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K太郎、ポートランドで判定に泣く

日本時間2016年10月2日(日)に米国オレゴン州ポートランドのモダ・センターで開催されたUFCファイトナイト・ポートランドのプレリミナリーファイトの試合レポート。

日本時間2016年10月2日(日)に米国オレゴン州ポートランド のモダ・センターで開催されたUFCファイトナイト・ポートランドのプレリミナリーファイトに裸十段としてその名を世界に馳せる中村K太郎が登場し、自身初めてとなるUFCでの連勝を飾るべく、ザレスキ・ドス・サントスと対戦した。試合はK太郎のグラウンド・コントロール、そしてドス・サントスの鋭い打撃と両者がともに持ち味を発揮する一進一退の攻防となり、全てのラウンドでテイクダウンを成功させたK太郎がやや支配的に試合を進めていた様にも思われたが、ジャッジは短時間ながらも打撃戦でのダメージで優勢だったザレウス・ドス・サントスをユナニマス判定で勝者とし、K太郎のUFC連勝の実現はお預けとなった。


ウェルター級 5分3ラウンド
中村K太郎 vs. エリゼウ・ザレスキ・ドス・サントス


開始早々のドス・サントスのハイキックをブロックしたK太郎がそのまま両足タックルで突進すると、難なくテイクダウンを成功させる。金網を背にして立ち上がるドス・サントスにしつこく食い下がるK太郎は相手を前に投げ落とすと瞬く間にそのバックを奪取! 必殺のチョーク炸裂か?と早くも会場にどよめきが起こるが、K太郎はしっかりとパウンドを散らし丁寧に相手を崩しにかかる。K太郎のバックを脱したドス・サントスはポジションをガードに戻して相手を突き放そうとしたところでK太郎が再び横から覆いかぶさるようにバックを伺う。残り時間20秒、K太郎のバックをふりほどいたドス・サントスが猛烈な打撃で前に出たところで第1ラウンドが終了。

ドス・サントスがK太郎の左へと回りながら打撃で前に出る。K太郎は左のストレート、右のフックでこれを迎え打ちながら組みつくチャンスをうかがっているようだ。残り時間3分、ドス・サントスの前蹴りをキャッチしたK太郎がテイクダウンを成功させると金網際ですぐにバックを伺いながらトップをキープし、チョーク、そして細かなパウンドでドス・サントスを脅かす。残り時間1分10秒、強引に立ち上がったドス・サントスが再び猛然と打撃で前に出る。ドス・サントスの右ストレート、そしてその直後に左フックを被弾するK太郎だが、顎を引いてこれに持ちこたえた。

ドス・サントスの前進に左を合わせようとしたK太郎だがすぐにテイクダウン狙いに切り替える。しかしこれが突き放されると再びしっかりと相手を見ながら、右フック、左のハイキックでドス・サントスの打撃に応戦。丁寧に距離を測ると残り時間2分40秒で両足タックルを成功させる。K太郎はすぐにマウントまでポジションを進めたものの、ドス・サントスはブリッジを打って立ち上がるとK太郎の背後に回り、なんとスープレックスでK太郎を投げ捨てる! さらにそこから肩固め、ペルビアン・ネクタイとまさかのサブミッションでK太郎を攻め立てるがK太郎は落ち着いて脱出するとスルスルとドス・サントスの背後に回り込む!最後はドス・サントスに前に振り落とされたものの、K太郎が再びタックルに入る形で試合の終了を迎えた。

ジャッジの判定は29−28のユナニマス判定でドス・サントス。UFCで自身初となる連勝をかけてこの一戦に臨んだK太郎だったが、終始グラウンドで圧倒的なコントロールを見せたものの、無念の判定負け。その戦績は32勝8敗2分1ノーコンテストとなった。一方、ストライカーと評されながらも高いグラップリング能力も披露した、ザレスキ・ドス・サントスは16勝5敗と戦績を伸ばした。



ライトヘビー級 5分3ラウンド
ルイス・エンリケ・ダ・シウバ vs. ジョアキム・クリステンセン


ジョアキム・クリステンセン 13-3 デンマーク ルイス・エンリケ・ダ・シウバ 11--0 ブラジル クリステンセンがリーチのある左右のパンチで突進し、相手に組みつくとテイクダウンを狙うがシウバは四つに首相撲を織り交ぜ至近距離で豊富に手数を繰り出し続ける。距離をとったシウバはしっかりと正面をブロックしながらタイミングを計るとその左右の強打を相手に叩き込む。後半、やや疲れの見えるシウバに対し、クリステンセンはラウンドインターバルでも椅子に座ることなく、両者のスタミナには差があるようだ。

至近距離で何度かクリステンセンの連打がガードを固めるシウバを襲うと、シウバは打撃で距離を詰め、首相撲で相手を金網に押し付ける。残り時間3分、離れてオクタゴンの中央に回り込んだ相手を再び首相撲に捉えようと右手を伸ばしたシウバをクリステンセンの左ヒザが突き上げる!崩れ落ちたシウバに即座にパウンドで追い討ちをかけるクリステンセンだが、シウバも相手を引き付けなんとかダメージからの回復を図る。残り時間45秒、パウンドを打とうと不用意に上体を起こしたクリステンセンをシウバがスイープ!即座にマウントを奪うと猛烈なパウンドを振り下ろし、これを嫌がり背中を見せたクリステンセンの背後からまさかのアームバー!これががっちりと決まると、ブラジリアン柔術黒帯のクリステンセンにもタップ以外の選択肢は残されていなかった。

2ラウンド4分43秒、自身初めてとなるサブミッション勝利を記録したルイス・エンリケ・ダ・シウバはこれで12勝0敗。無敗の”フランケンシュタイン”ことシウバは「これまでで最高にタフな相手だった、ハードにトレーニングしてきた甲斐があったぜ。初めてのサブミッション勝利で俺の柔術を見せることができてハッピーだよ」と勝利を振り返った。一方、自身のUFCデビュー戦は黒星発進となったものの、タフな戦いぶりで印象を残したデンマークのジョアキム・クリステンセンは13勝4敗となった。

フェザー級 5分3ラウンド
アクラン・ディアス vs. アンドレ・フィリ


相手の前を横切る様に距離を詰めるフィリが元気よく手数を繰り出している。ディアスは時折テイクダウンをおり混ぜ試合のペースダウンを図るが、鋭い飛び込みを見せるフィリのパンチを被弾しやりにくそうだ。残り時間3分少々、フィリの左フックをまともに被弾したディアスが崩れ落ち、フィリは即座にサイドに回り込んでパウンドを連打するが、ディアスはこれをタックルで切り返しピンチを凌ぎきる。残り時間1分40秒、両者がスタンドでの攻防を再開すると、フィリは距離を取って一息つきたいディアスの正面に陣取りそれを許さない。

伸びのあるジャブを繰り出すフィリにディアスが抜群のタイミングで組みつくと、ボディロック・テイクダウンを成功させる。残り時間3分でフィリをしっかりと寝かせたディアスだったが、フィリは一瞬の隙をついて立ち上がってしまう。フィリの変幻自在なフットワークを嫌がったディアスが遠い間合いから両足タックルに飛び込むと、フィリはこれを内股で投げ捨てトップを奪うと、続くアームバーも振りほどき、猪木アリ・ポジションからローキックを繰り出し続ける。相手を突き放したディアスがパンチで前に出ると、さすがのフィリも運動量が落ち始め、パンチを被弾し下がる姿を見せるが、ディアスがダメ押しのテイクダウンに飛び込むとこれをそり投げで投げ捨て会場を盛り上げた。

頻繁にスイッチを繰り返しながら横の動きを見せるフィリにしつこくテイクダウンを狙い続けたディアスが残り時間3分少々で見事な大内刈りを成功させてトップポジションを奪取。細かくパウンドを落としながら、立ち上がったフィリを小外掛けで倒すとポジションをサイドマウントまで進めて相手をがっちりと抑え込む。試合終了間際に暴れてトップを取り返したフィリが猛烈なヒジを落としたところで一進一退の激闘の終わりを告げるブザーが鳴り響いた。

判定は3者29−28のユナニマス判定でアンドレ・フィリ。「ランキング12位なのか?11位だと思ってたんだが。2週間前のオファーでランキング11位のやつに勝ったぜ。素晴らしいファンのために全力を尽くしたんだ!」と喜びを語り、ファンを喜ばせたアンドレ・フィリはこれで16勝4敗。一方、ランカーの実力を見せつけながらも追い上げが一歩及ばなかったアクラン・ディアスは23勝5敗1分けと戦績を落とした。



ヘビー級 5分3ラウンド
シャミル・アブドゥラヒモフ vs. ウォルト・ハリス


アブドゥラヒモフはオーソドックスで細かくステップを踏み距離を測っている。ハリスの左ミドルをキャッチしてテイクダウンを成功させたが、ハリスはすぐに立ち上がる。相手の突進に膝を合わせ、時折パンチで前に出るハリスは金網際に押し込まれると、離れ際に鋭い膝を突き上げる。何度もパンチで突進し、テイクダウンを狙うアブドゥラヒモフだが、その都度ハリスの細かなパンチで迎撃されやりにくそうだ。

じっくりと相手を見ながら的確な打撃を繰り出すハリス。アブドゥラヒモフがスピニング・バックフィストを狙うとハリスが右のアッパーでこれを迎え撃ち、アブドゥラヒモフがノックダウン!すぐにギロチンを狙って覆いかぶさったハリスだが、これは決めきれない。中盤をすぎると、両者はともに手数が乏しくなり、ハリスがハンドスピードでやや上回っている様子を見せた。

組み付きたいアブドゥラヒモフをハリスの単発ながらも鋭い打撃が突き放す。アブドゥラヒモフはパンチのコンビネーションとともに何度も前に出るが、ハリスはその都度左右へ回り込み、相手の組み付きを許さない。両者がともに決め手を欠くまま、試合終了のブザーを聞いた。

ジャッジの判定は29-28、28-29、29-28のスプリット判定でシャミル・アブドゥラヒモフを勝者として支持。常に前に出ながら先手を取る姿勢と手数を評価された形でシャミル・アブドゥラヒモフが戦績を7勝3敗と伸ばし、ウォルト・ハリスは8勝5敗となった。