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ベンソン・ヘンダーソン:困った時は言ってくれ

 


ベンソン・ヘンダーソンには既にお似合いのニックネームがあり、彼はそのニックネームをUFCのキャリアでずっと使い続けて来た。“スムース”と言うそのニックネームは、オクタゴンの中で流れる様によどみない元ライト級王者の動きを表すだけでなく、32歳の円熟した人間性とUFCの金網の外側で見せる気さくな人柄を表すのにぴったりなものだ。

相応しいニックネームがあり、とくにこれと言ってニックネームを変えようという計画がある訳でもないのだが、彼の試合に対するアプローチはひょっとしたら将来のとある時点で、彼にそのあだ名の変更を促す事になるかもしれない。

もし、ウェルター級かライト級のファイターの欠場が発表された時にあなたがツイッターを見ていれば、数秒後にはヘンダーソンが、映画 “トゥームストーン” でヴァル・キルマーが演じたドク・ホリデイの台詞、“アイ・アム・ユア・ハックルベリー(君の頼れる友人はこの俺だよ。)”にちなんだおなじみのハッシュタグ、#Huckleberryとともに、その代役を買って出る姿を目にするだろう。

10月のダブリン大会のメインイベントでダスティン・ポワリエと対戦を予定していたジョー・ダフィの欠場が試合の前日に明らかになった際には、子供が生まれたばかりのベンソンに代わり、キャサル・ペンドレッドがヘンダーソンなら代役依頼の電話を受け取るのではないかと、自発的に提案した程だ。

そして皆の予想通り、ヘンダーソンは「いつだってアイルランドには行ってみたかったんだ、必要とあれば戦えるよ。」と情熱的に応じた。

ショート・ノーティスでの試合を希望しながら彼がどれほど頻繁にその手を挙げたかと言うことを考えれば、彼のニックネームを “ハックルベリー” に変えるというのも悪いアイディアでは無いだろう。

「気に入ったよ。なかなか良いね。」ヘンダーソンは火曜日の夜に新たなニックネームを提案され、笑いながら答えた。「ベンソン “ハックルベリー” ヘンダーソン...。響きも良いじゃないか。」

彼の実際のニックネームの様に、この仮定のニックネームもまた彼の実際の姿に根ざしている。

多くのファイター達が「何時でも、何処でも、誰とでも。」と誓う一方、ヘンダーソンにとってそれは本当にその言葉通りの意味であり、試合が消滅する瀬戸際に彼が代役を買って出るとき、それは冗談などでは決して無い。

2月にブランドン・ザッチとメインイベントで対戦を予定していたスティーブン “ワンダーボーイ” トンプソンが欠場を余儀なくされたとき、金網の中にはヘンダーソンが立っていた。4月初頭に予定されていたホルヘ・マスヴィダル戦への準備を進めていたヘンダーソンは、当時10連勝中でその全てを1ラウンドで勝利していたザッチ戦への契約書に、準備期間などほとんど無いにも関わらず喜んでサインしたのだ。

高地で。

一階級上で。

5ラウンド契約で。

たった二週間の準備期間で。

実際にUFCがヘンダーソンの度重なるピンチヒッターの申し出を受け入れたのはザッチ戦だけであったが、今週末に韓国で開催されるソウル大会のメインイベントでついに実現するマスヴィダル戦のオクタゴンで彼の筋金入りの “何時でも、何処でも、誰とでも” の精神が再び発揮されることになる。

本来の対戦相手、ウェルター級タイトルへの挑戦経験もあるチアゴ・アウヴェスが大会の二週間前に負傷し欠場が決定。これによりベンソンはダンスの相手がいなくなってしまった。そしてキム・ドンヒョンと対戦を予定していたマスヴィダルの名前が代役として挙がったとき、ヘンダーソンは彼と同様にライト級でUFCのキャリアを始め、ウェルター級に階級を挙げたアメリカン・トップ・チームのタフガイとやり合うことに何のためらいも見せなかった。

「自分のやり方はいつもそうだ。俺にとって何も新しい事ではない。」ヘンダーソンは常に準備を整え、名前が呼ばれればすぐに進み出るそのスタイルについてそう語った。「だけどタイトル戦に向けて駆け上がり、そして長い間タイトルを防衛している時は、俺はこんな試合を受ける事が許されなかったんだ、なにせベルトがあるからね。誰かが怪我をしたからとかそんな理由で自分が試合を受ける事は出来なかったんだ。だけど俺自身はいつだってこのやり方だ。これがずっと自分のメンタリティなんだ。何も変わっていないよ。」

「俺は何時でもジムにいて、何時でもトレーニングをしていて、いつだって必死にやっている。」彼は加えた。「もし二日前に、いや、前日に誰かが必要なら、どう思う?俺は行けるぜ。準備万端だ、特に170ポンドに上げるならね。一日あれば体重を合わせられるよ、何の問題も無いね。」

UFCウェルター級のデビュー戦で4ラウンドにザッチをサブミッションに捉えたヘンダーソンにとって、与えられた準備期間の短さに関わらず、常に臨戦態勢を保ち試合を渇望した状態にいる事は “備えている” かどうかに尽きると言う。

彼はこの事を、大半の人々にとって馴染みのあるであろう高校や大学でテストを受ける様なものだと説明する。
しっかりと勉強し、どんな質問が出てくるかが、そしてその答えを知っているときは何の心配もないだろう。だが準備が足りない時はパニックに陥り、そんな時はほとんどの人たちはそのテストで良い結果を得る事はない。

学生時代の彼自身とは異なり、ヘンダーソンはオクタゴンで向き合うテストに対して準備不足で臨む事を拒絶し、そこでオールAを取らない限り満足する事は無い。

「俺はいつだって準備を煮詰めて、常に準備万端で、ほとんど全てのテストでAを取る事を考えている。高校や大学なんかでは準備不足だったよ、だからBやCだって全く構わないさ、卒業さえ出来ればね。評点3.0さえ越えていれば俺は良かったんだ。」

「仕事となったら話は別だ。そっちは遥かにシリアスだ。たった一つのBも俺は許さない。一つのCも駄目だ。オクタゴンの中のテストなら、俺は全てAを取る。11月28日のホルヘ・マスヴィダル戦でもそれは同様だ。」

そして試合が終われば彼はジムに戻り、修練の日々を過ごしながら誰かが負傷欠場となれば彼の電話がなる事を願いながらその手を挙げる。

#SayWhen(試合はいつだ?)のハッシュタグと共に。