日本時間2016年10月9日(日)に英国マンチェスターのマンチェスター・アリーナで開催されたUFC 204 メインカードの試合レポート
hミドル級 5分3ラウンド
ビトー・ベウフォート vs. ゲガール・ムサシ
日本時間2016年10月9日(日)に英国マンチェスターのマンチェスター・アリーナで開催されたUFC 204のセミ・メインイベントではUFCライトヘビー級9位のゲガール・ムサシと同級5位のレジェンド、ビトー・ベウフォートが対戦した。
天才的ストライカー、ベウフォートの打撃と決定力のあるムサシのグラウンドの構図と思われたこの一戦で、ムサシは2ラウンドに猛烈なハイキックを皮切りに、怒涛のパンチの連打をベウフォートにたたき込み、衝撃的なTKO勝利で会場に詰めかけた欧州のファンを喜ばせた。
サウスポーのベウフォートに対し、右のローキック、ミドルキックを繰り出すムサシ。距離が詰まるとベウフォートの左ストレートがムサシを捉え、ベウフォートが左を連打しながら突進するが、ムサシはすぐに立て直し、鋭い反応とリーチを生かして圧力をかける。ムサシは丁寧にジャブを突きながらベウフォートに組み付きテイクダウンを狙うが、ベウフォートは容易にこれを振りほどく。ベウフォートのカウンターを警戒して、ムサシは関節蹴り、左右のロー、ミドルキック、そしてジャブと多彩な攻撃を丁寧に散らし、狙いを絞らせない。残り時間40秒、ムサシはワンツーでベウフォートを捉えると即座に組み月相手を金網に押し付ける。これを振りほどかれたムサシが、再びジャブを命中させると、そのまま両足タックルを成功させたところで第1ラウンドが終了した。
両足タックルを跳ね返されたムサシはしっかりとガードを上げ、そのガードを下げるフェイントからすかさず右のハイキックを一閃!この一撃がベウフォートの側頭部に叩き込まれると、ムサシは一瞬の間も置かずに猛烈な左右の連打で棒立ちのベウフォートに襲いかかる!嵐のような連打に体が揺らぐベウフォートはガードを固めながら必死にこれをこらえようとムサシに組みつくが、逆にテイクダウンを奪われるとマウントからパウンドの嵐にさらされ流。ベウフォートの動きがことを確認したレフリーのマーク・ゴダードが両者の間に割って入ると2ラウンド2分43秒にTKOによる試合の終了を宣告した。
この勝利でオランダのゲガール・ムサシは40勝6敗2分けとなり、ビトー・ベウフォートは25勝13敗となった。
ライトヘビー級 5分3ラウンド
オヴィンス・サン・プルー vs. ジミ・マヌワ
サウスポーのサン・プルーが左へと回りながら左ミドル、そして左ストレートを繰り出すと、マヌワが距離を詰めテイクダウンを狙う。相手のテイクダウンをこらえ続けたサン・プルーはマヌワが下がるとパンチで突進、頭の下がった相手に両足タックルで飛び込んだ。一度は立ち上がったマヌワだが、再び相手にタックルを許すとこれをギロチンで迎撃。このギロチンを容易に脱出したサンプルーが優勢な中、第1ラウンドが終了した。
第2ラウンドに入ると、マヌワは鋭い打撃で圧力をかけ始める。サン・プルーのジャブを丁寧にスウェーで避けながら、強烈なボディ打ち、オーバーハンド、ローキック、そしてハイキックと相手を攻め立てる!タックルを潰され、ジャブも当たらずと金網際で手詰まりになったサン・プルーはボディを効かされガードが下がると、続く右フックに反応できず、これをまともに被弾!ふらつきながら棒立ちになったサン・プルーをマヌワの鋭い左フックが撃ち抜くと、サン・プルーは人形のようにその場に崩れ落ちた。
2ラウンド2分38に、地元の英国のファンの眼前で目の覚めるようなKO勝利を披露したライトヘビー級8位のジミ・マヌワはこれで16勝2敗。一方、テネシーの元フットボーラー、オヴィンス・サン・プルーは19勝9敗となった。
ヘビー級 5分3ラウンド
ステファン・ストルーフェ vs. ダニエル・オミランチェク
巨大なクレーンのような体躯から、豊富にフロントキック、そしてミドルキックを繰り出すストルーフェに対し、ミランチェクは何度も果敢に飛び込みながら、コンビネーションで距離を詰める。残り時間2分30秒、両者の距離が偶発的に詰まると、オミランチェクは相手の腰に組み付きテイクダウンを狙うがストルーフェはこれをカウンターの投げで潰すとトップポジションを奪取。一度は立ち上がったオミランチェクだったが、ストルーフェは小外掛けで攻防をマットに戻すと、マウントポジション、バックポジションとポジションを入れ替え攻防を支配した。
第2ラウンドが始まると、意外にもオミランチェクからストルーフェに組みつくと、オミランチェクは相手を金網に押し付ける。しかしストルーフェは内股でこれをマットに投げ捨てると一気に相手をまたいでマウントを奪取。暴れて立ち上がろうとするオミランチェクをダースチョークに捉えて締め上げる!金網を歩いて、側転するようにこれを逃れようと試みたオミランチェクだが、ストルーフは相手を逃すことなく絞め続け、2ラウンド1分41秒にこれまでフィニッシュを拒み続けたオミランチェクからタップアウトを引き出した。
「スタンドではちょっと俺は遅かったから組んで行ったんだ。サブミッションの匂いがしだんだよ」と試合を振り返ったオランダの超高層ビル、ステファン・ストルーフェはこれで32勝8敗。一方、自身初めてのフィニッシュ敗けを喫したポーランドのダニエル・オミランチェクは19勝6敗1分1ノーコンテストとなった。
フェザー級 5分3ラウンド
ミアサド・ベクティック vs. ラッセル・ドゥアン
両者はコンパクトに構え、互いに鋭く打撃を交換。何度か鋭い踏み込みからコンビネーションを繰り出してから、ベクティックが相手の踏み込みに合わせて両足タックルを成功させる。立ち上がるドゥアンにしつこく組み付き、丁寧にそのバックを奪ったベクティックが相手を完全にコントロール。顎を引くドゥアンの首元にその左腕を巻きつけると、がっちりとクラッチを組んで絞り上げ1ラウンド4分22秒にタップアウトを引き出した。
497日ぶりの試合で見事な勝利を飾ったボスニア出身のミアサド・ベクティックはこれで無傷の11勝0敗。一方、ショートノーティスでこの試合に臨んだハワイのラッセル・ドゥアンは14勝7敗と戦績を落とした。