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ぺティス、ロバーツ、エスパルザが判定勝利

日本時間2016年4月24日(日)に開催されたUFC 197のプレリミナリー・ファイト後半戦の試合レポート

フライ級 5分3ラウンド
セルジオ・ペティス vs. クリス・ケレイデス


日本時間2016年4月24日(日)に開催ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで開催されたUFC 197のプレリミナリー・ファイトのメインイベントでは今大会の最年少ファイター、フライ級のセルジオ・ぺティスが登場し、カナダのクリス・ケレイデスに危なげのない戦いぶりを披露すると、30-27のユナニマス判定で退けた。22歳とは思えない老獪な試合運びで戦績を13勝2敗と伸ばしたセルジオ・ぺティスには、もはや“元ライト級王者、アンソニー・ぺティスの弟”という肩書が必要ないことは誰の目にも明らかだろう。一方、試合終了まで気持ちを切らさずに勝利を狙ったクリス・ケレイデスだったが、善戦むなしくその戦績は9勝3敗となった。

オーソドックスのケレイデスに対し、ぺティスはスタンスをスイッチしながら左右に動きプレッシャーをかける。ケレイデスが堅実な打撃で前に出ると、ぺティスは軽やかに下がりながら左右のパンチでこれを迎え撃つ。残り時間2分10秒、捉えどころのないぺティスに対し、ケレイデスは試合の流れを変えるべくシングルレッグに飛び込むが、ぺティスは容易くこれを受け止めるとすぐに相手を振りほどく。さらなるケレイデスのテイクダウンを跳ね返したぺティスは、その後の攻防で相手の蹴り足をキャッチすると、そのまま軸足を刈り払い見事なテイクダウンを披露する。ケレイデスは追撃を許さず立ち上がることに成功したものの、ぺティスの軽やかなフットワークが印象に残る形で第1ラウンドが終了した。

第2ラウンド、ぺティスのローキックをキャッチしたケレイデスが突進し、待望のテイクダウンを成功させる。ぺティスは器用に足を効かせながら、糸通しからのトライアングル・チョークを見せ、さらにフックガードからスイープを成功させる。立ち上がろうと上体を起こしたケレイデスに対してギロチンを試みたぺティスだったが、極まりが浅いと判断し距離を取ろうとしたところでしつこく組み付くケレイデスに背後から押し込まれてしまう。残り時間2分で何とか向き直り、ようやく相手を振りほどいたぺティスは再び軽やかなフットワークでケレイデスに鋭いジャブを叩き込む。ケレイデスはこれを意に介さずに踏み込むと、攻防を乱打戦に持ち込むべく前に出るが、ぺティスはこれを組み付いて凌いでケレイデスの圧力をいなし続ける。

コンパクトな打撃から組み付きテイクダウンを狙いたいケレイデスだが、相手を前に誘ったぺティスが見事なタイミングでラウンド序盤にテイクダウンに成功。ぺティスは休みなくパウンドを落としながら有利なポジションを伺っている。残り時間2分30秒、なんとか立ち上がったケレイデスだが、ポイントを挽回するために前に出ると再びぺティスのタックルに捕まり金網に押し込まれてしまう。ぺティスにもろ差しを許しながらも休みなくパンチを繰り出すケレイデス。何とかぺティスを崩そうと攻め続けるが、その都度ぺティスに先手を許し、有効な攻撃を見せることができないまま試合の終了を迎える形になった。

ウェルター級 5分3ラウンド
ダニー・ロバーツ vs. ドミニク・スティール



リラックスした様子のロバーツが、ゆったりとサウスポーに構えて前に出る。ロバーツがワンツーからフロントキックへつなげるそぶりを見せたところにスティールが猛然と飛び込み右ストレートを繰り出すと、その一撃がロバーツを直撃!真後ろに 倒れこむロバーツにスティールが猛然と襲い掛かる!すぐにダメージから回復したように見えるロバーツが巧みに両足を効かせてスティールを三角絞めに捉えると、スティールはこれを高々とリフトしキャンバスにロバーツを叩きつける!この衝撃を利用し相手の足を振りほどいたスティールはロバーツをサイド・マウントで抑え込み、左のヒジを狙うが、ロバーツはスティールの左わきを内側からコントロールしヒジの直撃を許さない。ラウンド中盤に立ち上がることに成功したロバーツは、頭を振りながらの左のオーバーハンドをスティールに叩き込む。この一撃で一瞬膝が伸びて棒立ちになったスティールだったが、距離を詰めてきたロバーツに組み付きダメージの回復を図ると、再び相手を高々とリフトしてマットに叩きつける。ロバーツが暴れて立ち上がり、相手を金網に押し込んだところで一進一退の第1ラウンドが終了した。

ロバーツの前蹴りを捉えたスティールが、シングルの形で金網に突進するがロバーツはこれを振りほどく。距離が詰まるとすぐに組み付いてくるスティールを突き放し続けるロバーツだが、次第にその動きは落ちてきたようだ。残り時間2分30秒、息を整えたロバーツが鋭い左ミドル、そしてワンツーを直撃させるとその猛烈な打撃音に場内がどよめく。スティールはロバーツに組み付き相手の追撃を封じようとするが、ロバーツは首相撲の攻防でもヒジを振り、そして膝を突き上げる。残り時間30秒、両者が距離を取るとスティールがシングルレッグに飛び込む。これに過剰に反応してマットに膝をついてしまったロバーツは、これまでの積極的な戦い方が裏目に出たか、スタミナ切れで立ち上がることができない!すぐにロバーツに組み付くスティール!一旦はカメになってしまったロバーツが落ち着いて相手の手首をコントロールしながら立ち上がったところで第2ラウンドが終了した。

「一分間は距離を取れ!」とのコーナーの指示にも拘わらず、スティールに組み付かれてしまったロバーツ。スティールはロバーツを再びリフトにマットに叩きつけるが、スティールにもこれまでの様な勢いは見られない。ロバーツはすぐに立ち上がり、スティールを振りほどく。両者は肩で息をして、かなり苦しそうだ。残り時間3分、スティールがロバーツに突進し、両者は金網際でもんどりうって倒れるが、互いに支配的なポジションを確立できず、レフリーのハーブ・ディーンが残り時間1分40秒でブレイクを指示、攻防はスタンドに戻された。苦しげに口を開きながらも必死に左右を振るうロバーツに対し、パンチを振るいながらも組み付こうと試みるスティール。数発のロバーツの左がスティールの顎先を捉えるがスティールは止まらない。執拗にロバーツを金網に押し込みながら膝を繰り出すスティールだったが、ロバーツがうまく体を入れ替えたところで激闘の終了を告げるブザーが鳴り響いた。

どちらが勝利してもおかしくはない一進一退の激闘を29-28のユナニマス判定で制したのはダニー・ロバーツ。英国の“ホット・チョコレート”は13勝1敗と戦績を伸ばし、シンシナティのドミニク・スティールは14勝7敗となった。

女子ストロー級 5分3ラウンド
カーラ・エスパルザ vs. ジュリアナ・リマ



元ストロー級王者、エスパルザの強烈なテイクダウンを警戒して、ストライカーのリマは距離を取って腰を落としたオーソドックスに構えている。エスパルザの飛び込みをもろ差しでこらえたリマは、離れ際に数発のパンチをエスパルザに叩き込む。頭の下がったエスパルザにリマは一気に襲い掛かるが、これは裏目に出てしまい試合の序盤に早くもエスパルザにテイクダウンを許す形になってしまう。休みなくこつこつとパウンドを落とすエスパルザに対し、リマは下から器用に足を効かせて、サブミッションとアップキックでこれを迎え撃つ。何度かエスパルザがリマのガードを越しかけるシーンも見られたが、リマが下からの粘りを見せる中第1ラウンドが終了した。

大きく距離をとるエスパルザは時折左右を振り回しながら飛び込みテイクダウンを狙っていたが、残り時間1分でこれを成功させるとリマをハーフ・ガードでガッチリと抑え込む。残り時間2分、リマはなんとかエスパルザをクローズド・ガードに捉えるが、それまでに無数のパウンドを被弾してしまったようだ。下から執拗にアームバーを狙っていたリマは残り時間30秒でヒール・ホールド狙いから立ち上がることに成功。さらにテイクダウンを一瞬成功させたが、これといった攻撃をすることなく第2ラウンドの終了を迎えた。

最終ラウンドが始まると、左右のパンチで飛び込んだエスパルザが直後のテイクダウンを成功させ、これまでと同様の攻防が繰り返される。残り時間3分で、リマの下からのサブミッションを嫌ったエスパルザは距離を取って相手を立たせるが、間髪入れずにテイクダウンに飛び込みこれを成功させる。すぐに再び相手を立たせたエスパルザは今度はシングル・レッグでリマからテイクダウンを奪うと、ついに待望のサイド・ポジションを奪取!これで安泰かと思われたエスパルザだったが、なんとリマが抑え込まれた状態からのリバース・トライアングルでスイープに成功!まさかの大逆転に期待する会場のファンから驚きの歓声が湧き上がるものの、そこからの展開を作ることはできないまま試合は終了した。

30-27のユナニマス判定で、ヨアナ・イェンジェイチック戦での王座陥落、そして肩の手術からの復帰戦を白星で飾ったカーラ・エスパルザはこれで12勝3敗。ブラジルのムエタイ・ファイター、ジュリアナ・リマ(8勝3敗)を相手に、変わらぬテイクダウン能力の高さを見せつけるとともに、女子ストロー級2位の実力を改めて証明して見せた。

ライト級 5分3ラウンド
グラシオ・フランカ vs. ジェームズ・ビック



オーソドックスから2発の強烈な右のアウトローで距離を詰めたフランカはすぐにビックに組み付くと、もろ差しからの捻るような小外掛けでテイクダウンに成功。がっちりと腰にしがみつき抑え込みを狙うフランカに対して、ビックは30秒ほどで立ち上がることに成功したものの、すぐにグラウンドに引き戻されてしまう。ビックは下からのサブミッションも織り交ぜながら、何とか立ち上がるチャンスを伺っている。残り時間1分45秒にビックはついにスタンドを攻防に戻すが、フランカはがっちりとその腰にしがみついている。攻防に展開がないと判断したレフリーのダン・マグリオータが両者にブレイクを命じる。その後、両者が交差した直後にフランカがサミングのアピールをするが、レフリーは気が付かない。距離を取って視力の回復を図るフランカにビックは容赦なく襲い掛かる。ビックに打撃をまとめられ、一瞬足が止まるシーンも見られたフランカが両足タックルを成功させたところで第1ラウンドが終了した。

第2ラウンドが開始されると、即座にレフリーがドクターをオクタゴンに呼び入れフランカの目の診断を要求。幸いフランカの左目はすでに回復していたようだ。フランカの正面にジャブを集め、外側から右のストレートを被せるビックに対し、フランカはがっちりとガードを固め、組み付くチャンスを狙っている。ビックの左の強打を何発かもらったフランカは、それでも3分15秒にそり投げでトップポジションを奪うと、しっかりと相手をマットに寝かしつける。残り時間2分少々で、ビックは金網を利用して立ち上がると、再び相手の射程外から鋭い左右のパンチでフランカを攻め立てる。ラウンドが進むにつれて、大ぶりでやや単調なフランカの打撃と、切れのある多彩なビックの打撃の差がより明確になった。

遠距離からの打撃に活路を見出したビックは足を止めずに大きく回りながら左右のパンチと右のローキックでフランカを攻め立てる。数値上のリーチでは勝っているフランクだが、べた足のためかビックを追いきれない。必死に前に出続けるフランカに対し、ビックはジャブ、そして右ストレート、さらには飛び膝蹴りを繰り出す余裕も見せている。残り時間10秒、フランカがついにビックに組み付くことに成功したが、展開を作る時間はなく試合終了を告げるブザーが鳴った。

ジャッジの判定は29-28、29-28、そして30-27でビック。テキサスの無敗ファイター、ジェイムズ・ビックは戦績を9勝0敗と伸ばし、TUFブラジル、シーズン4のライト級を制したグラシオ・フランカは14勝4敗と戦績を落とした。