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Salahdine Parnasse of France reacts after his victory over Dan Hooker of New Zealand in their middleweight fight during the UFC Fight Night event at The Accor Arena on September 05, 2026 in Paris, France. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
Fight Coverage

UFC月間レポート:2026年9月

9月のオクタゴンではさまざまなドラマが繰り広げられた。アメリカ国外での対戦、アリゾナでの注目のイベント、ロサンゼルスでの充実したナンバーイベント。1カ月を締めくくったのは、Meta APEXを舞台とする見ごたえのあるイベントだった。

これだけ多くのイベントがあった場合、通常なら月間レポートに取り上げるべきパフォーマンスも豊富であり、今回もその例に漏れなかった。4回のイベントには、信じられないくらいの瞬間や見事なパフォーマンスが盛りだくさんだ。

それでは早速本題に入ろう。9月にオクタゴンで見られた、傑出したパフォーマンスをご紹介する。

ブレイクアウト・パフォーマンス:サラディン・パルナス(UFCファイトナイト・パリ)
デビュー戦で、しかもランキング常連ファイターとのメインイベントでの対戦となれば、大きな期待が寄せられるのも当然だ。周囲から口を揃えて称賛されていればなおさらのこと。しかし、そういったプレッシャーもサラディン・パルナスに影響することはまったくなかった。パリのオクタゴンに登場したパルナスは、ダン・フッカーを圧倒してみせた。

KSWの元ダブル王者であるパルナスは、多くの人々が期待していた通り、即座に通用するコンテンダーであることを証明している。ケージに入る前から、UFC初参戦に伴う華やかな演出にも動じている様子はまったくなかった。いったん試合が始まれば、フランスのライト級ファイターであるパルナスは自分の仕事に徹して見事なパフォーマンスを披露し、経験あるフッカーに対して積極的に前に出ている。

第1ラウンド中盤、パルナスが繰り出した左のボディキックが鈍い音と共に“ザ・ハングマン”ことフッカーに命中。フッカーがくずおれ、これで試合は終わりだった。

ここ数年は高い評価を受けていた選手たちがいざオクタゴンに立つと苦戦するケースが続いていたが、28歳のパルナスはすでにスーパースターの佇まいを見せている。大きな歓声に迎えられ、圧倒的なパフォーマンスを披露したパルナスは、マックス・ホロウェイとの試合を要求。ランキングをだらだらと上ることには興味はないと断言している。デビュー戦の勝利でメディアの選考によるランキングの9位につけたパルナスは、次戦ではランクが上の相手と戦うことになるだろう。

パルナスは真の実力者だ。誰と対戦することになるにしろ、見逃せない選手であることに間違いはない。

特別賞:デルフィーン・ベヌアイシュ、マチュー・デュクロ、パヴェル・アンドルシュカ、アクセル・ソラ、ショーン・キング三世、ユズリ・ベルガウイ、ケイシー・オニール、ショーン・シャラフ、ジャスミン・ハウレギ、ブレイディ・ヒースタンド、ティナ・ブラック、ルイス・ヘルナンデス

サブミッション・オブ・ザ・マンス:エレベーターアームバーを極めたケイシー・オニール(UFC 331)
ロサンゼルスでエドゥアーダ・モーラとの対戦が始まってから30秒も経たないうちに、ケイシー・オニールはオクタゴンの中央でネイキドローキックに対するカウンターで右ストレートを食らい、背中から倒された。ブラジル出身のグラップラーであるモーラにとっては、試合開始早々、まさに労せずして自分の望んでいた展開を手にした形だった。

しかし、そのまま黙っているオニールではない。すぐに手首のコントロールを取りにいきつつ、腰の位置を動かし、足を繰り出してモーラを自分のガードに引き戻そうとする。さらには相手のバックを取ろうとする動きさえ見せていた。カンバス上の2人は一進一退の攻防を続け、モーラが前進して強烈なグラウンド・アンド・パウンドを狙う間も、オニールはスペースを作ってダメージを最小限に抑えようとする。第1ラウンド中盤には、モーラがアナコンダチョークを仕掛けにいった。
 

オニールは落ち着きを保ち、素早く抜け出すと、モーラを自分のガードの中に戻す。そこからはすべてのコーチやアナリストがこの状況でアスリートに求める動きを実行した。モーラの腰に足をかけて押しだし、宙に浮かせてバランスを崩したのだ。すぐに腕を攻めに行ったオニールは、モーラが身体をマットに戻そうとしたところでうつ伏せのアームバーを仕掛け、タップを引き出して2戦連続での第1ラウンド1本勝ちを決めた。

下になった状態からでも積極的な動きをやめず、悪いポジションでも落ち着きを保って攻撃の道を作り出すことの重要性を示した、見事な例だった。ジムでこういったポジションのドリルを実施するときにもぜひ取り入れるべきシークエンスだ。

“キング”ことケイシーは好調を維持している。女子フライ級戦線には新たなタイトル挑戦者候補が現れたのかもしれない。

特別賞:ベヌアイシュ vs. ソフィア・モンテネグロ、カーティス・キャンベル vs. トレヴァー・ピーク、トミー・ギャント vs. ドラカー・クロース、ジェアン・シウヴァ vs. ホセ・ミゲル・デルガド、ヒースタンド vs. 中村倫也、ヘルナンデス vs. セドリクエス・ドゥマス

ノックアウト・オブ・ザ・マンス:ショーン・キング三世 vs. ジェシー・ロサス(ノーチェUFC)
荒々しく、見事なフィッシュだった。

UFCデビュー戦同士の2人が互いを探り、タイミングと距離を計りながらのキックの応酬を繰り広げて30秒、キングがロサスの緩慢な左パンチをすり抜け、素早く距離を詰めると、テイクダウンを狙っていく。その際、ニューオーリンズ出身のキングはロサスの左腕を捉え、身体に押さえつけたまま相手を持ち上げると、猛烈な勢いでマットに叩きつけた。これでロサスは失神している。
 

22歳のキングがUFC初戦で圧巻のパフォーマンスを見せた。今回の鮮やかで強烈なフィニッシュによって、戦績を7勝0敗としている。同時に、才能ある選手が多いフェザー級の中でも、今後注目すべき選手であることを強く印象づけている。

特別賞:デュクロ vs. ルイス・フェリペ・ジアス、ルシーニ・ケイタ vs. ムハメド・ナイモフ、ソラ vs. ファレス・ジアム、パルナス vs. ダン・フッカー、ジョアンダソン・ブリート vs. ギガ・チカゼ、ライアン・ガンドラ vs. オジー・ディアス、ショーン・シャラフ  vs.ゲイブル・スティーヴソン、アルマン・ツァルキャン vs. マウリシオ・ルフィ、ジャスミン・ハウレギ vs. ヴァネッサ・デモポロス、エルヴィス・ブレナー vs. ジョサイア・ハレル、ブラック vs. メリッサ・アマヤ

ファイト・オブ・ザ・マンス:APEXで激闘を繰り広げたラウル・ロサスJr.とハオニ・バルセロシュ

この試合の結末は、この夜の雰囲気を一変させた。だが、それまでは、し烈な競争が展開されるバンタム級で前進し続けることを決してやめない2人のファイターが、激しいバトルを繰り広げている。

UFCで初めてのメインイベントに臨んだロサスJr.は好スタートを切り、明らかに進歩したボクシングを駆使してブラジルの対戦相手に攻撃を当てていった。対するバルセロスも、何度も見せ場を作っている。そこから3ラウンドで、ベテランのバルセロスが試合の主導権を握っていく。リズムを外したやや変則的なボクシングと巧みな足払い、素早いテイクダウンによって、21歳のロサスはバランスを崩し、攻撃のきっかけをつかめないでいた。

第4ラウンド終了時には、両者が流血し、疲れを見せていた。バルセロスが支配しているように見えたものの、インターバルを終えたロサスが猛烈な勢いで飛び出し、炎のようにバルセロスに襲いかかる。経験豊富なバルセロスもこれに応戦し、2人はフェンス際でクリンチの状態になった。ロサスはバルセロスの足に自らの足をからめ、ひねるようにカンバスに落とす。これにより、原因は今も定かではない負傷が発生し、見応えある試合には、予想外の、そして不安を残す形での幕が引かれた。

幸い、バルセロスは自身の状態が良好だと明かしており、この試合結果に不安を抱いていた人々を安心させている。健康状態への懸念が解消された今なら、試合終了までの攻防と、2人が見せた素晴らしいパフォーマンスに改めて目を向けることができる。

ロサスがいずれUFC史上最年少王者であるジョン・ジョーンズの記録更新に挑むのであれば、こういった激闘を経験し、乗り越えるのは必要なことだ。また、バルセロスもトップ15に位置するにふさわしい実力を証明している。

特別賞:トミー・マクミレン vs. マルワン・ラヒキ、アレクサ・グラッソ vs. マノン・フィオロ、ジョシュア・ヴァン vs. アレシャンドレ・パントージャ