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カーロス・コンディット「まだまだハングリーだ」

UFCのチャンピオンになるというのはクレイジーなことだが、カーロス・コンディットは以前に比べストレスが少なくなったという

 UFCのチャンピオンになるというのはクレイジーなことだが、カーロス・コンディットは以前に比べストレスが少なくなったという。

 「まったくもってそうだね」彼はそう答えた。ジョルジュ・サンピエール(以下、GSP)が膝の負傷により長期欠場したことにより行われた、ウェルター級暫定王者決定戦でニック・ディアス相手に5ラウンド判定勝ちを収めたコンディットは、今待ち望んだオフを満喫している。「去年は忙しかった。だから今は、もちろんコンディションを維持しながら、チャンピオンであることをエンジョイし、家族とすごしたり、精神的にとてもリラックスできている。だから、トレーニングキャンプに戻るとしても、とてもいい状態で臨めると思う」

 “ナチュラルボーン・キラー”は、ディアス戦に向けたトレーニングキャンプのハードさに参ったわけではなく、UFCプライムタイムショーのカメラが常に同行しているというプレッシャーに辟易としていた。

 「試合に向けた数週間は本当にストレスだらけだ。さらにいうと、カメラに追い掛け回されることは最大のストレスってほどではないが、すでにストレスにさらされている状況下では、耐え難いことだった」以前のコンディットはスポットライトの中心にいる選手ではなかった。そのため、彼にとっても、そして彼の家族にとってもこの状況は不慣れなものだったのだ。

 「自分は本当に普通の人間だ。朝起きたら家族と過ごし、そして仕事に行く。ただその仕事がケージの中で戦うために練習をする、というだけだ」

 彼の戦いは数百万人が見守るなかで行われた。それでも彼は、ディアスというここ4年間無敗だった男を相手に、目覚ましいパフォーマンスを見せた。さらに特筆すべき事は、5ラウンドの中で彼は自分のゲームプラン通りに試合をすすめディアスにリズムを取らせなかった。結果、49-46、49-46、48-47という3-0の判定勝ちを収めたのだ。

 「この試合展開は自分を含め、ディアスも誰も予想していなかったと思う。とても面白い試合だったと思うし、何より自分がゲームプラン通りに試合ができる事を証明できた。今まではゲームプランを立てても最初のパンチを打った瞬間に忘れてしまう事が多かったけど、この試合で、自分は選手として経験も得て成長したことを感じた」

 ローリー・マクドナルド、ダン・ハーディー、キム・ドンヒョンからKO勝ちを収めている戦績から、コンディットは打ち合いを挑むものと思われていたが、彼は彼のゲームプランを実行し、この試合をものにした。しかし、とても僅差なものであったため、インターネットでは最終ラウンドの判定を巡って論争もおきた。ただ、判定に対する疑問はコンディットも同じであった。

 「判定が下るまで、僕も4-1で勝ちかな?と思っていた。でもそのあと試合の映像をみて、すごく僅差なラウンドもあったし、ディアスが勝っていたという人がいるのもわかる。でも、僕が話した人たちはみな、試合を楽しんでくれていたし、僕の勝ちだと思うと言ってくれていた。ただそれだけだよ」

 しかし、コンディットはtwitterやFacebookなどのSNSで彼を批判する人たちを見る事がつらかったという。「MMAファンには色んな人がいて、その人たちが戦いに色んな事を求めているってのは理解できる。だから、選手の戦い方に納得がいかないこともあると思う。でも、誹謗中傷までするのは適切ではないと思う」

 コンディットはウェルター級最高峰の選手を相手に、自分のゲームプランを守り通し、素晴らしい試合の末に勝利をもぎ取った。「すべての試合がこんな風に上手くいくとは限らないよ」コンディットは答えた。「僕の30戦の中には見事なKO劇もあったし、そうでないものも当然あった」

 しかし、だからこそ、この競技を総合格闘技と呼ぶのだ。コンディットはWECチャンピオンからUFCチャンピオンへと上り詰めた。しかし、まだGSPという史上最高の選手が立ちはだかっている。ディアスとの再戦がお流れとなった結果、彼は自分が本当に一番であるということを証明する機会を待ち望んでいるという。

 「GSPに勝つために壮大な計画を立てていけど、彼の怪我で試合がキャンセルになったからそれを一時中断せざるを得なかった。でも、実際に戦うときは当時の計画がよみがえることになると思うよ」

 GSPは現在予定より早く回復していると伝えられている。2012年中には念願のコンディッvsGSPが見られるであろう。ただ今は、試合決定を告げる電話がなるまで、王者としての時間を楽しみ、家族との時間を楽しむという。また、ひとたびその時がくれば、彼はチャンピオンとしてではなくハングリーな挑戦者としてトレーニングに入るという。

 UFCのチャンピオンとしての生活について尋ねると、「すごくいいものだけど満足はしていない」と彼は答えた。「僕の王者という名前にはまだ、暫定、という文字がついているから。この文字がとれて真の王者になるまで、僕はまだまだハングリーでいるよ」