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Kai Asakura of Japan reacts after a knockout victory against Cameron Smotherman in a bantamweight fight during the UFC Fight Night event at Galaxy Arena on May 30, 2026 in Macau, China. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
Fight Coverage

UFC月間レポート:2026年5月

イベントが盛りだくさんだっただけに、5月には多くの試合からベスト・オブ・ベストを選ぶ必要がある。しかし、率直に言って、この月のウイナーを選ぶのは比較的容易だった。なぜなら、下記に挙げるアスリートたちが、本当に際立っていたからだ。

さあ、先月に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたファイターたちを振り返ろう。

ブレイクアウト・パフォーマンス:コーディ・ハドン(UFCファイトナイト・マカオ)

このチョイスには感傷的な要素が多いかもしれない。だが、ご容赦願いたい。歳を重ねるにつれ、人は自分の感情を素直に受け入れるようになるものだし、ついに現場に戻ってきたハドンが見事なパフォーマンスを見せてくれたとあれば、ここで選ばれる理由は十分だ。

オーストラリアからやってきたバンタム級ファイターが、アオリ・チロンを相手に見事なパフォーマンスを披露した。ハドンはベテランの恐るべきパワーに対し、グラップリングを押し出して戦いつつ、随所で堅実なストライキングと鋭いファイトIQを発揮している。特に、フィニッシュに至るシークエンスで、それが目立っていた。第1ラウンドを通してトップポジションから積極的に攻めたハドンは、短めながらもインパクトのある打撃を当てつつ、常に1本勝ちの機会を狙う。そしてついに、フェンス際で肝臓への鮮やかな膝蹴りを入れ、UFC2勝目を挙げた。

ハドンはデイナ・ホワイトのコンテンダーシリーズ シーズン8で優秀な有望株と評価され、このシーズンが終わる前の時点ですでに、オクタゴン初勝利をマークしていた。しかし、足を負傷したために2024年は2試合を欠場せざるを得ず、結果としてバンタム級で争う多くの若手たちに一歩遅れを取ることに。そのことで、未来に関しても不透明な状況になっていた。健康を取り戻したハドンはマカオで自分の能力を見せつけ、経験豊富で強力なベテランを相手に完ぺきなパフォーマンスを発揮。今や有望株の中でも中心的な位置に再び立っている。

ここで一つ触れておきたい。ハドンのチームメイトであるクイラン・サルキルドも、この項目の特別賞に名を連ねた。それは、5月初めにホームタウンであるオーストラリア・パースでベニール・ダリウシュと対戦した際、第1ラウンドでテクニカルノックアウト勝利を挙げたことによる。コーチのロメロ・ルイストロとルイストロ・コンバット・アカデミーに賛辞を。彼らが西オーストラリアで何か特別なことをしているのは確かだ。

特別賞:クイラン・サルキルド、カルロス・プラテス、ヤロスラフ・アモソフ、べナルド・ソパイ、フアン・ディアス、ロドリゴ・ヴェラ、鶴屋怜、ルイス・フェリペ・ジアス、朝倉海

サブミッション・オブ・ザ・マンス:“UFC初”を魅せたアリス・アルデレアン(UFCファイトナイト・ラスベガス117)

UFCで初めての何かをやったのであれば、この部門に選ばれる。それが決まりだ。

5月16日にラスベガスでポリアナ・ヴィアナと対戦したアルデレアンは、第2ラウンドでカプセルロックによってヴィアナを仕留めた。非常に珍しく、強烈な痛みを伴う足の極め技によって、ヴィアナが苦痛を感じている様子ははっきりと見て取れたが、リプレイによって事態が明らかになるまでは、何が起こっているのか誰にも分からなかった。

オクタゴン中央で相手のガードの中にいたとき、アルデレアンはヴィアナが下からボディトライアングルに移行しようとしていたのを逆手に取り、太腿で左足を捕らえる。そのまま後方に体をひねり、曲がったヴィアナの足に信じられないほどのプレッシャーをかけて、タップを引き出した。まったくの予想外で、UFCで初めての決まり手ではあったものの、完全にアルデレアンが意図的に行ったものであり、この状況下での素晴らしいオフェンス――そしてフィニッシュ――だった。

現在のMMAでは、サブミッションによるフィニッシュは限られたパターンに収束しつつある。カンバス上でのディフェンス術は向上し、誰もが優れた状況判断力を培ってきた。だからこそ「今のは何なんだ?」となるケースは非常にまれだ。今回見られたのがまさにそれであり、それゆえに、サブミッション・オブ・ザ・マンスに選ばれるのも当然のパフォーマンスだった。

特別賞:コーディ・スティール vs. ドム・マー・ファン、ウェス・シャルツ vs. ベン・ジョンストン、バイサングル・ススルカエフ vs. ジョーデン・サントス、ジム・ミラー vs. ジャレッド・ゴードン、グラント・ドーソン vs. マテウシュ・レベツキ、ヤロスラフ・アモソモフ vs. ヨエル・アルヴァレス、キング・グリーン vs. ジェレミー・スティーブンズ、ニコーレ・カリアーリ vs. ショーナ・バノン、べナルド・ソパイ vs. ティミー・クアンバ、フアン・ディアス vs. マルコム・ウェルメーカー、ジャケリニ・アモリン vs. ロマ・ルックブンミー、鶴屋怜 vs. ルイス・グルレー、ソン・ヤドン vs. デイヴソン・フィゲイレード

ノックアウト・オブ・ザ・マンス:キャメロン・スモザーマンを打ちのめした朝倉海(UFCファイトナイト・マカオ)

日本ではバンタム級を主戦場に数々の強烈なフィニッシュによってその名を知らしめてきた朝倉海だが、UFCに参戦してからはフライ級に移行し、最初の2試合をいずれも第2ラウンドのサブミッション負けで落としていた。

無論、その1つが王者アレシャンドレ・パントージャに喫したものであることを忘れてはいけないが、このスターに期待されていたようなUFCデビューではなかったことも確かだ。だが、キャメロン・スモザーマンと激突したマカオで見せたのは、朝倉らしい破壊力のあるパフォーマンスだった。

UFCで初めてのバンタム級マッチに臨んだ朝倉は、フィジカル面でこれまでよりも調子が良いように見えた。パフォーマンスにもキレがあり、ほぼ開始直後から距離を詰めてスモザーマンに仕掛ける。左アッパーカットのフェイクから始まったフィニッシングシークエンスは、スイッチスタンスを経て命中させた強烈な右ストレートから、フェンス際の左で“ザ・ベイビーフェイスド・キラー”ことスモザーマンを眠らせることで完成している。

あまりあれこれと先のことを想像すべきではない。スモザーマンに敬意を示しつつも、この試合は朝倉の勝利だと予想されていた一戦だ。それでもなお、朝倉は見事な戦いぶりを見せ、ロースターにやってきたときの期待感を呼び戻した。才能あるバンタム級ファイターは多く、そこには明らかなヒエラルキーが出来上がっているものの、次はランカーとの試合が期待できるかもしれない。そこで、より経験豊富で熟練したファイターを相手に、このレベルのパフォーマンスを再現できるかを問うのだ。

そんな相手とは誰だろう? マルロン・ヴェラか? あるいはハオニ・バルセロシュかもしれない。

特別賞:ジュニア・タファ vs. ケヴィン・クリスチャン、ブランド・ペリチッチ vs. シャミル・ガジエフ、マルワン・ラヒキ vs. オリー・シュミット、ケイオス・ウィリアムス vs. ニコライ・ヴィリテンニコフ、チェ・ドゥホ vs. ダニエル・サントス、ロドリゴ・ヴェラ vs. ズー・ガンジエ、コーディ・ハドン vs. アオリ・チロン、セルゲイ・パブロビッチ vs. タリソン・テイシェイラ

ファイト・オブ・ザ・マンス:フライ級タイトルを懸けたジョシュア・ヴァンと平良達郎の激闘(UFC 328)

UFC 328のセミメインイベントに組まれたフライ級タイトルマッチには、多くの見どころがあった。おそらくこれからも相まみえることになる若きトップアスリートであるヴァンと平良の2人が初めて拳を合わせ、彼らがどんなコンペティターであるかを物語る一戦が生まれている。

平良は序盤に、大きな見せ場をつくってきた。レスリングの腕前を生かしてチャンピオンをカンバスに倒し、開始からのほぼ9分にわたってそこに相手をとどめている。第2ラウンドの終盤に立ち上がったヴァンは、鋭い攻撃でチャレンジャーを痛めつけた。第3ラウンドに入ると、ヴァンが平良に猛攻を仕掛ける。ヴァンは大きなダメージを与えながらも、そこでなぜかサブミッションによる勝利を狙いに行き、これは成功せずに終わった。

一方の平良も、ただしのいでいただけではない。果敢に反撃した平良は第4ラウンドでレスリングを駆使し、その不屈の闘志を見せた。しかし、第5ラウンドが始まった瞬間からヴァンが取り憑かれたような様子で攻め、ラウンド開始92秒で初めてのタイトル防衛に成功している。

両者ともにこの試合を通じて課題が見えていたものの、その一方で大舞台での冷静さや、自分たちの得意とするエリアでの高い精度、そして、これからもタイトル争いの勢力図に残り続けるだけの総合的な実力も証明されていた。この競技を代表する若き才能である2人が、次世代ファイターたちの可能性を存分に示した一戦だった。

特別賞:スティーヴ・エルセグ vs. ティム・エリオット、ロマン・コプィロフ vs. マルコ・トゥリオ、チェ・ドゥホ vs. ダニエル・サントス