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ボストン大会:アルバレス、ペティスを下し王座に王手

日本時間18日(月)、マサチューセッツ州ボストンのTDガーデン開催されたUFCファイトナイト・ボストン大会、メインカードの結果は以下の通り。



ライト級 5分3ラウンド 
アンソニー・ペティス vs. エディ・アルバレス




ライト級前王者にして現在ランキング1位、変幻自在の打撃を駆使するペティスは、昨年5月にハファエル・ドス・アンジョスに5ラウンド判定で敗れ王座を奪われて以来の復帰戦。対するアルバレスは、かつて青木真也や川尻達也とも激闘を繰り広げており、日本でもおなじみの強豪だ。UFCデビュー戦こそドナルド・セラーニの軍門に下ったものの、昨年6月にはギルバート・メレンデスとの大激戦を判定2-1で制してUFC初勝利を挙げ、ランキング4位に付けている。この日のセミメインイベントは、ライト級タイトル戦線を占う重要な一戦となった。

1ラウンド。サウスポーのペティスとオーソドックスのアルバレス。開始早々アルバレスは、パンチで前に出ると見せかけて組みついてのテイクダウンに成功。ペティスの立ち際に細かいパンチを当てては、再びペティスをコーナーに押し付けてテイクダウンを狙ってゆく。このように試合をレスリングマッチに持ち込んでペティスの強烈無比な打撃を無効化するのは、古くはクレイ・グイダ、最近はギルバート・メレンデス、そして現王者ハファエル・ドス・サントスがペティス相手に見せた戦法だ。

その後、体勢を入れ替えたペティスが離れることに成功。後ろ廻し蹴りを見せるが、前に出たアルバレスは再びテイクダウンを狙って組みつき、金網にペティスを押し付ける。再び両者が離れると、ペティスの強烈な左ミドルが二発ヒット! 終盤前に出るペティスに対して、アルバレスは回って距離を取った。

2ラウンド。距離を詰めるアルバレスは、上半身を上下に揺らしてパンチとテイクダウンのフェイントを繰り返す。やがて組み付いてフェンスに押し付けることに成功するが、ペティスは突き放す。アルバレスはパンチにローを組み合わせてゆくが、その後ペティスが重い右ローを2発ヒット。3発目を狙ったところでアルバレスがそれに合わせて組み付くも、ペティスは再び突き放す。その後は両者ともに有効打がないままラウンドが終了した。

3ラウンド。前に出るアルバレスに、左の蹴りのカウンターを合わせるペティス。アルバレスはまたしても組み付いてフェンスに押し付けてのテイクダウンを狙うが、ペティスは突き放す。テイクダウン狙いを防がれてやや動きが落ちて来たアルバレスに対して、ペティスは左右のショートをヒット! アルバレスは鼻血を出すことに。 それでもここで前に出たアルバレスは、ダブルレッグでテイクダウンに成功! ピンチになりかけた場面において、執念で展開を変えてみせた。ペティスは下からヒールで逆襲するが、アルバレスは金網に手をかけてバランスを保つと、ハーフ上で胸を合わせての抑え込みに!

このままでは敗色濃厚とあって、必死でエビで逃れようとするペティスにパウンドを当ててゆくアルバレス。それでも立ち上がるペティスだが、アルバレスはしつこく組み付いてテイクダウン。またしても立ち上がるペディス。場内からはブーイングも上がるが、アルバレスはひたすらテイクダウン狙い密着し続け、ペティスを金網から逃がさない。終盤とうとう脱出に成功したペティスだが、結局有効な反撃をできないまま試合が終了した。

判定は2-1(29-28, 28-29,29-28)でアルバレスに、古くはクレイ・グイダに、前戦ではハファエル・ドス・サントスのテイクダウン狙いにその打撃を封じられたペティスは、今回またしても同じ戦法に屈してしまった。一方、見事に作戦を貫いてブーイングの中で勝ち名乗りを受けたアルバレスは

「僕はゲームプランを実行したんだ。そして前王者を倒した。次はタイトル挑戦したい」

と語った。かつては身を削るような打撃戦を繰り返してファンを魅了したアルバレスだが、勝ちに徹するクレバーな戦い振りでUFC王座に大手を賭けた。

ヘビー級 5分3ラウンド 
トラヴィス・ブラウン vs. マット・ミトリオン




強打を誇るヘビー級ランキング6位のブラウンは、昨年5月にアンドレイ・アルロフスキーに敗れて以来の復帰戦。対するランキング14位のミトリオンも、昨年6月にベン・ロスウェルに敗れており、両者ともにぜひ勝利が欲しいヘビー級対決だ。

1ラウンド、サウスポーのミトリオンに対して、オーソドックスで長い両足を広く広げて構えるブラウン。両者ともにヘビー級とは思えない程の軽快なフットワークから、前手を伸ばして距離を測る。長い右足での前蹴りを当てるブラウンに対し、ミトリオンの右ショートが入りブラウンが尻餅。しかしブラウンはすぐに立ち上がってみせた。ラウンド終了寸前、ミトリオンを押し返そうとしたブラウンの指がミトリオンの目に入ってしまうアクシデントがあり、試合が中断された。

2ラウンド。ミトリオンが飛び込んでの左をヒット。さらに前に出るが、またしても突き放そうとしたブラウンの指が目に入り、ミトリオンの顔が苦痛にゆがむ。しかしレフェリーが見逃して試合続行。下がりながらもなんとかピンチを凌いだミトリオン。その後再びブラウンの指が目に入り、ミトリオンは顔をしかめることに。なんとレフェリーはこれをまたしても流してしまう。しかし何度もまばたきをしながら苦痛を訴えるミトリオンを見て、とうとうレフェリーが試合を中断。ドクターによるチェックが行われた。

ブラウンに警告が与えられて試合が再開。興奮気味のミトリオンが飛び込んでの左ストレートを放って距離が詰まったところで、ブラウンが足払いでテイクダウンに成功。サイドを奪ったブラウンがミトリオンの右腕をアメリカーナ(V1アームロック)で狙うが、ミトリオンは防御して立ち上がることに成功した。度重なるサミングを受けて完全にペースを崩されてしまったミトリオンに対し、その後もブラウンはボディへの前蹴りと膝で攻撃を入れていった。

3ラウンド。またしても長い前蹴りで距離を取るブラウン。やや冷静さを取り戻したかに見えるミトリオンも、飛び込んでの左を当てる。やがてブラウンは豪快な右ストレートを当て、さらに背後から組み付くことに成功。そこから高々とミトリオンを抱え上げて叩き付けると、すぐにマウントへ! 体勢を返せないミトリオンに対し、ブラウンが上から豪快なパンチとヒジを繰り出していくと、4分09秒に試合はストップされた。

故意ではないとは言え、反則のサミングで試合の流れが変わってしまったこともあり、勝ち名乗りを受けるブラウンに対して場内はブーイング。1ラウンドにサミングを受けるまで、良いペースで戦っていたミトリオンには気の毒な敗戦となってしまった。





ライト級 5分3ラウンド 
ロス・ピアソン(155lbs/70.31kg) vs. フランシスコ・トリナウド




英国出身、31才のベテラン、ピアソンは前回9月にポール・フェルダーにスプリット勝利しており、対する37才のブラジルのトリナウドはUFC4連勝。波に乗っているストライカー同士の対戦となった。

1ラウンド。オーソドックスからジャブで距離を詰めるピアソンに対し、サウスポーで回るトリナウドは左ストレートや左の蹴りでのカウンターを狙う。終盤、左のハイを放ったトリナウドは、背後から組み付くとピアソンを豪快に抱え上げてスラムで叩き付けてみせた。

2ラウンド。プレッシャーを強めてゆくピアソンだが、トリナウドは左の重い蹴りで迎え撃つ。やがてトリナウドが前に出て蹴りを放つが、ピアソンはそれをキャッチしてテイクダウン。パウンドを放つがトリナウドも立ち上がる。パンチで前に出たトリナウドは、強烈な左の膝を顔面に炸裂! さらに相手を金網に詰めて細かい打撃を当てたトリナウドは、やがて自ら距離を取って軽快にステップを踏み、強烈な左の蹴りを当てて優勢にラウンドを終えた。かつては前半飛ばして後半にスタミナ切れする場面が目立ったトリナウドだが、今は見事なペース配分を見せている。

3ラウンド。前に出て来たピアソンに対し、トリナウドの右フックが後頭部にヒット。やや効いたピアソンにトリナウドがパンチをまとめてゆくと、ピアソンは左目の上から出血。その後トリナウドがカウンターのハイを放つと、ピアソンはそれをキャッチしてテイクダウン。そこからパウンドを放つが、トリナウドも立ち上がる。ラウンド終盤、疲れの色を見せはじめてきたトリナウドに対し、後のないピアソンがパンチで前に出ていく。しかしトリナウドは足を使っていなしては、要所で組み付いてピアソンに攻撃を許さない。結局ピアソンは有効打を入れることができないまま、試合が終了した。

判定は3-0(30-37, 30-27, 29-28)でトリナウドに。足と強烈な左のカウンターを駆使し、見事なペース配分で強豪ピアソンからキャリア最大の勝利を挙げてみせた。これで5連勝のトリナウド。元ジャングルファイトライト級王者にして、TUFブラジルのファーストシーズンに2階級上のミドル級で参戦して大奮闘。準決勝にてコーチのヴァンダレイ・シウバ、ヴィトー・ベウフォートの二人が号泣する名勝負を演じた苦労人が、今後ライト級タイトル戦戦に絡んで来る可能性も見えて来た。