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ミオシッチの波乱の一週間

 



日本時間7日(日)にラスベガスで行われた大会で、いったんはヘビー級タイトルを勝ち取るチャンスを得たはずのスティペ・ミオシッチにとって、大会前の1週間はジェットコースターのような時間だったという。

MGMグランドで開かれた記者会見では「ロン・バーガンディ(映画“Anchorman(アンカーマン/邦題:俺たちニュースキャスター”主人公)に言わせれば、“ガラスのように繊細な気持ち”だったよ」と冗談ながらに語ったミオシッチ。

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ファブリシオ・ヴェウドゥムと対戦予定だったケイン・ヴェラスケスが負傷欠場することが決まり、その代役として、ミオシッチの名前が挙がったものの、その直後にヴェウドゥムまで欠場を発表するという、ミオシッチには残念な結末を迎えた。

ヴェラスケスが欠場していなければ、ケガが悪化するリスクを背負ってでもオクタゴンに上がっていたと語ったヴェウドゥムに対しては多くの人が疑問の眼差しを向けた。ミオシッチも「言い方ってものがある。オレだったら、戦うって言った以上、相手が誰であろうと戦う」とチャンピオンを批判している。

「オレも人のことは言えないけどね。10月にベン・ロズウェルと戦うはずだったのに背中のケガが、自力で歩けない状態まで悪化して、MRIの結果を見ても、戦える状態じゃなかったんだ。相手には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだったよ。ただ今回のヴェウドゥムは言い方が悪かったと思う」

去年、ヘビー級のエリートとして名乗りをあげたミオシッチは2014年のジュニオール・ドス・サントス戦での惜しい判定負けを機に、マーク・ハント、アンドレイ・アルロフスキーといった強豪相手に連勝を収め、着実に実力を証明してきた。マーク・ハント戦は第5ラウンドまでもつれ込む接戦となり、最終ラウンドではヘビー級史上最も多い急所攻撃数を記録し、自身のレスリング能力も駆使して勝利を収めている。一方のアルロフスキー戦はハント戦とは対照的に、試合開始から1分も経たずとして、アルロフスキーをマットに沈めるKO劇を披露した。

 



ヴェラスケスの欠場を受けて、代役は間違いなくミオシッチ以外にいなかっただろう。そこでデイナ・ホワイト会長がミオシッチに代役出場に興味があるかを確認しようと動いた。ところが、ホワイトは確認するよりも前にミオシッチを昼寝から起こさなければならなかったという。

「デイナが電話してくる前に、フットボールの試合を見ながら大量の飯を食べていたから、もう爆睡だったよ」とミオシッチ笑いながら振り返った。「みんな普通は喜んだりするんだろうけど、俺は“あーうん、戦えるよ”くらいで、やっとタイトル戦のチャンスが来て戸惑っていた感じだ」

興奮冷めやらぬうちにミオシッチはタイトル戦出場決定を利用して義理の父にいたずらを仕掛けたという。

「オレのフィアンセと一緒に、家族中の女性だけを集めてソファに座らせたんだ。彼女のお父さんが遅れて部屋に入って来た時に、皆には下を見てもらって、オレがお父さんにこう言ったんだ。“ちょっと話があるんだ”ってね。彼は妊娠の報告だと思ったみたいなんだけど、“タイトル戦に出るんだ!”って報告して、結果的には良いジョークになったよ」

また今回のタイトルマッチ出場のニュースを聞きつけ、ミオシッチのトレーニング補助をするため、すぐさま飛行機に飛び乗ったジアン・ヴィランテも、着陸とほぼ同時に試合がキャンセルされたことを知るという笑い話を経験した。

ヴィランテの状況についてミオシッチは「午後4時に着陸して、その15分後にオレの試合がキャンセルになったんだ」と明かす。そのヴィランテはUFC 196でイリル・ラティフィとの対戦が決まっている。

ミオシッチはタイトルマッチが流れたとはいえ、その後は次に試合を控えるヴィランテと一緒にトレーニングを行ったという。ミオシッチによると、また近いうちに試合を組む方向で話し合いが進められているものの、まだ具体的には何も決まっていないようだ。

現チャンピオンに関する見解、そしていずれ実現するであろう対戦に向けてミオシッチは次のように語っている。

「ヴェウドゥムは素晴らしいファイターだと思うよ。ありとあらゆる奴を倒してきていると思う。だけど奴はまだオレみたいな相手と戦っていない。オレとの試合は面白い試合になるはずだ。あいつにはオレがどういう戦い方をするのか、検討もつかないだろうからね」

「必ずベルトを獲りにいくつもりでいる。それでオレの勝利パレードの時に、奴には地元の消防車に乗って警備してもらうよ」と、地元のクリーブランドにタイトルベルトを持ち帰ることを力強く誓ったミオシッチはさらにこう抱負を述べた。

「どうしてもあのベルトが欲しいんだ。オレだけじゃなくてクリーブランドが街として必要としている。オレら(クリーブランドのスポーツチーム)はいつも惜しいところまでいけるんだけどね。今度は俺がしっかりクリーブランドに王者の座を持って帰るよ」