メインコンテンツに移動
/themes/custom/ufc/assets/img/default-hero.jpg

コーチ対決を制したのはベナビデス、セフードを判定で下す

日本時間2016年12月4日(日)にアメリカ・ネバダ州ラスベガスのザ・パームスで開催されたジ・アルティメット・ファイター・シーズン24フィナーレのメインカード試合レポート。

フライ級 5分3ラウンド
ジョセフ・ベナビデス vs. ヘンリー・セフード



「全てをかけて、敬意をもって試合に臨む。試合後はリスペクトの気持ちが生まれるし、ファンのみんなも同じように感じてくれたらクールだね」

日本時間2016年12月4日(日)にアメリカ・ネバダ州ラスベガスのザ・パームスで開催されたジ・アルティメット・ファイター・シーズン24フィナーレのセミメインイベントでフライ級2位の宿敵ヘンリー・セフードをスプリット判定で退けた同級1位のジョセフ・べナビデスは語った。

互いにTUF 24でコーチを務め、ときに感情的な言葉をぶつけることもあった両者だが、試合はまさに互いの最高峰の技術と、トップコンテンダーの意地がぶつかりあう激戦となりその決着は3ラウンド終了後の判定までもつれ込んだ。

「良い試合だった。アイツも引かなかったね。減点がなくても判定では俺の勝ちだったな。超タフで凄い身体能力だったよ。2ラウンド、3ラウンドと良い感じになった。あと2ラウンドあったら彼は終わっていただろう」と語ったベナビデスの戦績はこれで25勝5敗で5連勝。2010年11月以来の2敗はいずれも同級の絶対王者、デメトリアス・ジョンソンに喫したものだ。一方、前戦ではそのジョンソンに破れ、復帰戦に臨んだセフードは10勝2敗となっている。

セフードが低い構えでオクタゴンの中央に陣取り、左右のパンチを主軸に圧力を掛ける。序盤の打ち合いでセフードの左フックがべナビデスを捉え、べナビデスは一瞬崩れるがすぐに持ち直すと前に出る。セフードの前蹴りがローブローとなり、試合は一度中断される。べナビデスはすぐに試合の再開を要求するが再びセフードのインローがベナビデスの下腹部に命中し、これは明らかに偶発的なものであったにもかかわらず、セフードに減点が課せられる。ハイペースの攻防を狙うべナビデスは盛んに飛び込みながら多彩な打撃でセフードを崩しにかかるがセフードは圧力を弱めない。

左右にアングルを変えながらローキック、ハイキック、ヒザ蹴り、そしてオーバーハンドとべナビデスは手数を繰り出し続ける。セフードはいずれもよく見て相手の攻撃をかわしているが、このラウンドはやや手数が少ないようだ。残り時間2分、それまでカウンターの右ミドル狙いだったセフードがやや前に出始めるがべナビデスは手数を落とさず上手く回り込む。終盤に入るとベナビデスの運動量も陰りを見せるが、べナビデスは最後までセフードに踏み込ませずにラウンドを終えた。

相変わらず飛び込みからの豊富なコンビネーションを見せるベナビデスにセフードが片足タックルから背後に回り込むものの、べナビデスはこれを振りほどく。しきりに飛び込みからパンチを上下に打ち分けるベナビデスだが、セフードはしっかりとガードを挙げてこれらをブロックし離れ際には必ずフックを繰り出す。残り時間30秒、両者が感情的な激しい打ち合いを繰り広げ、互いの打撃は相手の顔面を捉えるが、ついに双方ともに崩れる姿は見せなかった。

ジャッジの判定は30-26、27-29、そして29-27だった。

ウェルター級 5分3ラウンド
ジェイク・エレンバーガー vs. ホルヘ・マスヴィダル



相手を下がらせたいエレンバーガーに対し、マスヴィダルはキックで手数を稼ぐ。残り時間4分、様子を見ていたマスヴィダルが一気に距離を詰めると猛烈な左右のパンチでエレンバーガーに襲いかかる。強烈なボディ打ちで頭の下がったエレンバーガーにマスヴィダルがパンチをまとめると、エレンバーガーはマットに崩れ落ちながらもなんとかマスヴィダルに組み付きダメージを回復させる。エレンバーガーが再びジリジリと前に出始め、これを突き放そうとしたマスヴィダルの蹴り足をキャッチ!バランスを崩したマスヴィダルにエレンバーガーが突進すると、不運にもエレンバーガーの左のつま先が金網の基部とマットの隙間に挟まってしまった。身動きがとれず、なんとかつま先を引き抜こうとするエレンバーガーにマスヴィダルがパウンドと共に襲いかかると、レフェリーのハーブ・ディーンが試合の中断を要求。コミッショナーに確認の結果、試合は1ラウンドの4分05秒でのTKOによるマスヴィダルの勝利と裁定された。

試合後に勝者のマスヴィダルは神とファンに感謝の弁を述べた後、「ビジネスの話をしよう。いつでも、どこでも、誰とでも戦うってみんな言うけど、俺が名乗りを上げたところで実現した試しがない。ドナルド・セラーニ、やろうぜ。スーパーボール週末でも、いつでも好きなときで構わない」とセラーニへ対戦要求をたたきつけた。

一方、不運に見舞われ試合続行のチャンスを奪われたジェイク・エレンバーガーは「おかしな話だと思う。俺の足が金網に挟まってしまって俺は振り返ろうとしていたところだ。俺は防御もしていて鼻に一発もらっただけだ」と寂しげに試合を振り返った。

なおこの結果、マスヴィダルは31勝11敗、エレンバーガーは31勝12敗となっている。

ライトヘビー級 5分3ラウンド
イオン・クテラバ vs. ジャレッド・キャノニア




パンチで突進し、距離が詰まると首相撲からのアッパーとヒザを繰り返すクテラバ。キャノニアは足を使って得意のパンチの距離を作りたいが、クテラバはそれを許さず盛んに飛び込みを繰り返す。キャノニアは組み付きから試合のペースダウンを狙うが、残り時間3分にクテラバが豪快な払い腰でキャノニアをマットに叩きつけると豪快なパウンドを落とし始める。キャノニアは上手く両膝をつかって距離をつくり、このパウンドの直撃を防ぎながら残り時間1分で攻防をスタンドに戻すが不用意にもろ差しに行くと、クテラバがカンヌキ・スープレックスで切り返す! クテラバのパウンドを避けながら、キャノニアが立ち上がったところで第1ラウンドが終了した。

ジリジリと距離を詰めながら鋭いジャブでタイミングを測るキャノニアだが、クテラバのタックルに捕まり下になる。キャノニアは冷静に相手のパウンドを防ぎながら残り時間3分で立ち上がると、狙いすました左右のパンチでクテラバを下がらせる。一度はクテラバにテイクダウンを許したキャノニアだが、丁寧にダメージを避けながら立ち上がると、残り時間1分、ついにもろ差しからのテイクダウンを成功させ待望のトップポジションを奪取!キャノニアがコツコツとパウンドを落し第2ラウンドを終えた。

その巨躯からは想像もできない素早いキックとパンチでジリジリと前に出るキャノニアの周囲をぐるぐると回っるクテラバがテイクダウンに飛び込むが、クテラバはこれをフィニッシュすることができない。豪快なパンチで飛び込むクテラバをキャノニアの鋭いカウンターが捉え続け、クテラバはやりにくそうだ。残り時間2分、苦しくなったクテラバはキャノニアに組み付き流れを変えようと試みるが、ヘッドポジションの攻防を制され振りほどかれてしまう。残り時間40秒、クテラバのパンチを見きったキャノニアが両手を完全に下げ、いたぶるようなパンチで圧倒的な優勢を印象づける中、試合終わりを告げるブザーが鳴った。

ジャッジの判定は29-28のユナニマスでキラー・ゴリラことジャレッド・キャノニアを勝者として支持。初めてのライトヘビー級戦で万全なコンディショニングを見せ戦績を9勝1敗と伸ばしたキャノニアは「栄養士である俺のワイフがこの減量を可能にしてくれた。彼女が難しいことは全部やってくれるのさ。185ポンドにも落とせると思うよ」と語りファンを驚かせた。一方、最後まで気骨あふれる戦いぶりで試合を盛り上げたモルドバの23歳、イオン・クテラバだったが、その奮闘も及ばず戦績を12勝3敗1ノーコンテストと落としている。

女子バンタム級 5分3ラウンド
サラ・マクマン vs. アレクシス・デイビス




中間距離での打撃戦から距離を詰めたマクマンが重たい両足タックルで押しつぶすようにデイビスを倒すとデイビスはすぐに両足を相手の肩口まであげ、マクマンのポスチャーを崩しながら無数のヒジを落とし続ける。マクマンはジリジリと圧力をかけ、デイビスがスタミナを消費しハイガードが取れなくなるのを落ち着いて待っている。残り時間1分、デイビスを金網際まで運んだマクマンがポジションをハーフガードまですすめてパウンドを落とそうとするが、デイビスはマクマンをトライアングル・チョークに捉えヒジを連打するなかラウンドを終えた。

開始早々、マクマンが豪快な首投げでデイビスをマットに叩きつける。デイビスは相手の片足に絡みつきながら足関節の攻防からスクランブルに持ち込もうと試みるが、マクマンは動じない。デイビスの左脇に頭を差し込み、肩固めの圧力をかけつつ右足を引き抜くと必死のディフェンスを見せるデイビスに構うことなく締め上げる!2ラウンド52秒、オリンピック銀メダリストのマクマンの渾身の肩固めに対し、デイビスにはタップ以外の選択肢は残されていなかった。

戦績を10勝4敗と伸ばした女子バンタム級7位のサラ・マクマンは「デイビスからサブミッションを奪うのは正直な話、難しかったわ。彼女は私の仕掛けに対してことごとく反応してきていたから、あの得意な形になったときはこちらが驚いたぐらい。実力のあるブラックベルトからタップを奪えて嬉しいわ。次はロンダとアマンダの勝者と戦いたい」と試合を振り返りつつ、タイトル挑戦への欲求を露わにした。なお、この結果対戦相手のアレクシス・デイビスは17勝7敗となっている。

フライ級 5分3ラウンド
ブランドン・モレノ vs. ライアン・ブノワ




スタンスをスイッチしながらブノワのハイキックをキャッチしたモレノが左右のパンチで距離を詰め、両足タックルでテイクダウンを狙う。すぐに立ちあがったブノワはジリジリと前に出るが手数が出ない。モレノは再びタックルで距離をつめ、何度も立ち上がるブノワに背後からしつこく食らいつく。残り時間1分40秒、相手を振りほどいたブノワへのローブローによる中断を挟んでスタンドで攻防が再開される。ブノワのミドルが快音を立てるシーンも見られたが、モレノの豊富な手数と圧力が印象に残る。

開始早々、間髪入れずに距離を詰めたブノワがモレノを金網に押し込むがモレノはこれを振りほどく。モレノのコンビネーションを距離をとっていなすブノワが2分過ぎにモレノのイドルに猛烈な左フックをかぶせてダウンを奪うがモレノはすぐに立ち上がると、僅かな打撃戦を挟んで両足タックルから相手を抱え上げマットに叩きつける!モレノはブノワの右手首を封じながら細かなパウンドを入れ続けると、立ち上がるブノワを再びスラムしラウンドを終えた。

決定的なシーンを作る必要があるブノワが距離を詰めるがモレノはすぐに片足タックルで距離を詰め、相手に打撃の距離を与えない。なんとかこれを振りほどいたブノワだが、モレノが緩急をつけた打撃でブノワを下がらせ始める。これまでの豊富な運動量が影響してモレノはやや動きが落ちてきたものの、巧みに出入りを繰り返し、テイクダウンと打撃を織り交ぜながら最後までブノワを寄せ付けなかった。

試合結果は29-28、28-29、そして29-28のスプリット判定でベイビー・アサシンことメキシコのブランドン・モレノ。前回のUFCデビュー戦でフライ級の強豪、ルイス・スモルカを下した際はマグレではないかとの評価も飛び出したモレノだったが、今回のこの試合ぶりを見ればその評価は間違いであったことは明白で、もはや彼の実力に疑問符をつけるものはいないだろう。戦績を13勝3敗と伸ばしたフライ級12位のモレノは試合後、オクタゴンサイドで試合を見ていたUFC会長のデイナ・ホワイトに「チャンスをありがとう。次はトップ10とやらせて」と上位陣との対戦を要求した。対戦相手のライアン・ブノワは9勝5敗と戦績を落とした。