は友達だから、あれ以上殴りたくなかったんだ。彼は家族のもとに帰る必要があるからね」と語った。
ライト級 5分3ラウンド
フランシスコ・トリナウド vs. ポール・フェルダー

マサランドゥバことトリナウドは、現在6連勝中。強力なフィジカルを武器にしたブラジルのストライカーは、38才にしてその勢いは増すばかりだ。対する米国の31才フェルダーも、最近2連勝中。前回はベテランのジョシュ・バークマンに快勝している。
1ラウンド、サウスポーのトリナウドが距離を詰めての重い左ミドルを放つが、オーソドックスのフェルダーもカウンターの右の蹴りを狙う。フェルダーの膝に対して左フックを当てたトリナウドは組み付いてテイクダウンを狙うが。フェルダーは倒れない。至近距離で細かい打撃を当て合った両者は、離れてもミドルやジャブを交換し合った。
2ラウンド、トリナウドは左ミドルや左ストレートで前に出る。フェルダーも鋭い右ローやミドルで迎撃。やがて組み付いたトリナウドは、膝蹴りから足を掛けてのテイクダウンに成功。ガードの上から腰を上げて、パウンドやヒジを入れてゆく。やがて強烈な左ヒジでフェルダーの右目上を切り裂いたトリナウドは、ハーフにポジションを進めてさらにヒジを落とす。
フェルダーはスクランブルを狙うが、背後に付いたトリナウドは膝を当てる。終盤にフェルダーは身体を翻して振りほどくことに成功した。
3ラウンド。前に出て来るフェルダーに対し、トリナウドは軽快なフットワークで回りながら左の蹴りでカウンター。さらに鋭い左ストレートを当ててみせるトリナウド。やがてフェルダーの傷が開き、右目上からおびただしい出血をしているのを見たレフェリーが試合をストップ。2分25秒、トリナウドが
終始試合をコントロールし、7連勝を記録したトリナウドは、「僕はベストの選手達と戦いたくてトレーニングをしているんだ。まだ自分はそこまで至っていないと知っている。でも、やがてその一人になりたいと思っているんだ。僕は恵まれない子供たちのためにジムを開くんだ。田舎出身で、24才からトレーニングをはじめた僕が、子供たちのためにジムを開く。このマサランドゥバのジムでは、どんな子供たちもお金を払わなくていいんだ。僕の妻は妊娠している。僕はパパになるんだ。世界一のパパになるよ。子供の夢を奪うわけにはいかない。僕は16才の頃から弟や妹たちを食わせるために働いてきた。僕のプロジェクトを助けてくれる方がいたら、大歓迎だ」と語った。
ミドル級 5分3ラウンド
チアゴ・サントス vs. エリック・スパイスリー

地元ブラジルのサントスは前回、ゲガール・ムサシに1ラウンドTKO負けを喫して連勝を4でストップされている。現在ランキング15位。対する米国のスパイスリーも前回、サム・アルビーのギロチンに屈している。
1ラウンド、両者オーソドックス。スパイスリーはすぐにテイクダウンを仕掛け、サントスに対応されるとハーフガードを取る。さらにスパイスリーはフルガードからオモプラッタを仕掛けるが、サントスは腕を抜いて脱出。
スタンドに戻るとスパイスリーは再びダブルレッグを仕掛け、今度は上に。ハーフ上で抑えて、サントスがスクランブルを仕掛けたところですかさずバックに飛びつくと、そのままチョークに。右腕を深く食い込ませて2分58秒でタップを奪った。
敵地で圧倒的不利を予想されながらも、試合を得意のグラップリングに持ち込んで完勝して歓喜の涙を見せたスパイスリーは「夢のようだ。UFCで戦いたかったし、勝ちたかった。大アンダードッグだった僕が、ランキング15位の恐るべきストライカーに勝てたんだから。スタンドでも戦おうと思っていて、右を当てられたからダブルレッグを取れたと思う。そしてバックを取れてからは一気に極めに言ったんだ。1ラウンドで取れれれば最高だからね。長いラウンドを戦うほどお金がもらえるわけじゃないんだから。これで僕はランキング15位だよね。次はぜひ14位の選手と戦いたいね」と語った。
フェザー級 5分3ラウンド
ゴドフレッド・ペペイ vs. マイク・デ・ラ・トーレ

地元ブラジルのペペイは前回、ダレン・エルキンスと激闘の末、グラインディング戦法に押し切られて惜敗、連勝を3で止められている。対する米国のデ・ラ・トーレは昨年末、ナム・ユイチュルとの激闘を2-1で制して以来の登場だ。
1ラウンド、両者オーソドックス。いきなり右の上段後ろ廻し蹴りをヒットしたペペイは、ぐらついたデ・ラ・トーレにパンチで畳み掛けてバックを狙うが、デ・ラ・トーレは正対して防ぐ。さらに全力のミドルと飛び膝で襲いかかるペペイ。デ・ラ・トーレはカウンターの右を当てるものの、ペペイは構わず突進しパンチのラッシュ。スタミナ温存など一切考えていないかのような攻撃だ。
なんとか凌ぐデ・ラ・トーレだがペペイは背後から組み付いてデ・ラ・トーレをグラウンドに引きずり込むと四の字フックをロックしてチョーク狙い。辛抱強く守るデ・ラ・トーレだが、ペペイはやがて膝達になったデ・ラ・トーレの首元に腕を深く食い込ませ、3分3秒でタップを奪った。
暴風雨の如き攻撃を続けて、デ・ラ・トーレに反撃の機会を与えないまま圧勝したペペイは、地元ブラジルの大歓声を浴びながら「ハローブラジル! 戻って来れて嬉しいよ。地元の観客は最高だ。僕は再びトップ10に入る選手と戦う資格があると思う。作戦はただ戦うことだった。ハードに練習してきたから、どんな手段でも相手を仕留めるつもりだったんだ」と語った。