昨年8月にミシャ・サークノフの第2の故郷であるカナダで行われたファイトナイトは、彼にとってUFCでの初戦だった。ダニエル・ジョリーを1ラウンドで落ち着いて葬り去った様子を見れば、これが彼の20戦目だといわれても不思議ではないほどだった。 あの夜は平常心でいられたとサークノフ自身も認めている。だが同時に、いつもそういう状態でいるわけではないとも打ち明けた。 「オレはこう考えている」と彼は述べた。「ブラジリアン柔術でうまくなるには、ブラジリアン柔術を学ばなきゃならない。マスターするんだ。ボクシング、体重や栄養管理も同じだ。オープンな考えを持ち、学びたいものがあるなら何でも同じさ。オレだって初めの何試合かはものすごくナーバスだったよ。すべてのファイターの中で自分が一番ナーバスだったと思う。でも、そういうのはトレーニングが可能なんだ。習得し、コントロールできる。オレはすべてを学ぼうとするし、何をするべきなのか考える。そして、自分のベストな状態ですべての試合に臨めるようにするんだ。オレは自分の気持ちのコントロールの仕方、ゲームのやり方を知っている。今は楽しめるようになったよ。以前はちょっと考えすぎていた。今は考えるよりも行動で示す」 行動とはつまり勝利だ。2010年にプロになった彼は、過去10戦で9勝を挙げた。現在は5連勝中であり、そのすべてを1ラウンドでノックアウトかサブミッションによってフィニッシュしている。次々と対戦相手を撃破していく彼を見ていると、不安など感じる暇もなさそうだと言う者もいるだろう。だが、もっと正確に表現するなら、彼のキャリアは今、すべてがパーフェクトなタイミングで集約する地点に差し掛かっているのだ。そのすべてを彼は楽しんでいる。 「オレは今29歳。人生を賭けてやってきたことがゆっくりと報われつつある」とサークノフは述べた。「あまりにも長い旅路だった。それがようやく受け入れられ始めているんだ。前は500ドルのために戦っていたこともあった。でも今はもっと大きな原動力があって、とてもハッピーだし、オレはUFCを愛している。ここは世界最高の団体だよ。その一員になれて最高にハッピーだ」 6日(土)にサークノフはまた1人、リストの攻略相手を塗りつぶそうとしている。初めてラスベガスで迎える試合の対戦相手は、オクタゴンの新顔、アレックス・ニコルソンだ。 「もちろん、それは大きな意味を持ってる。今まで過去最高と呼ばれるいくつかの試合はラスベガスで行われてきた。そして、その多くはMGMグランド・ガーデン・アリーナが舞台だった」と彼は述べた。「オレはずっと、何が何でもラスベガスで戦いたいと思っていた」 アスリートが報酬アップを喜ぶだけでなく、その一連のプロセスを楽しむさまを見るのはいいものだ。アスリートのキャリアは決して長くない。時折立ち止まってすべてを消化する時間を持たなければ、終わった時に後悔が残る。サークノフの場合、そうはならないだろう。彼は家族とともにカナダへやってきて以来、自分の世界を理解し、自分の進むすべてのステップについて学んできた。 「オレは12歳の時に両親に連れられてカナダに来た」と彼は振り返る。「父がいなくなり、母と2人きりになって、オレは自分でいろんなことを学ぼうとした。読書は大好きだったし、教養のある人たちと話すのも好きだった。何より、新しいことを学ぶのが大好きだったんだ。周りにいい手本となる人たちが何人かいて、彼らがオレを正しい道に導いてくれた」 彼はこれから、スポーツ最大のプロモーションであるUFCのファイターとしてラスベガスで戦う。鮮烈なデビューだったにもかかわらず、焦りは感じられない。 「オレは謙虚だ」とサークノフは述べた。「ほかの連中みたいなことは言いたくない。冒険を楽しみ、すべてを楽しみたい。UFCに来るまでの道のりも楽しかったし、ファイターになるまでの過程もすべてが楽しかった。だから、もっとそれを経験し、もっと楽しみたいだけさ。何を提示されようと、オレはどんなプロモーターからのどんな試合でもノーと言ったことはない。試合をさせてもらえるだけで胸が高鳴るんだ」 「戦える準備を万全にしておくだけ。そうすれば機会はやってくる」と彼は続けた。「だからオレは焦ったりしない。望み通りの場所にたどり着くまですべての試合を楽んで、オレがランキングだけを気にしているわけじゃないってことをファンに見せたい。すべての試合に真剣に臨み、観衆を楽しませてみせる。もっと多くの人にオレがどんな人間かを知ってほしいんだ。それを彼らに知ってもらう唯一の方法が試合なんだ。すごくワクワクしている」 オクタゴンデビューを飾って以来、出身地のラトビアではサークノフの人気が猛烈な勢いで高まっている。UFCのイベントがラトビアで実現すれば、これ以上の喜びはないだろう。 「そうなったらもう狂喜乱舞さ」と彼は述べた。「母国にはすごく忠実なファンがいる。もしUFCがラトビアに来てくれれば、チケットは絶対にソールドアウトだよ。そこでメインカードを務めることができたら最高だ」 だが、まずはラスベガスだ。ここを起点として再び記憶に残る1年になることを彼は望んでいる。 「2015年は3勝した。2016年はそこに少なくとも3勝以上加えたいね。多くを語るつもりはないけど、世界にオレの力を見せるのが待ち切れないよ」