UFCファイトナイト・タンパのメインカードの試合レポート。
女子ストロー級 5分3ラウンド
ローズ・ナマユナス vs. テシア・トーレス

3年ぶりに対戦する両者は互いにオーソドックスに構えオクタゴンの中央に進み出る。細かなジャブを突きながら相手の様子を伺うナマユナスに対し、トーレスは右の強打を狙っているようだ。残り時間3分15秒、ナマユナスのジャブにトーレスが右ストレート、そしてインローとコンビネーションを繋げる。ナマユナスは時折強引に組み付きを狙うがトーレスは至近距離になると左右のパンチを振るい続け、ナマユナスにテイクダウンを許さない。残り時間1分、トーレスの飛び込みながらのパンチの連打がナマユナスの顔面をとらえ、ナマユナスの足が一瞬止まる。勝機とみたトーレスは金網際まで相手を押し込みながら、首相撲に捉えられながらも強引に左右を振り回す。トーレスの左フックで一度は腰が落ちたナマユナスだが、首相撲でしがみつきながら立ち上がると、残り時間30秒に外掛けでテイクダウンに成功!ナマユナスがパウンドを落としながら強引にポジションを進めるなか、第1ラウンドが終了した。
リーチに勝るナマユナスは丁寧に左ジャブを突き、トーレスの突進を止めている。時折ナマユナスが右ストレートまで繋げるが、トーレスはしっかりと顎を引きひるむ様子は微塵もない。残り時間1分40秒、ナマユナスがほとんど腹這いになりながらテイクダウンに飛び込むが、トーレスはこれを丁寧にさしあげると振りほどく。残り時間30秒、トーレスが強引に左右の連打で突進し、ラウンドの優勢を印象付けようとしたところでナマユナスの右がトーレスを捉え、両者が激しく強打を交換するなか、判定の難しい第2ラウンドが終了した。
依然としてオクタゴンの中央に陣取るナマユナスに対し、トーレスは多彩なキックで攻撃の糸口を探る。ナマユナスは右のフロントキック、そして左ジャブを主体に組み立てるが、なかなかその後に繋げられない。ラウンド中盤を過ぎるあたりから、トーレスの手数が目立ち始めるが、残り時間1分、ナマユナスが突進し、トーレスに組み付くことに成功。トーレスが強引に相手を投げ捨てようとしたものの、ナマユナスがしつこく組み付きついにテイクダウンに成功。ポジションを進めることはできなかったものの、ナマユナスが上のポジションを支配した状態で試合は終了した。
ジャッジの判定は3名とも29-28でナマユナスを勝者として支持。どちらが勝者となっても不思議ではないと思われたこの女子ストロー級戦を制したローズ・ナマユナスはこれで6勝2敗。3年前の敗戦を雪辱した彼女が現在女子ストロー級3位ということを考えれば、王者ヨアナ・イェンジェイチックへの挑戦もそう遠い未来ではないだろう。一方これまで無敗を誇ったランキング4位のテシア・トーレスはプロ初敗北を喫し、7勝1敗となった。
<契約体重(キャッチウエイト)> 5分3ラウンド
ハビブ・ヌルマゴメドフ vs. ダレル・ホーチャー
9日前のオファーでこの試合に臨むホーチャーはサウスポーに構えるとオクタゴンの中央に進み出る。ライト級2位のヌルマゴメドフはしばらくホーチャーの実力を見定めるようにその周囲を回っていたが、1分が過ぎるとホーチャーの正面に陣取り、機敏な動きでジリジリとオクタゴンの中央を支配し始める。残り時間2分、細かなヘッドムーブで相手の背後のスペースを奪ったヌルマゴメドフが鋭い両足タックルで飛び込み、ホーチャーを高々と抱え上げながらオクタゴンの中央へ運ぶと相手をマットに叩きつける!丁寧にポジションを進めたヌルマゴメドフは残り時間1分でサイド・ポジションへ進み、強烈なパウンドを落とし始める。一度は相手をハーフ・ガードへ戻したホーチャーだったがヌルマゴメドフはすぐさま相手のガードをパスするとパウンドで相手をコントロールしながらホーチャーのバックを奪取。ヌルマゴメドフが獰猛な左右のパウンドをうずくまるホーチャーに振り下ろす中、第1ラウンドが終了した。
左のストレートで前に出たいホーチャーだが、ヌルマゴメドフがまたも鋭いタックルで飛び込むと、しっかりとホーチャーに組み付き必死の抵抗を見せる相手を払い腰で投げ捨てる。ヌルマゴメドフは休みなくポジションを変えながら、強烈なパウンドを落とし続け、残り時間3分30秒にマット・ヒューズ・ポジションを確立するとディフェンスもままならないホーチャーを強烈なパウンドで削り取る。レフリーが試合をストップしないと判断したヌルマゴメドフは一度ホーチャーをマット・ヒューズ・ポジションから逃がすと再びバック・マウントを奪い説得力のある左右のパウンドを振り下ろす。両手を頭で抱えて防戦一方となったホーチャーを見て、レフリーのジェイムズ・ウェーリングがついに両者の間に割って入り、2ラウンド3分38秒にTKOによる試合の終了を宣告した。
ほぼ2年ぶりの実戦で、変わらぬ実力を披露し驚異の23戦無敗となったライト級2位、ダゲスタンのハビブ・ヌルマゴメドフは試合後にタイトル挑戦をアピールしたが、かつて現ライト級王者ハファエル・ドス・アンジョスにも勝利を収めているヌルマゴメドフのタイトル戦は見逃せないものとなるだろう。一方僅か9日前のオファーで本戦に臨んだペンシルバニアのダレル・ホーチャー(12勝2敗)にとって、この一戦が厳しいUFCデビュー戦であったことは間違いないが、最後まであきらめずに戦い続けたその姿は多くのファンの印象に残ったことだろう。
フェザー級 5分3ラウンド
カブ・スワンソン vs. アクラン・ディアス 試合が開始されるとオーソドックスの両者がすぐにオクタゴンの中央に進み出て、鋭いローキックとジャブで互いに強打の糸口を探る。頭をゆっくりと左右に振りながら、じりじりと前に出るスワンソンをディアスは重たい右ローを主軸に押し戻す。ラウンド中盤を過ぎたあたりからディアスがスワンソンの入り際に数発のコンビネーションを合わせようとするシーンが見られるようになると、スワンソンはしばらくサウスポーにスタンスをスイッチし、試合の流れを切り替えようと試みる。多彩なヘッドムーブと細かなフェイントでオクタゴンの中央を支配するスワンソンに対し、ディアスは手数が繰り出せない。
ディアスの真正面で細かなフェイントを入れるスワンソン。スワンソンの右ローキックでバランスを崩したディアスのガードが一瞬下がった隙を見逃さずにスワンソンが左のオーバーハンドを強振すると、その切っ先がディアスの顎先を捉えディアスが尻餅!すかさずフィニッシュにと躍りかかるスワンソンだがディアスは落ち着いてスワンソンを引き付けるとその動きを封じ、追撃を許さずに攻防をスタンドに戻すことに成功する。すぐに手数を増やしてポイントの挽回を図るディアスはダメージから完全に回復したようだ。残り時間1分、スワンソンの強烈なインローでディアスがバランスを崩すとスワンソンがパウンドと共に躍りかかるがディアスは即座に立ち上がる。ポジションの移行の最中にも強打を交換する両者に会場が湧き上がる。
最終ラウンドに入ると、コーナーから「このままでは負けるぞ!」と激を受けたディアスが前に出始める。ディアスはスワンソンに組み付きテイクダウンからの攻防を狙うがスワンソンはこれを振りほどく。圧力をかけたいディアスだが、スワンソンはディアスの強打に対して猛烈なカウンターを合わせ、ディアスに試合の主導権を渡さない。残り時間1分40秒、右フックを被弾しスワンソンがバランスを崩し両手をマットにつくとディアスが距離を詰めるが、この起き上がりにスワンソンが繰り出した左ハイキックがディアスの顔面を直撃!後方によろめきながら倒れるディアスにスワンソンが殺気のみなぎる表情で躍りかかる!ディアスは両足を効かせて距離を作り、スワンソンの追撃をある程度は防いだが、スワンソンが圧倒的な優勢を印象付ける中最終ラウンドの終了を告げるブザーが鳴った。
ジャッジの判定は3名とも29-28でスワンソンを勝者として支持。前戦のマックス・ホロウェイ戦で自身初めてとなる連敗を喫し、顎と拳の骨折のために364日間に渡り戦線を離れていたトップ・コンテンダー、カブ・スワンソンが完全復活を果たし、フェザー級ランキング6位の実力を改めて証明するとともにその戦績を22勝7敗と伸ばした。一方ブラジルの名門、ノヴァ・ウニアォンの“もう一人の”フェザー級、アクラン・ディアスは23勝4敗1分けとなった。