日本時間2016年5月30日(月)に米国ラスベガスのマンダレイベイ・イベントセンターで開催されたUFCファイトナイト・ラスベガスのメインイベントの試合レポート。
「ゲームプランはぶん殴るってことだけさ。オレがこの階級で最強のハードパンチャーだってことは分かっていた。ドミニク・クルーズだろうが誰だろうが吹っ飛ばしてやる。オレは王者になってみせる」 日本時間2016年5月30日(月)に米国ラスベガスのマンダレイベイ・イベントセンターで開催されたUFCファイトナイト・ラスベガスのメインイベントで実現した無敗のバンタム級対決をわずか2分53秒、圧倒的なKO劇で制したカリフォルニアの24歳、コーディ“ノー・ラブ” ガーブラントのパフォーマンスを見れば、彼の言葉が試合後の興奮によって思わず口走ってしまったものでないことは明白だろう。対戦相手のトーマス・アウメイダはこの一戦まで21勝0敗、20フィニッシュ勝利と怪物じみた戦績を築き上げてきており、同級7位にランクするタイトルコンテンション浮上も目前の紛れもない強豪だった。 細かなヘッドムーブでフェイントを織り交ぜながらガーブラントがプレッシャーを掛けるが、5インチのリーチ差を誇るアウメイダは無理をせずにコンパクトに構え、大きく退がるように回り込む。ガーブラントの飛びヒザ蹴りを回り込んで捌いたアウメイダはスタンスを広げて肩のフェイントを用いながらオクタゴンの中央に陣取ると、伸びのある打撃を散発的に繰り出し始める。しかし残り時間3分、ガーブラントのローキックからのワンツーがアウメイダのガードをかいくぐるように下から命中すると、ガーブラントは至近距離でのハンドスピードの差に勝利の臭いを嗅ぎ取ったのか、一気に距離を詰めるとその獰猛な左右のパンチを振り回す! 金網際まで押し込まれたアウメイダも必死の形相で左右の拳で応戦するものの、至近距離では長いリーチが仇となり、ガーブラントのハンドスピードに対抗することが出来ない。すでに顔面が鮮血に染まったアウメイダを相手に、ガーブラントは冷静な面持ちでいったん距離をとるとハイキックのうち終わりに不用意に金網を背にしたアウメイダの懐に飛び込み、ワンツーを一閃! さらに、トドメの右を振りぬくと、2発の右がいずれもアウメイダのガードをかいくぐりその顎先を捉え、これまで無敗を誇ったブラジル・サンパウロの英雄はマットに崩れ落ちた。 この劇的な勝利で戦績を9勝0敗と伸ばしたガーブラントは試合後に「トーマス・アウメイダに対するリスペクトに変わりはない。21勝0敗なんてそうそうできることじゃない。だけど、オレもこれでちょっとはリスペクトを勝ち取れたかな? 無敗の男に勝ったんだ。少しはオレのことも称賛してくれよ!」と語り、満場のファンたちから大声援を引き出した。 来週、日本時間6月5日(日)にロサンゼルスで開催されるUFC 199のセミメインイベントでは、バンタム級王者ドミニク・クルーズと、同級3位でガーブラントの所属するチーム・アルファメイルのリーダーでもあるユライア・フェイバーが三度目の対戦を迎える(両者の対戦成績は1勝1敗)。今夜の勝利でバンタム級ランキングにガーブラントがその名を連ねるであろうことを考えると、バンタム級の上位戦線はその人間模様も含めて混沌としたものになりそうだ。