日本時間2016年10月2日(日)に米国オレゴン州ポートランドのモダ・センターで開催されたUFCファイトナイト・ポートランドのアーリプレリムの試合レポート

ミドル級 5分3ラウンド
ネイサン・マーコート vs. タムダン・マクロリー
圧倒的なリーチ差を誇るマクロリーが丁寧にジャブとローキックを繰り出しマーコートの周囲を回る。マーコートは右ローキックを豊富に繰り出し、距離を測ると残り時間2分40秒で両足タックルを成功、オクタゴンの中央で相手をしっかりと寝かしつける。残り時間1分で相手のサブミッションを潰したマーコートは一瞬サイドへ回りこむものの、すぐにガードに戻されほとんどパウンドを落とせない。
マクロリーのジャブを丁寧に距離を外してかわすマーコートは、ボディへのジャブ、ローキック、そして顔面へのジャブと散らしてタックルの機会を伺いつつも、残り時間2分40秒で四つの攻防からテイクダウンを成功させる。金網際で首を潰されたマクロリーは相手を引き付け無理はしない。残り時間40秒、両者にブレイクが命じられるとマクロリーがジャブで前に出る。これを下がりながらの右で迎え撃ったマーコートの右のオーバーハンドが直撃!足元がふらつく相手を見たマーコートがすぐに距離を詰めると左ハイキックを一閃! この一撃がその側頭部に吸い込まれると、マクロリーは糸の切れた人形のように大の字に倒れこんだ。
プロキャリア56戦目となる一戦を、見事なハイキックKOにより2ラウンド4分44秒で勝利したコロラドのネイサン・マーコート。37歳になる歴戦の兵は、その戦績を38勝16敗2分と伸ばし、戦前は有利を予想されたタムダン・マクロリーは14勝5敗と戦績を落とした。
ライトヘビー級 5分3ラウンド
ジョナサン・ウィルソン vs. イオン・クテラバ
オーソドックスに構えたクテラバが豊富なジャブで距離を測りつつ前に出ると何度も豪快な右のオーバーハンドを振り回す。ウィルソンは首相撲、四つ、そして癖のない左ストレートを織り交ぜ相手を押し戻そうと試みるが、クテラバは猛烈な右のストレート、アッパーも繰り出しその圧力は緩まない。ウィルソンがやや遠い距離から飛び込みながら左ストレート、そして右のローキックと繋げると、クテラバがパンチで突進し、相手を金網に押し込んだところでラウンドが終了。
開始直後のクテラバの猛烈なローキックがウィルソンの下腹部に直撃し、試合は一時中断する。かなり苦しそうな表情を見せていたウィルソンだったが、十分な回復時間を経て試合の再会に臨む。攻防が再開されると、これまで通りの圧力に、豊富なローキックと回転系のキックも織り交ぜるクテラバが度々ウィルソンを金網に釘付けにするが、ウィルソンも要所での強烈なカウンターと的確な防御で食い下がる。残り時間1分、クテラバに疲れが見え始め、ウィルソンが距離を詰め始めたところで第2ラウンドも終了した。
ガードを上げたウィルソンが前に出るとクテラバはじりじりと左へ下がり続ける。金網際で相手のジャブに頭を下げたクテラバの顔面をウィルソンの左ハイキックが襲うがクテラバはひるまない。クテラバは時折パンチの連打で突進し、金網際でウェイルソンにパンチとヒジを連打するが、ウィルソンはしっかりとこれらをガード。再びクテラバが前に出始めるとウィルソンは左のストレート、左ハイキックでのカウンターを狙うが、何度もクテラバの突進を許した。
試合は終始前に出続け、圧倒的な手数を繰り出したモルドバのイオン・クテラバが30-27のユナニマス判定で勝利。クテラバはこれで12勝2敗1ノーコンテスト。一方、不運なローブローに苦しみながらも最後まで崩れることなく高い技術を見せつけたジョナサン・ウィルソンは7勝2敗となった。

ヘビー級 5分3ラウンド
コーディ・イースト vs. カーティス・ブレイズ
綺麗なまっすぐなパンチにタックルを織り交ぜるブレイズ。イーストもタイミングよくカウンターのワンツーを繰り出していたが、1分少々でブレイズが鮮やかな両足タックルを成功させる。金網際で抑え込まれ、細かなパウンドを浴びていたイーストが暴れて立ち上がるとパンチを連打しながら猛然と突進し、会場から大歓声を引き出す!その後はブレイズにテイクダウンを許したものの、ブレイク後に右のストレートを命中させたイーストが、トップポジションを取ったところで第1ラウンドが終了した。
ブレイズが鋭いワンツー、そしてローキックを繰り出すたびに会場からどよめきが起こる。すぐに伸びのある両足タックルでイーストを寝かせたブレイズはガードの中から密着したままヒジを落とし続ける。立ち上がろうと相手の足首にしがみついたイーストをガブって潰しながらブレイズが猛烈な右ヒジを連打! 相手を金網際まで押し込んだものの、行き場をなくしたイーストの動きが止まると、レフリーのデイブ・ヘイガンが2ラウンド2分2秒でTKOによる試合の終了を宣告した。
「パンチにタックルを織り交ぜて、テイクダウン。それからヒジさ、あのヒジはゲームプランの一部だったんだ。誰でも良いから俺より上のランクのやつと戦いたい」と試合後に語ったカーティス・ブレイズはこれで6勝1敗。一方、タイミングの良いカウンターを軸に、躊躇のない戦いぶりで会場を盛り上げたコーディ・イーストだったが、その戦績は12勝3敗となってしまった。
女子バンタム級 5分3ラウンド
ケリー・ファッツホルズ vs. ケトレン・ヴィエラ
ヴェイラがどっしりと構えてファッツホルズの真正面に陣取り圧力をかける。一度は金網に押し込まれ、至近距離でヒジを被弾するシーンも見られたが、見事な大外刈りでファッツホルズをテイクダウンして見せたヴィエラはコツコツとパウンドを落とす。相手を引き付けて大きなパウンドを防いでいたファッツホルズは、残り時間が少なくなると相手を突き放そうと試みるが立ち上がることができないままラウンドを終えた。
ポイントの挽回を図るべく、豊富なヘッドムーブから手数を増やしたファッツホルズのハイキックをキャッチしたヴィエラが開始早々にテイクダウンを成功させる。しつこくパスガードを狙うヴィエラに対し、ファッツホルズは丁寧に足を利かせそれを許さない。残り時間1分40秒でレフリーにブレイクを命じられた両者は激しく打撃を交換するが、ここでも相手のミドルキックをキャッチしたヴィエラがテイクダウンを成功。再びブレイクを命じられた両者が数発のパンチを交換したところでラウンドが終了。
後がないファッツホルズが猛烈なパンチを振り回しながら前に出る。ヴィエラも丁寧に右に回り込みながらパンチで相手を押し戻そうと試みるがファッツホルズは下がらない。手数が落ちない相手に組み付き、ペースダウンを図りたいヴィエラだがファッツホルズはそれを許さない。相手のタックルをガブったファッツホルズが首相撲から左のヒザを連打すると、ヴィエラはこれをすくい上げて見事なテイクダウンを披露!立ち上がろうともがくファッツホルズをがっちりと抑え込んだヴィエラがトップをキープしたまま試合を終えた。
ジャッジの判定は29-28、28-29、そして29-28と割れたものの、全てのラウンドでテイクダウンを成功させ、トップポジションからのコントロールを見せたケトレン・ヴィエラを評価。プロデビュー後、わずか17ヶ月の間にUFCまでたどり着いた驚異の新人ヴィエラがその無敗記録を7勝0敗と更新し、自身のUFCデビューに華を添えた。対戦相手のケリー・ファッツホルズはこの敗北で3勝2敗となった。