日本時間2016年7月9日(土)にアメリカ、ネバダ州ラスベガスにあるMGMグランド・ガーデン・アリーナで開催されたジ・アルティメット・ファイター(TUF)23シーズンフィナーレのプレリミナリーファイト後半戦の試合レポート

日本時間2016年7月9日(土)にアメリカ、ネバダ州ラスベガスにあるMGMグランド・ガーデン・アリーナで開催されたジ・アルティメット・ファイター(TUF)23シーズンフィナーレ大会のプレリミナリーファイト・メインイベントにはかつてUFCライト級タイトルマッチでフランキー・エドガーと演じた死闘でファンの記憶に残る、グレイ・メイナードが登場。ブラジルの名門、ノヴァ・ウニアォンの新星、フェルナンド・ブルーノとフライ級契約で対戦し、30-27のユナニマス判定で勝利。実に4年ぶりとなる待望の勝利を記録した。
ガードを上げ腰を落としたメイナードがジリジリと前に出ると、ブルーノは飛び込み猛烈な勢いで左右を連打! メイナードはガードを上げてこれをこらえていたが、ブルーノの回転が止まらないと判断すると果敢にもこの乱打戦に応じ、場内は一気にヒートアップ!金網ぎわでメイナードの左がブルーノの後頭部を捉える。ブルーノが前方にバランスを崩すとメイナードは即座に組み付きトップポジションを狙うがブルーノは強引な投げを打ってメイナードを投げ捨てる。スタンドでは激しい乱打戦、そして組み合えば即座に強烈な投げを打ち合う両者に会場からは大声援が送られる。残り時間40秒、金網までメイナードを押し込んだブルーノがテイクダウンに成功し、一気にその背後を脅かすが、メイナードは相手の右手首をしっかりとコントロールしこのピンチをしのぎ、ラウンド終了のブザーを聞いた。
ジリジリと前に出るメイナードは攻防のペースダウンを図りたいところだが、距離が近くなるとブルーノは猛烈な左右のパンチを振り回しメイナードを脅かす。1分少々が経過したところでブルーノが片足タックルに飛び込むと、メイナードが引き込むようなそぶりから相手の腕をたぐってトップポジションを奪取する。その後、ギロチン狙いからブルーノにスタンドを許したメイナードだが、丁寧にポジションを変えながらブルーノを完全にコントロール。ラウンド終了のブザーがなってもガス欠を起こしたブルーノはしばらくの間立ち上がることもままならなかった。
左右のパンチとともに突進したブルーノがテイクダウンに飛び込むが、メイナードはこれを振りほどくと相手を突き放し、たやすくトップポジションを奪取する。必死に立ち上がるブルーノに対し、メイナードはしつこくその背後に食い下がる。残り時間2分、片足にしがみつくメイナードの首をブルーノがギロチンに捉えると、会場が大きくどよめくが、メイナードはしっかりと首を防御してから引き抜いた。最後の力を振り絞り、左右の連打を繰り出したブルーノがスリップし、メイナードがトップポジションを奪取する中、タフなフライ級の一戦の終わりを告げるブザーが鳴り響いた。
その連敗を4で止め、待望の勝利街道復帰を果たしたかつてのライト級タイトルコンテンダー、グレイ・メイナードはこの一戦で13勝6敗1分け1ノーコンテスト。一方、やはりフライ級デビュー戦を戦ったフェルナンド・ブルーノだったが、その戦績は16勝4敗となった。
フライ級 5分3ラウンド
ジョン・モラガ vs. マテウス・ニコラウ

背中を丸めてジリジリと前に出るニコラウに対し、モラガは大きく相手の周囲を回りながら鋭いジャブ、右のカーフ・キックで攻略の糸口を探る。モラガの飛び込みから右の強打につなげようと試みると、ニコラウは鋭い反応を見せ左右の強打でモラガを押し戻す。ラウンドが後半に入るとモラガはやや攻めあぐねているのか、時折スタンスを左右に切り替える。
第2ラウンドに入ってもニコラウがオクタゴンの中央に陣取っていたが、中盤を過ぎる頃から手数と仕掛けの数に勝るモラガがジリジリと前に出始める。モラガが再びカーフ・キックでニコラウの足を飛ばすが、追い打ちをかけようと距離を詰めるとニコラウは至近距離でのパンチの回転にまさり、モラガを押し戻す。
豊富なヘッドムーブで飛び込む機会をうかがう両者だが、互いに相手の動きに鋭く反応するためになかなか手数につながらない。観客席からは時折不満げなブーイングが湧き上がる。残り時間1分を切ったところで両者の距離が詰まるとモラガがタックルのそぶりを見せる。ニコラウがこれをたやすく潰して立ち上がろうとするモラガのバックを奪いかけたところで最終ラウンドが終了した。
ジャッジはこの一戦を29-28、29-28、28-29のスプリット判定でニコラウを勝者として支持。フライ級に階級を落としたブラジルの23歳、マテウス・ニコラウが同級6位の強豪を退け12勝2敗1分けとその戦績を伸ばし、かつてのタイトルコンテンダーにしてアリゾナのエリート・レスラー、ジョン・モラガは14ヶ月ぶりの一戦を白星で飾れず16勝5敗となった。
ライトヘビー級 5分3ラウンド
コリー・ヘンドリック vs. ジョシュ・スタンスベリー

ヘンドリックスは開始早々から頻繁にスタンスをスイッチし、豊富にキックとパンチを繰り出しスタンスベリーを突き放す。スタンスベリーは序盤に一度テイクダウンのそぶりを見せたが、それが振りほどかれるとしっかりと顎を引いてヘンドリックスとの乱打戦に応じ、時折重たいパンチで相手を捉え会場をどよめかせる。残り時間1分、ヘンドリックスの左ハイキックが乾いた音を立ててスタンスベリーの頭部に吸い込まれるが、スタンスベリーは相手に組み付きダメージからの回復を図る。これをヘンドリックスが突き放したところで第1ラウンドが終了した。
第2ラウンド、スタンスベリーがヘンドリックスの右をかわして、左のパンチを当てるシーンが増え始めると、ヘンドリックスがこの試合で初めて自らテイクダウンに飛び込むが、スタンスベリーがこれを潰してトップを奪取。ヘンドリックスはさしたるダメージを受けることなくレフリーのブレイクを呼び込むことに成功したが、立ち上がるその足取りは重い。それでもヘンドリックスは豊富に手数を繰り出し、先ほどの劣勢なポジションでのポイントの挽回を図る。
ファースト・コンタクトで四つの攻防に両者がもつれ込むと、ヘンドリックスが強引な投げを打ち、スタンスベリーがこれを潰してサイドマウントを奪取。がっちりとヘンドリックスを抑え込む。コツコツと細かいパウンドを落としながらアメリカーナを狙うスタンスベリーに対し、ヘンドリックスは暴れ続けてなんとかこのポジションからの脱出を狙うが、スタンスベリーは相手の動きに丁寧に対応し続け最後までそのチャンスを与えなかった。
ジャッジはこの一戦を29-27、29−27、28−28のマジョリティ判定でスタンスベリーの勝利と評価。この勝利でオハイオのジョシュ・スタンスベリーは8勝3敗と戦績を伸ばし、地元ネバダのコリー・ヘンドリックスは3勝1敗と、プロ初敗北を味わった。
ミドル級 5分3ラウンド
セザール・フェレイラ vs. アンソニー・スミス

オーソドックスのスミスがジャブを繰り出しながら前に出ると、サウスポーのフェレイラは大きく左に下がりならミドル、そして左ストレートでスミスを押し戻す。90秒ほど経過したところでスミスの膝蹴りに合わせてフェレイラがテイクダウンを成功させたがスミスはフェレイラをがっちりとひきつけレフリーのブレイクを呼び込むことに成功。スミスが打撃の圧力を強め、強烈な右ストレートを叩き込むとフェレイラは即座にテイクダウンで応戦し、これを成功させる。フェレイラが頭を引き付けられながらも細かな肘を落とす中、第1ラウンドが終了した。
2ラウンドに入るとフェレイラは1ラウンドとは打って変わり、豊富なキックを繰り出しスミスを押し戻すと、1分過ぎには両足タックルを成功させる。スミスはフェレイラを引き付け、ハーフガードからのスイープでスペースを作ると、このポジションからノーダメージで脱出することに成功し攻防をスタンドに戻す。スミスがワンツー、そしてスピニング・バックキックを命中させ、打撃での攻防ではわずかに優勢を印象付けるがフェレイラはテイクダウンを成功させる。これを再びがっちりとひきつけ、レフリーのブレイクを呼び込んだスミスがスタンドでの攻防を首相撲に持ち込むと、数発の強烈なヒジでフェレイラの頭部を切り裂いた。
スミスの右にドンピシャのタイミングでフェレイラの両足タックルが炸裂。スミスは再びフェレイラを引き付けようと試みるがブレイクを呼び込むまでにかなりの数のヒジ打ちを頭部にもらってしまう。ラウンド中盤にスタンドでの再会を命じられた両者だが、フェレイラは間髪入れず両足タックルに飛び込みこれを成功。スミスがフェレイラをギロチンに捉え会場からどよめきが起こるがこの選択は裏目に出てしまい、時間をかけてギロチンから脱出したフェレイラがポジションをサイドマウントまで進める中、最終ラウンドが終了した。
判定は度重なるテイクダウンを成功させた29−28のユナニマス判定でフェレイラが勝利。TUFブラジル、シーズン1優勝ファイター、ブラジルのセザール・フェレイラはこれで11勝5敗、ネブラスカのアンソニー・スミスは25勝12敗となった。