日本時間2016年7月31日(日)に米国州アトランタのフィリップス・アリーナで開催されたUFC 201メインカードの試合レポート。

女子ストロー級 5分3ラウンド
ローズ・ナマユナス vs. カロリーナ・コバルケビッチ
日本時間2016年7月31日(日)に米国州アトランタのフィリップス・アリーナで開催されたUFC 201のセミ・メインイベントで実現した女子ストロー級5位、ポーランドのカロリーナ・コバルケビッチと同級3位、米国のローズ・ナマユナスとの一戦は王者ヨアンナ・イェンドジェイチェクへの次期挑戦者を決定する一戦だった。この一戦をコバルケビッチが首相撲からの強烈なヒジ打ちとヒザ蹴りで支配し、29-28、28−29、そして29−28のスプリット判定で勝利したことにより、近い将来UFC女子ストロー級のタイトルマッチが二人のポーリッシュ・ファイターにより争われることが濃厚となった。
オクタゴンの中央に陣取りながらも軽やかなフットワークを見せるナマユナスは左右のパンチに強烈な右ローで攻防を組み立てる。コバルケビッチはやや遠い間合い から左右のパンチを繰り出すが、ローズは相手の右に頭をずらしながら右のカウンターを合わせている。ラウンド中盤過ぎからコバルケビッチが圧力を強め始めるが、ナマユナスは巧みにサイドに回り込む。パンチの打ち合いで、相手の足が止まらないと見ると、コバルケビッチは首相撲にナマユナスを捉えて強烈なヒザをボディに連打!しかしこれをふりほどいたナマユナスが胴タックルからトップポジションを奪取したところで第1ラウンドが終了した。
ラウンド序盤からコバルケビッチの組み際でのヒザとヒジがナマユナスを襲う。相手の打撃を密着することで防ぎたいナマユナスだが、なかなかテイクダウンまでは繋げられない。至近距離でのヒジでナマユナスを突き放したコバルケビッチは攻防を打撃戦に戻すがナマユナスは回り込みながらのカウンターで凌ぎつつ、組み付きからのテイクダウンを狙う。動きの落ちないコバルケビッチに対し、ナマユナスは上体が流れ始めかなり苦しそうだ。終盤にはコバルケビッチも息が上がり始めるが、至近距離でのコバルケビッチのヒジとヒザが印象を残すラウンドとなった。
コバルケビッチは強引に距離を詰めると首相撲の攻防を狙う。テイクダウンを狙いたいナマユナスだがコバルケビッチの圧力に下がらされ、そのチャンスは訪れない。ラウンド中盤過ぎにナマユナスが強引なタックルに飛び込むと、コバルケビッチがこれを潰してトップポジションを奪取。ナマユナスはアームバー、そしてヒールフックと下からアタックを仕掛けるが、コバルケビッチはこれらを潰しながらトップをキープしパウンドを落とし続ける。残り時間10秒、オモプラータから攻防をスタンドに戻したナマユナスが逆転の望みをかけて左右のパンチを繰り出すが、その機会は訪れなかった。
「夢が実現するわ。ヨアンナ・イェンドジェイチェクに準備は出来ているかと聞かれた時、あの時は出来ていなかった。でも今は出来ている。ヨアンナの事は尊敬している。彼女は最強よ。でも私は最強の相手と戦って、最強の相手に勝利するのよ」
なお、この一戦でコバルケビッチはその無敗記録を10勝0敗と更新。対するローズ・ナマユナスは6勝3敗となった。

ウェルター級 5分3ラウンド
マット・ブラウン vs. ジェイク・エレンバーガー
試合が始まりオクタゴンの中央に進み出たブラウンに、エレンバーガーの2発のジャブからの右のオーバーハンドが直撃!後方に吹っ飛び倒れこむブラウンに、エレンバーガーは即座にフォローに飛び込み猛烈な勢いでパウンドを連打する!ストップもやむなし、という状況に追い込まれたブラウンだが、驚異的な、そしていつもながらのタフネス振りを発揮し攻防をスタンドに戻すことに成功する。フィニッシュを確信し、全力でパウンドを繰り出し続けたエレンバーガーは息が上がってしまい手が出ない。スタミナの回復を図ろうと距離を取るエレンバーガーを悠然と距離を詰めるブラウンの伸びのあるパンチ、そして膝蹴りが襲う。会場の誰もが試合の流れが変わったと感じたその瞬間、エレンバーがのミドルキックが猛烈な音を立ててブラウンの腹部にメリ込むと、ブラウンが体をくの字に曲げて倒れこむ。パウンドの連打を浴びながらも、なんとか脱出しようと動くブラウンを、エレンバーガーは一度しっかりとガブって動きを止め、横カメのポジションでコントロールすると再びパウンドを連打。防戦一方となり動くことのできないブラウンを見て、レフリーのマーク・ゴダードが1ラウンド1分46秒にTKOによる試合の終了を宣告した。
持ち前の豪快な打撃を炸裂させたネブラスカ出身のジェイク・エレンバーガーはこの一戦で自身の連敗を2で断ち切ると、その戦績を31勝11敗と伸ばした。一方コロラドのウェルター級9位、マット・ブラウンは22勝15敗。自身のキャリアで3度目となる連敗を喫することになった。

バンタム級 5分3ラウンド
フランシスコ・リベラ vs. エリック・ペレス
前重心のリヴェラの顔面を狙ってペレスは前蹴りを繰り出しながら左へと回り込む。互いの距離が詰まるとリベラは頭を下げて左右を振り回すが、ペレスはすぐに距離をとって乱打戦には付き合わない。ペレスは目線のフェイントからの右ハイキック、インロー、そしてテイクダウンと多彩な攻撃を織り交ぜながら鋭くワンツーを繰り出し、リベラの望む足をとめての打ち合いには付き合わない。
リベラが重たい左のインローを見せ始めるが、ペレスはあいかわらず細かなフットワークに多彩な攻撃を織り交ぜリベラの正面には止まらない。リベラは手数を増やして圧力を強めたいところだが、ペレスは相手が前に出すぎると攻防をテイクダウンに切り替え的を絞らせない。残り時間30秒、ペレスのインローにリベラの動きが止まり、両手を両膝につくそぶりを見せるとペレスが即座に両足タックルに飛び込みテイクダウンを成功させてラウンドを終えた。
最終ラウンド、突如両者が足を止めての乱打戦を繰り広げる。少しでも距離が空くと相手を挑発しするリベラに対し、ペレスはこれまでのフットワークを捨てて猛烈な打撃戦に応じて場内を盛り上げる!ともに多数のパンチを被弾し、リベラが自身のパンチを空振りするとマットに倒れこむなど、オクタゴンの中は混沌そのものの様相を見せる。わずかに落ち着きを取り戻したペレスがテイクダウンに飛び込みこれを成功させると、頭部からおびただしい流血を見せるリベラにコツコツとパウンドを落とし続ける。残り時間30秒、なんとか立ち上がったリベラは離れ際に一瞬時計に目をやると、再び相手を乱打戦に誘おうと試みたが、ペレスはこれに応じると見せかけインローで相手のバランスを崩すと巧みに相手をいなして試合を終えた。
15分間の中で様々な様相を見せた狂乱的なバンタム級戦を30-26、30-26、そして29-28で制したのはメキシコのエリック・ペレス。メキシカン・ファイターらしい一歩も引かない戦いぶりと、アライアンスMMAでのドミニク・クルーズとのトレーニングで身につけた新たな一面を駆使して8ヶ月ぶりのオクタゴンで勝利を記録したペレスは16勝6敗。一方、判定では大差をつけられながらも試合を激闘に持ち込みファンを大いに楽しませたカリフォルニアのフランシスコ・リベラだったがその戦績は11勝7敗1ノーコンテストとなった。

フライ級 5分3ラウンド
ライアン・ブノワ vs. フレディ・セラーノ
左のキックを狙いながらジリジリと圧力をかけるブノワのミドルキックを受け止めたセラーノは相手を高々と釣り上げるとテイクダウン!しかしブノワはブリッジでスペースを作ると攻防をスタンドに戻す。スタンスをオーソドックスに戻したブノワがストレート、そしてジャブを命中させ、腰が落ちたセラーノに距離を詰めるがセラーノが再びテイクダウンでこれを切り返す。立ち上がったブノワがスタンスを左右にスイッチしながら圧力をかけ、猛烈なミドルから相手を追いかける中第1ラウンド終了のブザーが鳴った。
セラーノのテイクダウンをギロチンで受け止めたブノワだが、キャンバスに落とされギロチンは外される。がっちりとクローズドガードを組んで相手を引き付けたブノワは一瞬お隙をついて攻防をスタンドに戻すと、鋭い打撃を見せながらセラーノを下がらせる。セラーノは超低空タックルが反応されると見ると、なりふり構わぬ打撃で突進し、テイクダウンを成功させるとブノワからトップポジションを奪取。さらに相手の顔面に、ノースサウス・ポジションから腰骨を落とす珍しい攻撃を見せた。
即座に両足タックルでドライブしたセラーノがテイクダウンを成功させ、相手に密着しながらコツコツとパウンドを落とす。レフリーにブレイクを命じられたセラーノが再びタックルに飛び込むと、ブノワはこれに左の膝を合わせて押し潰す。10日間の準備期間でこの一戦に臨んだブノワはスタミナが厳しそうに見えるが、時折力を振り絞るように打撃を繰り出し相手を金網に押し込むと、離れ際にコンパクトな連打をまとめるなど優勢を印象付けて試合を終えた。
ジャッジはこの一進一退のフライ級戦を29-28、28-29、そして29-28のスプリット判定でライアン・ブノワを勝者として判定。10日間という短い準備期間でこの一戦に臨んだライアン・ブノワがチャンスを生かして戦績を9勝4敗と伸ばした。試合後には自身の勝利を確信していたようにも見えたフレディ・セラーノは度重なるテイクダウンを成功させるも、決定的な形を作ることはできず、3勝1敗と戦績を落とした。