日本時間2017年6月4日(日)にブラジル・リオデジャネイロのジュネス・アリーナで開催されたUFC 212メインカードの試合レポート。
女子ストロー級 5分3ラウンド
クラウディア・ガデーリャ vs. カロリーナ・コバルケビッチ

日本時間2017年6月4日(日)にブラジル・リオデジャネイロのジュネス・アリーナで開催されたUFC 212のセミメインイベントで次期女子ストロー級タイトル挑戦者決定戦の意味合いが強い、同級ランキング1位のクローディア・ガデーリャと同級2位のカロリーナ・コバルケビッチによる一戦が実現した。
両者の激しい打撃戦が予想された本戦は、以外にも1ラウンド中盤にガデーリャが見事なリアネイキドチョークでコバルケビッチを完封して見せたものの、ガデーリャは試合後に「ブラジル人と戦うときに、以前と同じ相手を想定しているようではダメね。私は新しいクローディア・ガデーリャよ。でも今は人生のちょっと別のことに集中しているの」とタイトル挑戦に関しては含みをもたせた。
オーソドックスのガデーリャに対し、コバルケビッチは時折スタンスをスイッチしながら細かなコンビネーションを狙う。距離が詰まるとガデーリャは重たいパンチからの組み付きを狙い、残り時間2分30秒でこれを成功させるとスルスルとコバルケビッチの背後に回り込む。丁寧に両足をフックさせるとすぐに相手の喉元に右腕を巻きつけ締め上げたガデーリャは1ラウンド3分3秒にコバルケビッチからタップアウトを引き出した。
ミドル級 5分3ラウンド
ビトー・ベウフォート vs. ネイサン・マーコート

しっかりとガードを上げて距離をとるベウフォートに対し、マーコートは細かく左ジャブのフェイントを見せながら一気に相手に組みつくとテイクダウンを成功させる。ベウフォートはクローズドガードに相手に捉え、相手の攻撃を封じるとレフリーのオサイリス・マイアがすぐに両者にブレイクを命じてしまう。相手の左の攻撃を警戒するマーコートはしっかりと右を上げながら、関節蹴りで距離を作って組み立て直そうと試みるが、次第にベウフォートの圧力が強まり両者の距離がつまり始める。残り時間30秒、ベウフォートが右を下げてマーコートを誘って相手のワンツーに右フックを合わせるがこれは当たらない。ベウフォートの左ハイをマーコートがブロックしたところで第1ラウンドが終了。
スタンスを変えながら程よく手数を出すマーコートに対し、ベウフォートは無駄撃ちはせずにチャンスを伺い続ける。マーコートの飛び込みで両者の距離が詰まった瞬間、ベウフォートの左ショートアッパーが相手を捉え、マーコートの足が一瞬止まる。即座に猛烈な左ハイキックで相手の動きを止めたベウフォートいが一気に距離を詰めると右手で相手の首を抱えた状態で左を連打するがマーコートはガッチリとガードを上げてこのピンチをやり過ごす。マーコートは足が止まり始めつつも散発的に飛び込みを繰り返すが、ベウフォートもやや反応が遅れ始めている。残り時間1分、マーコートが右ミドルを連打すると、一気に右のオーバーハンドで距離を詰めるがベウフォートは大きく左に回って相手の勢いをやり過ごす。残り時間10秒、終盤を好印象でまとめたいベウフォートが細かなフェイントをかけるが実際に手数は繰り出せない。
スタミナに勝るマーコートが手数でベウフォートを上回るがマーコートの右のガードは今や完全に下がっている。マーコートの左ハイキックが何度かベウフォートの側頭部を捉えるが、マーコートは深追いはしない。残り時間90秒、ベウフォートが左ハイキックを命中させると一気に手数を増やして距離を詰める!強まる圧力にマーコートが両足タックルに飛び込むがベウフォートはベウフォートは鋭くこれに反応し、マーコートを跳ね返す。マーコートがリーチのあるジャブ、そして飛びヒザも繰り出し、なんとかベウフォートの圧力をやり過ごす中、最終ラウンドが終了した。
ジャッジはこのミドル級の一戦を29-28のユナニマスでブラジルのレジェンド、ビトー・ベウフォートの勝利と判定。「犠牲なくして栄光はない。ノックアウトをしたかった、皆のためにノックアウトを見せたかったが申し訳ない。あと5試合お見せする、違ったベウフォートになって戻ってくるぜ」と試合後に引退の意向を撤回したベウフォートはこれで26勝13敗1ノーコンテスト。対戦相手のネイサン・マーコートは38勝18敗2分となった。
ミドル級 5分3ラウンド
パウロ・ボハシーニャ vs. オルワレ・バンブーシェ

バンブーシェーは大きなステップで距離と角度を変えながら、ダイナミックな踏み込みとともに猛烈なパンチを振るう。ボハシーニャがお返しの打撃を繰り出そうと踏み込むと、ボハシーニャが鮮やかな両足タックルで飛び込み相手を金網に押し込むと、そこからテイクダウンを成功させる。しかし、ボハシーニャは背後に回り込むバンブーシェを前方にふるい落とすと落ち着いた表情でスタンドでの攻防を再開する。相変わらず大きなステップからパンチとテイクダウンを織り交ぜるバンブーシェだが、ラウンドが中盤に入ると次第にその運動量が落ち始める。しっかりとガードを固めながらじりじりと前に出るボハシーニャが次第に手数で上回り始め、バンブーシェを金網に釘付けすると、強烈な右ミドルを2発、さらに左右のフックの連打でバンブーシェの体をくの字に曲げる。前進が止まらないボハシーニャにバンブーシェがなんとか胴タックルで組み付き凌ぐ中、第1ラウンドが終了した。
ガードを上げて距離を詰めるボハシーニャにバンブーシェは飛び込みを繰り返すがボハシーニャは下がらない。ボハシーニャはバンブーシェのハイキックにローを合わせると、相手をマットに転がしすぐさま相手のガードの中から左右のパウンドを振り下ろす!防戦一方のバンブーシェを確認すると、レフリーのジョン・マッカーシーが2ラウンド1分6秒にTKOでの試合の終了を宣告した。
序盤のバンブーシェの爆発力をいなしながら、丁寧かつ殺傷能力の高い戦いぶりを披露したブラジルの新鋭、パウロ・ボハシーニャはこれで無傷の10勝0敗。試合後にはトップ10との対戦を要求したボハシーニャの今後の活躍は要注目だ。なお、対戦相手のニューヨーク在住のナイジェリアン、オルワレ・バンブーシェは6勝3敗となってしまった。
ウェルター級 5分3ラウンド
エリック・シウバ vs. ヤンシー・メデイロス

アップライトに構えたメデイロスがリーチの長いジャブとキックで距離を取りながらシウバの周囲を左右に動く。一瞬サウスポーに構えたシウバは左を下げた構えからジャブ、そして距離を詰めようと試みるが、シウバの踏み込みにメデイロスの左ショートフックが命中、シウバは崩れ落ちながらのタックルで引き込むように下になる。メデイロスのパウンドで万事休すかと思われたが、メデイロスは時期尚早と判断したのか圧力を弱める。立ち上がったシウバはしばらくサイドステップを繰り返し、しっかりとダメージを回復させる。ポイントの挽回を狙うシウバが手数を増やしヘッドムーブのフェイントから何度も右ストレートで飛び込み距離を詰める。互いに豊富な打撃を繰り出しつつも、決定打は奪えない。
自身の打撃を繰り出すたびに、メデイロスは丁寧に自分の距離を作り直すため、シウバはパンチの回転の速さをなかなか活かせない。インターバルではガードを上げろとコーチーから指示のあったシウバだが相変わらずその左手は低いままだ。ラウンド中盤、シウバのジャブに合わせて右のオーバーハンドで飛び込んだメデイロスの下がりながらの左フックがシウバの顎を直撃!真後ろに倒れ込んだシウバにメデイロスは即座に距離を詰めパウンドをまとめると、レフェリーのエドワルドが両者の間に割って入りTKOによる試合の終了を宣告。時間は2ラウンド2分1秒だった。
敵地ブラジルでキャリア最大と言って良い勝利を記録したハワイのヤンシー・メデイロスはこの勝利で14勝4敗1ノーコンテスト。戦績を19勝8敗1ノーコンテストと落としたシウバはレフリーにはストップが早かったと抗議の意思表示を見せた一方、メデイロスの勝利を素直に讃えた。