日本時間2016年8月28日(日)にカナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバーのロジャーズ・アリーナで開催されたUFCファイトナイト・バンクーバーのメインカードの試合レポート。
フェザー級 5分3ラウンド
アンソニー・ペティス vs. チャールズ・オリベイラ
日本時間2016年8月28日(日)にカナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバーのロジャーズ・アリーナで開催されたUFCファイトナイト・バンクーバーのセミメインイベントには現ライト級ランキング7位にして元UFCおよびWECライト級王者のアンソニー・ペティスが登場。フェザー級に階級を落とし、同級6位のブラジルの寝技師、チャールズ・オリベイラと対戦した。
3ラウンドの激闘の末、フェザー級最高の寝技師と呼び声の高いオリベイラをサブミッションで撃破したペティスは試合後に「俺が狙っているのはたった一つのものだけだ」と語り、フェザー級のベルトへの貪欲な欲望を露わにすることを躊躇いはしなかった。
オーソドックスに構えたオリベイラは試合が開始されると間髪入れずにペティスに突進し、サウスポーのペティスを金網に押し付ける。相手の左足を持ち上げながら、1分間にわたりしつこくテイクダウンを狙い続けたオリベイラは、一度距離をとるとすぐさま再びペティスに組みつくと、ペティスの背後に回り込み攻防をグラウンドに持ち込むが、ペティスは体を反転させると攻防をスタンドに戻すと猛烈な左ミドルをオリベイラに叩き込む! 組みつこうと距離を詰めるオリベイラを突き放し、再びミドルをめり込ませるとうずくまるように引き込むオリベイラ。すぐさまオリベイラからサイドポジションを奪ったペティスがパウンドを落とそうとすると、オリベイラは暴れて攻防をスクランブルに持ち込みペティスの背後を一瞬奪うがすぐに振り落とされてしまう。明らかに動きの落ちたオリベイラにペティスがパウンドを落とし続け、第1ラウンドが終了した。
オリベイラのテイクダウンを投げで潰し、スタンドでの攻防を要求するペティス。オリベイラはガードをあげながら距離を詰め、豊富な手数でペティスのキックを封じにかかる。至近距離でオーソドックスに構えを戻したペティスはパンチでオリベイラを突き放そうと試みるが、残り時間2分にオリベイラがペティスのバックを奪うとマットに引き落とし、しつこくリアネイキッド・チョークを狙い続ける。残り時間1分、体を反転させてトップ・ポジションを奪い返したペティスは攻防をスタンドに戻し、至近距離からの猛烈な打撃で会場から大歓声を引き出すが、オリベイラも一歩も引かずに応戦し、テイクダウンを成功させたところでラウンドの終了を迎えた。
最終ラウンド、ガードを固めてワンツーで距離を詰めたオリベイラが開始15秒で両足タックルを成功、すぐさまポジションをサイドへと進める。ペティスのブリッジに合わせてバックを狙ったオリベイラだが、ペティスをコントロールしきれず再びトップポジションを奪われてしまう。立ち上がったペティスにオリベイラが両足タックルで追いすがると、このオリベイラの首をペティスがギロチンで捉え渾身の力で締め上げる! かつてはギルバート・メレンデスをも葬ったペティスのギロチンにはオリベイラも為す術なし。3ラウンド1分49秒、オリベイラがタップをすると、両者の死闘に終止符が打たれた。
なお、この結果アンソニー・ペティスは19勝5敗、チャールズ・オリベイラは12勝6敗1ノーコンテストとなっている。
女子ストロー級 5分3ラウンド
ペイジ・ヴァンザント vs. ベック・ローリングス
元気よくコーナーを飛び出したヴァンザントがキックで距離をとりながら大きくローリングスの周囲を回る。重たいワンツーで距離をつめようとするローリングスに対し、ヴァンザントは相手を首相撲に捉えると、攻防をレスリングに持ち込ませない。ラウンド中盤をすぎても距離をとり続けるヴァンザントに対し、ローリングスが苛立ちの表情を見せる。遠距離ではダイナミックなキック、そして時折パンチの連打で突進するヴァンザントに対してリズムのつかめないローリングに、コーチのエリック・デル・フィエロからは「相手の前進に合わせろ、退がる必要はない!」と指示が飛ぶ。
第2ラウンド、開始早々にヴァンザントがジャンプしながら右ロー、そして左ハイキックを繰り出すと、この左ハイがローリングスの顎に命中!真後ろに崩れ落ちるローリングスにヴァンザントがパウンドの連打で襲いかかり、これに対応できないローリングスを確認したレフリーのダン・マグリオータが試合の終了を宣告。時間は2ラウンド17秒だった。
米国のダンス番組、ダンシング・ウィズ・ザ・スターズでの活躍など、その活動の場をオクタゴンの外側にも広げる女子ストロー級のスター選手ペイジ・ヴァンザントは、昨年12月のローズ・ナマユナス戦での敗北を払拭する鮮やかなKO勝利を記録しその戦績は7勝2敗。対戦相手の豪州のベック・ローリングスは7勝5敗となった。
ライト級 5分3ラウンド
ジョー・ローゾン vs. ジム・ミラー
2012年の激闘の再現に期待を寄せるファンの声援が湧き上がる中、両者は至近距離ですぐさま鋭い打撃の交換を見せる。オーソドックスのローゾンにミラーがミドルを繰り出すと、これをキャッチしたローゾンがそのまま膝十字、そしてヒール・ホールドを試みファンを盛り上げる。攻防がスタンドに戻るとローゾンはミラーを金網際までつめると強烈なパンチでミラーに襲いかかる。これに一歩も引かずにパンチとキックで応戦していたミラーだったが、残り時間2分、スピニング・エルボーを繰り出した際にバランスを崩すとローゾンは即座にトップポジションを奪取しパウンドを落とす。残り時間1分少々で攻防をスタンドに戻したミラーがボディへのパンチのコンビネーションでローゾンの動きを止め始めた。
ローゾンが顔面へのパンチにこだわるのに対し、ミラーは丁寧にローゾンのボディを叩き、そこから顔面へのコンビネーションへとつなげている。残り時間1分40秒、それまで互角の攻防を繰り広げていた両者だったが、ミラーが左ミドルとローゾンの前進が交錯し、ミラーがバランスを崩すとローゾンがトップ・ポジションを奪取。すぐさまマウント・ポジションを伺うが、ミラーは動きを止めずに相手をガードに押し戻すと、ラバーガードで相手の頭を下げるとボトム・ポジションからのヒジで相手の頭部を攻め立てた。
序盤のパンチの交換でミラーの左アッパーがローゾンを捉えると、この試合で初めてローゾンが後ろに下がり始める。パンチをまとめてミラーが前に出るが、しばらくガードを固めたローゾンは再びパンチを振るいミラーに圧力をかけると残り時間3分に片足タックルでテイクダウンを成功させた。頭を下げて相手に密着しながらパスガードを狙うローゾン!残り時間1分30秒、一瞬の隙をついてミラーが立ち上がり、攻防をスタンドに戻す。しかしローゾンはミラー食い下がると、前転してこれを振りほどこうと試みたミラーからマウント・ポジションを奪取!ローゾンが間髪入れずにアームバーを狙い、これをミラーがエスケープしたところで両者の激闘の幕が閉じた。
2012年の両者の対戦(ジム・ミラーがユナニマス判定で勝利)に続き、再びファンを楽しませた両者の激闘をジャッジは29-28、29-28、28-29でジム・ミラーの勝利と判定。会場のファンは皆がこの判定に満足したという訳ではなさそうだったものの、ともかくミラーはその戦績を27勝8敗1ノーコンテストと伸ばし、ジョー・ローゾンは26勝13敗と戦績を落とした。