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堀口、佐々木が揃ってロッテルダムで完勝!

日本時間5月8日(日)から9日(月)にかけて、オランダ・南ホラント州ロッテルダムにあるアホイ・ロッテルダムで行われたUFCファイトナイト・ロッテルダムにおけるプレリミナリーファイト(前座試合)前半戦の結果は以下の通り。

フライ級 5分3ラウンド 
堀口恭司 vs. ニール・シーリー




昨年4月に絶対王者のデメトリアス・ジョンソンに挑み、5ラウンドに渡る激闘を展開した末、試合終了寸前に腕十字で一本負けを喫した堀口は、昨年9月の日本大会における復帰戦ではチコ・カムスに快勝。その後フロリダのアメリカン・トップチームに練習場所を移して、ボクシングやグラップリングを中心に強化に励んできた。

対するアイルランド出身の36才シーリーは、やはりボクシングを得意とし、UFC3勝2敗の戦績を残している36才のベテランだ。昨年10月にはジョン・デロス・ライエスをギロチンチョークで仕留めている。

1ラウンド。丸坊主で登場した堀口は、軽快なステップで長い間合いを取ったかと思うと、突然距離を詰めてのワンツーをヒット。さらにローを見せた堀口が、フェイントから飛び込んでの左フック一閃! 倒れ込んだシーリーにパウンドを浴びせる。さらに追撃を狙うが、シーリーも足を効かせてブロックし、さらに堀口のバランスを足で崩して立ち上がることに成功。 スタンドに戻ると、距離が詰まったところでシーリーはガードに跳び付き、下から腕十字を狙うが堀口は腕を抜く。やがてシーリーがスクランブルから立ち上がって、試合は再びスタンドに戻った。

右ストレートや左ジャブを当てた堀口は、さらにカウンターのジャブでダウンを奪うと、パウンドで追撃。シーリーはパンチを受けながらも立ち上がる。スタンドでさらにストレートを当てた堀口は、意表をつくテイクダウンに成功。立ち上がってシーリーの足を捌いてパウンドを当てると、スクランブルを狙ったシーリーからサイドポジションを奪ってみせた。 脇を差してニーオンザベリーを狙う堀口に対し、シーリーはディープハーフガードを作ってスイープの仕掛け。堀口がそれを嫌って距離を取り、試合はまたしてもスタンドへ。堀口は変わらぬ軽快なステップで距離を取ると、スイッチしてサウスポーから強烈な左ミドルをヒットしてみせた。

2ラウンドもスピードで圧倒する堀口は、ワンツーから強烈な右ローをヒット。さらに前に出てケージ際にシーリーを追い詰めて両脇を差すと、テイクダウンに成功してみせた。そのままパスに成功した堀口だが、シーリーもスクランブルして立ち上がる。スタンドでワンツーやローを当てる堀口は、またしてもテイクダウンに成功し、上からパウンドを落としていった。

3ラウンド。距離を詰めようとするシーリーの周りを回る堀口は、逆に一気に距離を詰めて金網に押し付けてのテイクダウンに成功。しかしシーリーはすぐに立ち上がる。スタンドに戻ると堀口の強烈な左フックがヒット! 一瞬ぐらついたシーリーだが持ち直す。すると今度は堀口が飛び込んでの右ストレートを当てた堀口は、さらにミドルとローをヒット。シーリーは距離を詰めて組み付くが、堀口はふりほどく。 前に出て来たシーリーに対し。堀口はカウンターのテイクダウンに成功。立ち上がるシーリーだが、堀口は両差しで金網に押し付けて膝をヒット。再び両者離れると、シーリーは被弾しながらも組み付いてテイクダウンに行くが、堀口はそれを浴びせ倒すように上を奪取。有利な体勢で試合を終えた。

判定は3-0 (30-26, 30-27, 30-27)で堀口に。何度もダウンを奪ったパンチ、テイクダウン、グラウンドワークと武器の広がりが伺える勝利だった。マイクを向けられた堀口は「まあ、テイクダウンとか教わっていることを試せたんで。本当はKOを1ラウンド目に取りたかったんですけど、そこはちょっと悔しいなあと。当たり前にデメトリアスのベルトを獲りたいんで、そのためにATT(アメリカン・トップチーム)に行ったんで、がんばります」 と語った。

ウェルター級 5分3ラウンド 
レオン・エドワーズ vs. ドミニク・ウォーターズ




ウォーターズは前回キム・ドンヒョンに敗れてUFC2連敗。対するエドワーズも前回カマル・ウスマンに敗れており、両者とも負けられない戦いだ。

1ラウンド。サウスポーのエドワーズが前に出ると、オーソドックスのウォーターズが回る。やがてウォーターズがテイクダウンに成功するが、エドワーズは立ち上がって逆に大外刈りでテイクダウン。やがて試合がスタンドに戻ると、ウォーターズのタックルにエドワーズが強烈な膝を炸裂。そのままウォーターズをがぶったエドワーズは、やがてバックについてさらにマウントを奪取。そのまま優位なポジションをラウンド終了まで維持してみせた。

2ラウンド。組み付いて差してのテイクダウンに成功したエドワーズは、そのまま金網際でウォーターズを抑え込むが、レフェリーはブレイクを命じる。スタンドでエドワーズは強烈なジャブを突き刺してフラッシュダウンを奪うが、ウォーターズは組み付いて豪快なスープレックスでテイクダウンを奪い返し、上からエドワーズを抑え込んでみせた。

3ラウンド。エドワーズが強烈な左ミドルをヒット。しかしウォーターズも右ストレートからテイクダウンに成功、そのまま抑えるが、エドワーズも足を効かせて立ち上がる。鋭いジャブを当てたエドワーズに対して、ウォーターズは組み付いてのテイクダウンを執拗に狙うが、終盤それをがぶったエドワーズは、上から細かい打撃を当てていった。

両者がスタンド、テイクダウン、グラウンドでそれぞれ持ち味を発揮した熱闘の判定は3-0(三者とも30-27)でエドワーズに。勝者は「素晴らしい気分さ。レスリングをグラップリングをずっと強化して来たんだ。向こうは下からはあまり攻撃を仕掛けて来ないから、背中を付けさせたんだ。これからも一歩一歩階段を登ってゆきたいね」と語った。

フライ級 5分3ラウンド 
佐々木憂流迦 vs. ウィリー・ゲイツ




一昨年から昨年にかけてUFCバンタム級で2連敗を喫してしまった佐々木憂流迦は、今回MMAでは初めてとなるフライ級での戦いに臨んだ。相手のゲイツは強烈なパンチを持つものの、UFCでは1勝2敗。前回はダスティン・オーティスに敗れている。

1ラウンド。佐々木は組み付こうとするが、ゲイツはうまく距離を取る。やがて佐々木はシングルレッグに入り、片足を取ったままケージに詰めてテイクダウンに成功。そのまま抑えようとする佐々木をゲイツは足で突き放そうとするが、その足を掴んだ佐々木は再び抑え込む。やがて再び突き放そうとしたゲイツの足を掴んだ佐々木は、逃げて立ち上がろうとしたゲイツのバックに飛びつく。倒されまいとするゲイツを、なんとかグラウンドに引き込んだ佐々木。しかしゲイツは体を捻って正対すると、立ち上がって脇を差すことに成功した。

やがてゲイツはテイクダウンを狙って来た佐々木を振りほどくと、その立ち際に強烈な右アッパー! ふらついた佐々木にさらに追い打ちをかけるゲイツは、さらに組み付いての強烈な膝を顔面にヒット! 大きなダメージを浴びた佐々木だが、下がってこのラウンドを凌ぎ切った。

2ラウンド。前に出る佐々木は、迎撃に来たゲイツのパンチをかいくぐってシングルレッグからテイクダウン。しかしゲイツは金網を背にして立ち上がる。それでもしつこく組み付いてシングルに入って金網まで詰めた佐々木は、ゲイツの両足を抱えて豪快に叩き付けてのテイクダウンに成功! そのままバックに回った佐々木は、パンチを交えつつ必殺のチョークを狙ってゆく。アゴを引いて守るゲイツだが、佐々木はその上から締め上げて3 分30秒で勝利を奪った。

佐々木は大切なフライ級初戦にて、相手の打撃に苦しみながらも諦めずにテイクダウンを狙い続け、ついに必殺技で仕留めるという価値ある勝利。

インタビューでは 「MMAファン、ありがとう。二回負けて、勝てない時期があって辛い思いをしたんですけど、ファンの皆さんの声援があったから今回この場に立てて、勝つことができました。そして、日本には今震災で大変な人がたくさんいます。なので、ファイトパスのこの映像を通して元気を送れたらなと思います。そしてマイティ・マウス(フライ級王者のデメトリアス・ジョンソン)に、(トムとジェリーの)ジェリーが来たぞ、楽しい追いかけっこをしようと伝えたいです」と喜びの声を語った。