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グラッソに大器の片鱗、ラマス、サンチェスも貴重な勝利を記録

日本時間2016年11月6日(日)にメキシコ、メキシコシティのアレナ・シウダ・デ・メヒコで開催されたUFCファイトナイト・メキシコシティのメインカードの試合レポート。



ライト級 5分3ラウンド
ディエゴ・サンチェス vs. マルチン・ヘルド


日本時間2016年11月6日(日)にメキシコ、メキシコシティのアレナ・シウダ・デ・メヒコで開催されたUFCファイトナイト・メキシコシティのセミメインイベントではライト級の人気ファイターであり、TUF(ジ・アルティメット・ファイター)シーズン1優勝の真のベテラン、ディエゴ・サンチェスが登場。ポーランドの新鋭マルチン・ヘルドと対戦した。
序盤の打撃戦ではヘルドに試合の主導権を握られたかに見えたサンチェスだったが、高地でのコンディショニングと豊富な経験を駆使した試合運びで1ラウンド終盤から試合の主導権を奪い返すと、続く第2ラウンド、第3ラウンドともに巧みにトップポジションをキープし続け文句なしのユナニマス判定勝利を記録した。

独特の低いスタンスで構えたサウスポーのサンチェス がヘルドの周囲をジリジリと回る。リーチのある左ジャブ、ストレートでサンチェスの突進を封じながらヘルドは時折テイクダウンのそぶりも見せるが、こだわりは見せずに距離をとると中間距離での打撃戦を再開する。残り時間1分、ワンツーで前に出たサンチェスが両足タックルに飛び込むと、金網際でこれを受け止めたヘルドがサンチェスの首をギロチンに抱えて釣り上げる! 空中で金網をけって暴れてこれを脱出したサンチェスが、右フックのクリーンヒットを皮切りに一気に打撃で前に出ようとしたところで第1ラウンドが終了した。

コンパクトなダブル・ジャブで距離を詰めたヘルドが意表をつくイマナリ・ロールでサンチェスの右足をヒールホールドで脅かす! 膝を開いてプレッシャーを逃しこれを脱出したサンチェスは、ヘルドが再び前転から足関節を狙ってくると、丁寧にこれも潰して残り時間3分でしっかりとトップポジションを奪取する。積極的に下のポジションからサブミッションを狙うヘルドに対し、サンチェスはぴったりと相手に密着しながら時折重たいヒジを相手のボディに落として相手を削りにかかる。残り時間1分20秒、巧みなヘッドポジションでヘルドの立ち上がりを潰しながらポジションをハーフまで進めたサンチェスだったが、ここでは目立ったダメージを奪えずラウンドを終えた。

最終ラウンドが始まると、ヘルドには消耗の色が色濃くうかがえる。ヘルドが低い両足タックルに飛び込むがサンチェスは難なくこれを潰してトップを奪うと、ヘルドの下からのサブミッションを丁寧に潰しながら、残り時間2分30秒にコツコツとパウンド、ヒジを落とし始める。ヘルドも最後まで下のポジションから素晴らしいサブミッションの仕掛けの数々を見せたが、経験豊富なサンチェスはそれらを潰しながらトップをキープし続けこのラウンドを支配した。

なお、ジャッジの判定は29-28、29-28、そして29-27。この一戦でサンチェスは29勝9敗、ヘルドは22勝5敗となった。



フェザー級 5分3ラウンド
リカルド・ラマス vs. チャールズ・オリベイラ


リーチのあるジャブで距離を詰めたオリベイラが首相撲から四つに持ち込みテイクダウンを狙うがラマスはこれをマットに投げ捨てる。しかしオリベイラは下からデラヒーバフックとバタフライフックを利かせて相手の腰を持ち上げると、相手の横に回り込むように立ち上がり、瞬く間にラマスのバックを奪う。腰を引いて向き直ろうとしたラマスをガブると得意のアナコンダ・チョークを織り交ぜトップポジションを奪ったオリベイラは残り時間50秒で再びラマスをバックからガッチリとコントロール。4の字ロックを食い込ませながら、オリベイラは強烈なヒジを落としつつ、何度もラマスの首を脅かすが、ラマスは1ラウンド終了のブザーまでこのピンチをしのぎ切った。

オリベイラの両足タックルで尻餅をつかされたラマスだったが、相手のギロチン狙いにカウンターのギロチンを合わせて巧みにトップポジションを奪い返す。即座にサイドポジションを奪ったラマスはトップポジションをキープするかと思われたが、反転したオリベイラをギロチンで引き込み搾り上げる!しばらくこのギロチンをこらえていたオリベイラだったが、後頭部に胸をつけられ首を曲げられるとたまらずタップ!時間は2ラウンド2分13秒だった。

本戦の実現までに対戦相手の変更、そして相手の9ポンドの体重超過など様々なトラブルに見舞われたリカルド・ラマスは試合後に「この勝利を癌と戦っている母さんに、そして先日亡くなってしまったトレーニング・パートナーのジョシュに捧げたい」とこの一戦で見せた不屈の闘志の源を明かした。
なお、この一戦でフェザー級4位のリカルド・ラマスは17勝5敗、同級8位のチャールズ・オリベイラは21勝7敗1ノーコンテストとなった。



ライト級 5分3ラウンド
マルティン・ブラボー vs. クラウディオ・プエレス


フェザー級への転向を予定しているというブラボーが無造作に距離を詰めると思い切りの良い打撃でプエレスに襲いかかる。サウスポーのプエレスは無理をせずに相手をよく見ながら横に回り込み、圧力を受け流している。残り時間2分30秒、プエレスが抜群のタイミングで片足タックルに飛び込むがブラボーは素晴らしいバランスでこれをこらえ、テイクダウンを許さない。プエレスはすぐに再び片足タックルに飛び込み、これを成功させたかに見えたものの、ブラボーはすぐに立ち上がると左右のパンチを振るいながら躊躇なく前に出続ける。

真正面に陣取り豊富に手数を出してくるブラボーに、プエレスはなかなか攻撃のタイミングが見いだせずにやりにくそうだ。再び片足タックルを潰されたプエレスが一旦距離をとろうと数歩下がると、ブラボーはこれまで通り一瞬の躊躇なく距離を詰めると金網際で左右を連打!左のボディ打ちからジャブ、ワンツー、そして再び左ボディをめり込ませると、プエレスが体をくの字に折り曲げうずくまる!すぐにパウンドで追撃するブラボーに、動きが止まり反撃できないプエレスを確認したレフリーのキース・ピーターソンがTKOによる試合の終了を宣告。時間は2ラウンド1分55秒だった。

素晴らしいTKO勝利でTUFラテンアメリカ・シーズン3のライト級を制したチーム・グリフィンの23歳、マルティン・ブラボーは12勝0敗。一方、チーム・リデルを代表して戦った、20歳のペルー人ファイター、クラウディオ・プエレスは8勝2敗となった。



ライト級 5分3ラウンド
ベニール・ダリウシュ vs. ラシッド・マゴメドフ


サウスポーに構えたダリウシュがミドル、ハイと伸びのある数発のキックで距離を測ると、一気に距離を詰めてテイクダウンを狙う。しきりに大内刈りを狙ってくるダリウシュに対し、マゴメドフは足を引いてこれを透かすとひねるようにカウンターのテイクダウンを成功させる。すぐに暴れて立ち上がったダリウシュは再び丁寧にジャブを突きながらじりじりと前に出る。残り時間1分、ダリウシュのミドルが物凄い音を立ててマゴメドフの脇腹に減り込むと、マゴメドフは一気に距離を詰めパンチを連打!これを首相撲で引き付けしのごうとするダリウシュを小内刈りでテイクダウンするとトップを奪いラウンドを終えた。

第2ラウンドが始まると、やはりダリウシュがジリジリと前に出る。ダリウシュが時折ジャブから一気に距離を詰めるがマゴメドフはその都度うまく横に回り込み、なかなか組み付きを許さない。ラウンド中盤、ようやくダリウシュがマゴメドフに組み付き、金網に相手を押し付けると、マゴメドフは特にこれを振りほどくそぶりは見せずに、小さなスペースから細かな打撃を狙っている。残り時間1分、突如体を入れ替えたマゴメドフが一度は距離を取るが、再び両者が組み合ったところで第2ラウンドも終了した。

両者はオクタゴンの中央で強烈なミドルを無数に交換したのち、首相撲の攻防にもつれ込むがともに決定打は繰り出せない。残り時間2分、レフリーのハーブ・ディーンが両者にブレイクを命じるが、両者はすぐに再び首相撲の攻防にもつれ込む。残り時間15秒、相手をふりほどいたマゴメドフがコンビネーションで前に出るが、ダリウシュがそれを再び首相撲に捉えたところで試合終了を告げるブーザがなった。

ジャッジの判定は30-27、30-27、そして29-28でダリウシュ。戦績を14勝2敗と伸ばしたライト級9位のベニール・ダリウシュは試合後に「山でトレーニング・キャンプを張ってとんでもなくハードにトレーニングをして準備を積んできた。だけど1ラウンドが終わったら体が重たいのを感じたんだ。メキシコシティの皆、君らはとんでもないね!こんなキツイところに住んでるんだから!」と高地での試合の難しを表現した。なお、この一戦で敗北したダゲスタンのラシッド・マゴメドフの連勝は12でストップ。その戦績は19勝2敗となっている。



女子ストロー級 5分3ラウンド
アレクサ・グラッソ vs. ヘザー・ジョー・クラーク


ともにオーソドックスの両者。コンパクトに構えたクラークが時折パンチを連打しながら突進するが、グラッソはガードをしっかり固めてうまく距離をとる。残り時間2分18秒、クラークの両足タックルをガブって潰したグラッソが、相手の立ち上がり際にハイキックを合わせて会場から大歓声を引き出すと一気に距離を詰め、左右のパンチ、ボディへのヒザを連打してクラークを金網際で棒立ちにさせる。無数の打撃を被弾したクラークはなんとか相手に組みついてピンチをしのぐが、ラウンド終了後にコーナーへ戻るその顔面には無数のカットが刻まれ、鼻骨も骨折しているようだ。

これ以上のダメージを避けるべく、丁寧に足を使ってチャンスをうかがっていたクラークが、グラッソの蹴り足をつかんでテイクダウンを狙う。グラッソは金網まで下がると体を入れ替え、逆に両足タックルを狙いながらクラークを金網に押し付ける。残り時間90秒で相手を突き放したクラークが再びグラッソを金網に押し付けると意表をつくそり投げでテイクダウンを成功させる! しかし難なく下のポジションから脱出したグラッソがポイントを挽回しようと前に出たところで第2ラウンドが終了した。

最終ラウンド開始早々にすぐに相手に組みついたクラークは再びそり投げを狙うが、グラッソは難なくこれを潰すとスタンドでの攻防を要求する。クラークはワンツーからの組み付きを狙い何度も前に出るが、グラッソはしっかり相手を見ながらクラークを寄せ付けないまま試合は終了を迎えた。

30-27、30-27、そして29-28と圧倒的なユナニマス判定でそのUFCデビュー戦で無敗記録を更新した地元メキシコのヒロイン、アレクサ・グラッソ。試合後のインタビューでも周囲の期待がプレッシャーになったか?と問われても「全くそんなことはなかったわ。この大切な試合をメキシコで戦えたというのは人生で最高の出来事よ」と語りその大器の片鱗を見せつけた。この勝利でグラッソは9勝0敗。序盤の窮地をしのぎ、最後まで気力みなぎる戦いぶりを見せたヘザー・ジョー・クラークだったが、その戦績は7勝6敗となった。