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ホームで復活を期すロイ・ネルソン

 

久しぶりの母国に戻ってきたロイ・ネルソンは上機嫌だ。2012年12月にマット・ミトリオンに1ラウンドでノックアウトされて以来初めて、“ビッグ・カントリー”が故郷のラスベガスで戦いに臨む。MGMグランド・ガーデン・アリーナで開催されるUFCファイトナイトのメインカードで、彼はジャレッド・ロショルトと対戦する。

それが良いニュースだ。では、彼にとって悪いニュースは? もう東京のシズラーにいけなくなってしまったことだという。

「日本のシズラーにも、エルトリートにも行けなくなっちまった」と彼は嘆く。「でもまあ、帰ってこられてうれしいよ」

3年以上の時間が過ぎたという実感はあるのだろうか?

「長かったような気はするな」とホームでは7勝2敗の記録を持つネルソンは言う。「なにせオレはこの数年、国際的なスーパースターだったから(笑)。旅をするならアメリカ以外に出かけるのが好きだ。でも、うそはつけない――試合をする場所としてはアメリカが好きだ」

 



この7戦というもの、ネルソンは日本に2回、アブダビ、ウィニペグを訪れ、加えてアメリカ国内でもニュージャージー、テキサスと移動続きだった。ホーム戦と比べると戦績は2勝5敗と芳しくはない。しかし、その対戦リストがジョシュ・バーネット、アリスター・オーフレイム、マーク・ハント、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ、スティペ・ミオシッチといったそうそうたる面々であることを考えると、大舞台に戻った39歳のネルソンが今もヘビー級ランキング11位にいるのもうなずけるというもの。ネルソンの考えはこうだ。ロショルトに勝ち、次にもう一度勝てば、ファブリシオ・ヴェウドゥムと再戦するためのドアをノックできる――今度はUFCのタイトルを賭けて。

「オレはスティペみたいになってやる――とにかく2勝して王座に挑戦するぜ」とネルソンは、日本時間7日(日)に王座を賭けてヴェウドゥムと対戦するはずだったオハイオ出身の仲間に言及した。ミオシッチはケイン・ヴェラスケスのけがによって決戦の代役に選ばれたが、王者ヴェウドゥムもまたけがのために欠場を発表している。

「周りからこう言われるよ。“なあ、なんでロイ対スティペの暫定王座決定戦をやらないんだ?”って」と2013年6月にミオシッチに判定負けを喫しているネルソンは述べた。“ビッグ・カントリー”なら飛びつく申し出なのではないだろうか?

「ねえな、暫定タイトルなんかに興味はねえ」と彼は言い放つ。「オレは完全なものが欲しいんだ」

それでもやはり、彼なら引き受けるはずだ。

そう伝えると彼は笑った。

「そうだな」

だからこそファンはネルソンを愛するのだ。そして彼もスポーツを愛している。最近はオクタゴンで戦う仲間の中にも、考え方を理解できない者がいると彼は認めた。しかし、自ら代金を払ってでも試合を見たいファイターは誰かと尋ねると、何人もの名前が彼の口から飛び出した。

「ロビー・ローラー、ニック・ディアス、ネイト・ディアス」とネルソンは名前を挙げる。「昔ながらのスタイルを持った連中だ。いまだ健在のジョシュ・バーネットもいいな。マーク・ハントなら一日中でもいい。鬼ごっこばかりやってるやつらじゃなく、とにかく戦いたいやつらだ。ベン・ロズウェルも観戦したいファイターの1人だ。彼は本気でやろうとするからな。ちょっと気が小さいところはあるかもしれないが、あいつはいつもノックアウトでフィニッシュを狙ってる」

こうしたファイターは今後ますます減っていくのだろうか? それとも古き良き時代のバトルが復活する日がまた来るのだろうか?

「本物の支持が得られないと分かれば、間違いなく変わるはずだ。本当にファンの心をつかみ、夢中にさせるファイターってのは、選ばれたごく少数だけなんだと気がつけばな」と彼は述べた。「オレが昔やってた頃のグラップリングは試合のウオームアップにすぎなかった。ところが若い連中がそれを気に入っちまったおかげで、すっかりヤワな世界になっちまった。参加すればいい的な考えさ。これは勝負だってのに。だから勝者と敗者がいるんだ」

週末の試合でネルソンが勝者の側になろうと闘志を燃やすのはそのためだ。確かに、ランキング12位のロショルトはこれまでのネルソンの対戦相手と比べればさほどビッグネームではない。だが、現在3連勝中という経歴は彼を魅力的な対戦相手に仕立て上げるという。

「ジャレッドとの対戦を考えると身震いするぜ。彼は3連勝中で、ファンの側に立って考えれば、オレのアピールのための踏み台としては完璧だ」と彼は述べた。「あいつはUFCで連続して3人を打ちのめしてきた。そいつを倒すと、どうなる? ワオ、オレはUFCで3勝したやつに勝ったことになる。大事なのはファンの目線だ。戦術的なMMAの見方じゃない。今のジャレッドのような連勝記録を持つヘビー級はそう多くないと思う。むしろ、ジャレッドはベルトを争っているべき側だよ」

そこまで言って彼は笑いをこぼした。すべての会話が最終的にはヘビー級のベルトの話題につながることを自覚したからだ。つまり、2016年はネルソンの年になるのだろうか?

「この前はちょっとつまずいちまったが、(バーネットとの)試合は接戦だった」と彼は述べた。「オレから見れば、どっちに転んでもおかしくなかったんだ。だけどあの試合からはたくさん前向きな要素が得られた。それはオレをファイターとして成長させてくれた。2016年はさらにオレを成長させてくれるはずだ」