日本時間4月9日(日)、 アメリカ・ニューヨーク州バッファローにあるキーバンク・センターで行われたUFC 210のメインイベントのライトヘビー級タイトルマッチ、ダニエル・コーミエ vs. アンソニー・ジョンソンの試合レポート。
メインイベント
UFCライトヘビー級タイトルマッチ 5分5ラウンド
ダニエル・コーミエ vs. アンソニー・ジョンソン

2015年5月に王座決定戦として対戦した両者の再戦。最初の試合では1ラウンドにジョンソンが強烈無比な右を当ててダウンを奪うものの仕留め切れず、盛り返したコーミエが3ラウンドにチョークで逆転勝ちして新王者に輝いた。
以来、コーミエは、もう一人のトップランカーであるアレクサンダー・グスタフソンを判定2-1で退け、さらにリビング・レジェンドのアンデウソン・シウバにも完勝している。対するジョンソンはその後、破壊的なパンチ力をもってジミ・マヌワ、ライアン・ベイダー、グローバー・テイシェイラといったランカーたちをことごとくKO。リベンジ達成と念願の王座奪取に向けてその勢いは増すばかりとなり、世界が注目する再戦の時が来た。
1ラウンドはスイッチをしながらジャブでじりじりと距離を詰めるジョンソンに対して、コーミエは右のオーバーハンド。近づいたジョンソンは何と組み付いて両差しからテイクダウンを狙うが、コーミエは金網を背にディフェンス。ジョンソンがしつこくテイクダウンを狙うも、コーミエはそれをがぶり、やがて体勢を入れ替えて差し返す。なんとか突き放そうとするジョンソンだが、コーミエはそれを許さない。やがてコーミエがケージを掴んだということでレフェリーによるブレイクが入った。
仕切り直し後、膝蹴りで前に出たジョンソンは左右のフックから左ミドルを放つと、これが身体をかがめたコーミエにヒット! コーミエが下がると、ジョンソンは膝関節への蹴りから再び組み付いてダブルレッグテイクダウン狙い。それをコーミエがディフェンスするうちに終了のブザーが鳴った。
2ラウンド、コーミエの鼻は先ほどのミドルを被弾したせいか折れ曲がっている。サウスポーに構えたジョンソンはジャブから右膝を狙うが、コーミエはそれをキャッチすると突進してジョンソンをケージに押してゆく。左腕を差して右でパンチを当てるコーミエだが、ジョンソンは身体を入れ替えるとレベルチェンジからダブルレッグでテイクダウン。しかしコーミエはすぐに金網を背に立ち上がると、ジョンソンの膝蹴りを掴んでシングルレッグから、回して足をかけてテイクダウンに成功。そのまますぐにバックに!
そのまま背後から体重をかけてパウンドを連打するコーミエ。動けないジョンソンの顔の側面に強烈なパンチを連打したコーミエは、やがて掌でカップを作りアゴを掴んで上げさせてからチョークに。3分37秒、ジョンソンはたまらずタップした。

最もKOチャンスが高いと思われた序盤に、オリンピックレスラーのコーミエからテイクダウンを試みるという不可解な戦略を取り、敗れたジョンソンは「言い訳はなにもない。自分より強い男に負けただけだ。DC(コーミエ)を称えるよ。コーチはどこだ。コーチのニールとヘンリーに来て欲しいんだ。みんな、大好きだよ。(涙声になって)これが僕の最後の試合だったんだ。デイナ・ホワイトにも言っていない。コーチや家族は知っていたけどね。MMAとは関係のない、別の仕事をするんだ。でもUFCでの戦いは楽しかったよ。みんなのことは忘れない。引退するにはこのニューヨーク州バッファローこそ最高の場所だ。DC、ありがとう。そして(リングサイド席のジョン・ジョーンズを差して)ボーンズよ、顔を上げて胸を張ってくれ」と語った。
一方、38歳にしてその強さを見せつけたコーミエは「確かにこの鼻は折れているかもしれないね。それにしても俺はまったく声援が貰えないな。だったら俺もこれがラストファイトってことにしようかな。だったらみんな俺に声援をくれるかい!? (ブーイングが巻き起こると)ハハハ! 全然問題ないよ。どんどんブーイングをするがいい。俺は金とベルトを稼いだんだからな! どうだ!」と観客をひとしきりからかって見せた後、さらにこう続けている。
「向こうがこっちにレスリングを挑んできたのは信じられなかったよ。まあ、あのハイキックはもらいたくなかったけど、最初のラウンドは向こうにあげても問題ないかな。時が経つにつれて仕留められるって分かっていたからね。ランブルはもともとレスラーだから、追い込まれると自分のベースのレスリングに頼ってしまうんだと思う。そして実際、僕を2度もテイクダウンした。でもそれだけじゃだめだ。立たせずに押さえつけないとね。でもね、アンソニー・ジョンソンには引退してほしくない。素晴らしい選手でジェントルマンで、まだまだすごい戦いを見せられるはずだ。(リングサイドのジミ・マヌワに対して)ジミー、お前はいつも俺と戦いたいとウソをついているな。本当は戦いたくないくせに。今ここに上がってきて素手で俺を殴ってみろよ。受け止めてやるから。勝てないと分かっているんだろ! (ジョン・ジョーンズのことをたずねられて)誰だ、それ? そいつに試合出場する資格はあるのか? ないんならそんな奴の話は聞かないでくれよ。(ジョーンズを指差して)おい、お前、全てを綺麗にして戦える状態になって、かかって来い! それまで待ってるからな! 俺は2年も待っているんだぞ。最初はお前の勝ちだった。でも次はそうはいかん。奴のことはファイターとしては尊敬している。強いよ。でも話は試合出場ができる状態になってからだな!」