日本時間2016年8月21日(日)に米国ラスベガスのT-Mobileアリーナで開催されたUFC 202のメインカードの試合レポート。

ライトヘビー級 5分3ラウンド
アンソニー・ジョンソン vs. グローバー・テイシェイラ
日本時間2016年8月21日(日)に米国ラスベガスのT-Mobileアリーナで開催されたUFC 202のセミ・メインイベントではライトヘビー級1位のアンソニー・ジョンソンと同級2位のグローバー・テイシェイラが対戦。KO必死の豪腕対決はわずか13秒でアンソニー・ジョンソンによるKO決着という、ファンの予想を上回る衝撃的な展開を見せた。
試合後にジョンソンは「トラッシュトークなんて必要ないんだ。出てきてヤるだけだ。ダニエル、いるんだろ。お前はとんでもないアスリートで真の王者だ。本当に尊敬しているぜ! だけどオレはお前からベルトを奪ってやる!」と場内で試合を観戦していたライトヘビー級王者ダニエル・コーミエに呼びかけた。
しっかりとガードをあげ、細かく頭を左右を振りながらワンツーを繰り出すテイシェイラの顔面を試合開始早々ジョンソンの右アッパーがうち抜く!真後ろに倒れ落ちるテイシェイラの全身はすでに硬直して棒のようになっている!右のハンマー・フィストとともに踊りかかる両者の間に、レフリーのダン・マグリオータが飛び込みテイシェイラを救いだす。1秒ほどで意識を取り戻したテイシェイラは訳も分からずマグリオータにタックルを仕掛けるが時すでに遅し。1ラウンド13秒でKOによる試合の終了が宣告された後だった。
この一戦でジョージア出身、フロリダ在住のアンソニー・ジョンソンは22勝5敗、ブラジルのグローバー・テイシェイラは25勝5敗となった。
ウェルター級 5分3ラウンド
リック・ストーリー vs. ドナルド・セラーニ

テイクダウンを仕掛けたいストーリーがサウスポーからゆったりとパンチを振るって前に出ると、一旦は回り込みながら距離を取っていたセラーニが意表をつく飛び込みからテイクダウンを成功させる。ハーフガードのポジションから不用意に前に出たセラーニの左足をすくったストーリーは攻防をスクランブルに持ち込むと立ち上がり、片足タックルでトップポジションを奪い返す。相手をガードに捉えたセラーニはオモプラータ、トライアングル・チョーク、そしてアームバーと下からのサブミッションで立て続けにストーリーを攻め立てるがストーリはこれらを潰してパスガードを成功させる。このピンチを亀のポジションで丁寧にしのいだセラーニは攻防をスタンドに戻すとその後の1分間で何度かコンビネーションでストーリを退がらせ、その打撃の鋭さを際立たせた。
ストーリーの飛び込みをヒザで突き上げ、さらに左右のコンビネーションで追い討ちをかけるセラーニ。ストーリーは足が止まり始める。鋭い前蹴りをめり込ませたセラーニは、相手の動きが止まった一瞬を見逃さず、ジャブ、ボディ、そしてハイキックと流れるようなコンビネーションを叩き込む!タフで知られるストーリーが頭を抱えてうずくまるとレフリーのハーブ・ディーンが試合の終了を宣告。時間は2ラウンド2分2秒だった。
ウェルター級転向後は3勝無敗。それもすべてフィニッシュ勝利と波に乗るプロ通算戦績31勝7敗1ノーコンテストのドナルド・セラーニは試合後に「155でエディ・アルバレスとやるってのはどうだ?体重ならちゃんと落とすさ、ご心配無用!」とライト級王者のアルバレスに宣戦を布告。2013年以来11勝1敗、その1敗も元ライト級王者のハファエル・ドス・アンジョスに喫したものということを考えれば、セラーニには十分にその資格があるかもしれない。一方、この一戦まで3連勝を記録しウェルター級ランキングでは9位につけていたリック・ストーリーだったが、その戦績は19勝9敗となった。
ウェルター級 5分3ラウンド
イム・ヒョンギュ vs. マイク・ペリー
大柄なヒョンギュがどっしりと構えオクタゴンの中央に陣取る。ペリーは果敢に飛び込みながらのパンチを振るうが、6インチのリーチ差はやりにくそうだ。残り時間3分、不用意に距離を詰めたヒョンギュの顔面をペリーの右が捉え、ヒョンギュが崩れ落ちる!すぐにクルスフィックスまでポジションを進めたペリーが無数のパウンドを振り下ろすがヒョンギュは暴れて立ち上がる。覚悟を決めた表情でポイントを挽回するべく即座に打撃で猛攻を仕掛けたヒョンギュだったが、踏み込みながらのアッパーに、やはり右を合わされるとマットに崩れ落ちる!フィニッシュを嗅ぎ取ったペリーがヒョンギュに襲いかかるが、ヒョンギュはここでも相手を突き放して立ち上がる。自身の回復もまたずにヒョンギュは距離を詰めると猛烈な左膝を突き上げるが、これをペリーは体を横にずらしながら左フックで迎え撃つ!この一撃を側頭部に被弾し、腹ばいにキャンバスに崩れ落ちるヒョンギュを見たレフリーのジョン・マッカーシが両者の間に飛び込み、1ラウンド3分38秒、KOによる試合の終了を宣告した。
UFCデビュー戦で素晴らしいKO劇を披露したフロリダのマイク・ペリーはこれで8戦無敗と戦績を伸ばした。一方、常に積極的な試合運びでファンを魅了する韓国のイム・ヒョンギュだったが、今回ばかりはその積極性が勝利にはつながらず、戦績を13勝6敗1分と落とす結果となった。
ウェルター級 5分3ラウンド
ティム・ミーンズ vs. サバ・ホマシ 
リーチに勝るサウスポーのミーンズがオクタゴンの中央からじりじりとプレッシャーをかける。時折飛び込みながらのパンチを見せていたホマシは、首相撲の攻防でバランスを崩したミーンズの片足を拾ってテイクダウンを成功させるがミーンズはすぐに立ち上がる。ミーンズの的確なストレートに金網を背にしてやりにくそうな表情を見せていたホマシが素晴らしいドライブを見せ、再びテイクダウンを成功させるがミーンズは一度は尻餅をつきながらも、相手のタックルを潰しつつ肘打ちを織り交ぜ立ち上がる。ミーンズはペースを変えずに距離を詰めると、ジャブ、ストレート、そして距離を詰めると鋭いヒジとヒザでホマシを攻め立て金網際に釘付けに。ホマシも必死に強打をふるってミーンズを押し戻そうと試みるが、額からはおびただしい出血がほとばしり、その表情は苦しげだ。
フロントキック、そしてサイドキックから追い討ちのワンツーがホマシを襲う。残り時間3分30秒、ミーンズの左ミドルがホマシの体をくの字に曲げる。鋭いジャブ、ミドル、そしてガードを貫くミーンズのストレートにホマシは成す術がない。第2ラウンド2分56秒 、金網にもたれかかったホマシの動きが完全に止まったのを確認したレフリーのハーブ・ディーンが両者の間に割って入り、TKOによる試合の終了を宣告した。
久々の試合で素晴らしいパフォーマンスを見せたティム・ミーンズはこの勝利で26勝7敗1分、一方苦しいUFCデビュー戦を戦ったフロリダのサバ・ホマシは11勝6敗となった。