日本時間8月21日(日)、アメリカ・ネバダ州ラスベガスのT-Mobileアリーナで行われたUFC 202のメインイベント、ネイト・ディアス vs. コナー・マクレガーの試合レポート。
メインイベント
ウェルター級 5分5ラウンド
ネイト・ディアス vs. コナー・マクレガー

世界を震撼させた今年3月、UFC 196のメインイベントの再戦。二階級上のウェルター級での試合に挑んだフェザー級王者マクレガーは、序盤は得意の左を当てて優位に進めるも2ラウンドに失速し、悪童ディアスのパンチを浴びた末にチョークで一本負けを喫してしまう。
今回、急遽対戦が決まった前回と異なり、お互いが十分な準備期間を経た上で注目のリマッチが実現した。
1ラウンド、いつものようにサウスポーの両者。マクレガーは踏み込んでの強烈な左ローでディアスの前足を狙う。これは前回の対戦では見られなかった戦法だ。最初の数発はカットせずに受けたディアスだが、やがてローをカット。そのうちマクレガーの踏み込んでの左ストレートがヒット。さらにローからもう一発左を打ち込むとディアスがダウン! しかしマクレガーは追い打ちをかけず、ディアスは立ち上がる。
さらにローを当てるマクレガーは、ワンツーを返すディアスに左ストレートのカウンター。マクレガーは、ディアスのジャブをヘッドムーブメントでかわしながらプレッシャーをかけ、左ストレートとローを打ち込んでゆく。終盤前に出てきたディアスの攻撃を距離を取ってかわしたマクレガーは、リラックスした構えからさらに上下の左を当てていった。
2ラウンド。セコンドから「これが二人の技術の違いだ。あと4ラウンドも同じ展開で行こう!」と言われて出て行ったマクレガーは、またしても強烈な左をヒットしてディアスがダウン! ディアスが立ち上がると、またジャブで距離を詰めてからの左で再びダウンを奪う。
深追いせずにディアスを立たせたマクレガーは、さらにジャブとロー。ダメージを受けながらも闘志は衰えないディアスもジャブで前に出る。それにカウンターのローを当てるマクレガー。後半、前に出続けるディアスに対して、急速に動きの落ちたマクレガーが下がる場面が増えてくる。やがて前に出たディアスの左がヒット! あわや前回の逆転劇の再現かという雰囲気のなか、ディアスはマクレガーをコーナーに詰めると膝とパンチの連打。一方的に打ち込まれかけたマクレガーだが、身体を振ってこのラッシュを凌いでみせた。
3ラウンド。前に出るディアスに対して、息の上がったマクレガーは下がりながらのジャブで応戦。さらに前に出るディアスは、マクレガーに組み付くとケージ際に押し付け、細かい打撃を当ててゆく。やがて離れるとマクレガーは強烈なワンツーを放ち、まだスタミナがあることを見せる。さらに前に出るディアスに対してマクレガーはバックスピンキック。そこでディアスは距離を詰めることに成功。組み付いては細かい打撃を当てる。
振りほどいたマクレガーが下がって距離を取ると、ディアスは逃げるなとアピール。前に出るディアスに対して、なんとかスタミナを温存したいマクレガーは下がりながらの軽いパンチで迎撃。しかしディアスはかまわず前に出てコーナーに詰めると、左右フックの速射砲! 一時期は棒立ちになりかけたマクレガーだが、ここも身体を振り続けてラウンド終了まで持ち込んだ。
4ラウンド、マクレガーは距離を取ってのジャブからロー。ディアスはガードを固めながらゆっくり距離を詰めてゆくが、前ラウンド終盤のラッシュでスタミナを失ったか、強烈なプレッシャーはかけられない。逆にマクレガーは、ここに来てやや体力を回復させたよう。前蹴りを放つマクレガーに対し、組み付いたディアスは足を取ってのテイクダウンを狙うが、マクレガーはディフェンス。
両者ダメージも疲労度も深く、総力戦の様相を呈してきたこの試合。コーナー際でクリンチの攻防から肘を打ち合う二人。離れると両者は死力を振り絞るように、中間距離でのパンチを振り回す。ディアスの左がヒットするが、前ラウンドに比べて動きの戻って来たマクレガーは、頭を振ってディアスのジャブをかわしての左、右をヒット、劣勢を盛り返してみせた。
5ラウンド。ローを放ったマクレガーは、距離を取ってのワンツーを放つ。前に出たディアスが組み付くが、マクレガーは差し返して離れることに成功。ディアスは顔面を血に染めたまま前に出て組み付くと、体勢を低くしてダブルレッグに入るが、マクレガーは腰の強さを発揮して倒れない。
再び離れると、距離を取るマクレガー。残り2分、前に出てマクレガーをケージ際に詰めたディアスは、細かいパンチの連打から再びテイクダウンを狙うが、マクレガーは金網を背にディフェンス。ディアスはさらに頭をマクレガーのアゴに付けておしてゆくが、マクレガーは体勢を入れ替えることに成功。
一瞬足をかけてディアスに尻餅を付かせることに成功したマクレガーだが、ディアスはすぐに立ち上がる。残り10秒、ディアスが投げでついにテイクダウンに成功。マクレガーのガードの上からパウンドを打ち込むなかで試合は終了。ディアスがマクレガーの手を取って起こすと、マクレガーも笑顔でディアスを称えてみせた。
攻守が何度も入れ替わり、死力を尽くした熱闘の判定は2-0(48-47、47-47、48-47)でマクレガーに。前回見せなかったローを有効に利用して序盤を圧倒的に支配し、また中盤からのディアスの反撃を受けても、前回と違いスタミナを温存し続け、ほとんどグラウンドに持ち込ませなかったことが勝利につながった。
見事にリベンジを果たした勝者マクレガーは、「驚いたか! キングが帰って来たぞ! ローは作戦だけど、ディアスはこちらの予想以上にうまく受けて、ダメージを見せなかった。最初の3ラウンドが終わった後で階級差を感じたよ。これだけ激しい戦いで勝てて幸運だった。ディアスは凄いファイターだ。ベストの自分を引き出してくれた。何度かダウンさせた後、ちょっとKOを狙って力んでしまったけど、そこで再びリラックスしたんだ。前回の戦いから学んだんだよ。これで1勝1敗だ。ぜひ決着戦をやろう。これまでこちらが階級を上げたのだから、次は155パウンド(ライト級)でやろうじゃないか!」とコメント。
惜しくも敗れたディアスは「勝ったと思ったんだけど、連中はオレみたいなマザー◯ァッカーに勝たせるわけにはいかなかったんだろうな! オレはこのスポーツにとってはリアルすぎる存在だからな! まあいいさ。言い訳はしないが、今回はケガで十分な練習ができなかったんだ。ヤツはオレをフィニッシュして然るべきだったのにな! オレはあいつに再戦を与えたんだから、今度は3戦目をやろうぜ! ちくしょう! コナー、今日はよくやったな! でもオレらには3度目の戦いが待ってるぜ!」と、こちらもらしさ全開のコメントを残した。