
Jヨアンナ・イェンドジェイチェクの2015年は素晴らしいものだった。
クラウディア・ガデーリャに判定勝ちを収めてUFC参戦1年目を締めくくったイェンドジェイチェクは2年目の昨年、女子ストロー級の頂点まで一気に上り詰め、UFCロースターの中で最も愛される存在の一人へと成長を遂げた。
ポーランド出身のキックボクサーであるイェンドジェイチェクは昨年3月に行われたUFC 185で記者たちに向け、発音が非常に困難な彼女の名字を覚える代わりに“チャンピオン・ヨアンナ”と呼ぶように要求。それもカーラ・エスパルザに勝利し、ベルトを奪還する前の話だ。無類のスニーカー好きであることで知られる彼女は、今回のUFC 196でリーボックが発売した限定ケンドリック・ラマー・スニーカーを手に入れるまでに、ジェシカ・ペン、ヴァレリー・ルトーノーからも白星を収めており、着実に自身の地位を確立してきている。
先週、ラスベガスで行われた『EA Sports(EAスポーツ)』のゲームソフト“UFC 2”発売記念パーティーで、昨年の対戦相手についてイェンドジェイチェクはメディアにこう語った。
「タイトル戦の話をしよう。カーラは私とレスリングで勝負するべきだった。テイクダウンを多く奪ってね。でも彼女にはそれができなかった」
「試合前のジェシカ・ペネーは生意気な女だったわ。鼻を折ってやったんだけど彼女はラッキーよね。もらうべきでもないのにボーナスをゲットしていた。たぶんきっと、一番良い病院で手術を受けるために使ったんじゃないの。本当にラッキーよね。ヴァレリーは、私にハイキックが当たらなかったから戸惑っていたと思う」
「みんなには悪く思っているけど、特に言うことはないわ」
そんなイェンドジェイチェクはニヤケながら昨年対戦した3人のファイターに舌戦を仕掛けると、今彼女が最も人気を集めているファイターの1人であると同時に、挑発を得意とするファイターである理由を見せつけた。
コナー・マクレガーが対戦相手や今後戦う可能性のあるファイター――むしろ、ほぼ全員とも言える――に直接口撃するのに対し、イェンドジェイチェクは満面の笑みを浮かべながら柔らかく間接的な挑発や行動を繰り返すのだ。
UFC 196公式計量の直前に行われた“Unstoppable(アンストッパブル)”の記者会見でファンに暖かく迎えられたイェンドジェイチェクはいつも通りに痛烈な言葉を発し続けた。
4月から6月にかけての試合スケジュールを発表する場として設けられた今回の記者会見では、ジ・アルティメット・ファイター(TUF)シーズン23のコーチを務めたイェンドジェイチェクとクラウディア・ガデーリャの一戦が日本時間7月9日(土)にラスベガスで行われることも正式にアナウンスされた。ステージに上がると、観客に手を振り、会長のデイナ・ホワイトと握手を交わし、列を挟んで隣に座るガデーリャに何かを呟いたイェンドジェイチェク。
その後、ガデーリャがイラついているそぶりを見せたため、直ぐにUFCセキュリティーチームの一員が現れ、2人の間に立った。
TUFの収録を終え、ガデーリャと6週間を共に過ごしたことについて「きつくはなかったし、おもしろかった。どんなことも楽しんだわ」と語たったイェンドジェイチェクは「彼女には難しかったかもね。私の気分が良い日もあれば、悪い日もあったりしたから」と続けた。

「1月17日にボストンで私たちがTUFのコーチになって試合も戦うと発表された時から、この試合は始まっていたと思う。もうすでに彼女のことはボコボコにしたつもりだし、渡しにはどうしようもできない。だって私は“チャンピオン・ヨアンナ”よ」
実際のところ、この2人のバトルはもう少し前に始まっていたようだ。
イェンドジェイチェクによると「3日前にTUFシーズン23の撮影が終わった時に、ちょっとアクシデントがあったのよ。詳しく話すつもりはないけどね」とのこと。
イェンドジェイチェクは明言を避けたが、会長のホワイトは記者会見が行われた金曜夜に、彼らが取っ組み合いになったことをメディアに明かしている。
“UFC 2”の発売記念パーティーで「2人がジムでにらみ合った時はすごかったよ」とコメントしたホワイトは「取っ組み合いになりそうになった2人をやっとのことで離したんだ。そうしたら、ヨアンナが投げたペットボトルがガデーリャに当たってしまい、手がつけられなくなった」と続けた。
両者が“Unstoppable(アンストッパブル)”の壇上で顔を合わせた際に、ガデーリャがイェンドジェイチェクに手を挙げた場面ではよく分からなかったかもしれないが、ホワイトは彼らがお互いを嫌っており、撮影期間中を通して緊迫感は増す一方だったと明かす。今後4カ月のうちにさらにヒートアップしていくのは間違いない。
とりわけ、チャンピオンの目にはガデーリャが挑戦者に値しないと見えているようだ。
ガデーリャと初めて拳を交えた試合、そして今回のタイトルマッチについて言及したイェンドジェイチェクは「前回は接戦だったけど、彼女が挑戦者にふさわしいとは思わない。私は(ガデーリャとの初対戦以降に)3試合をこなしているのに、彼女はあれ以来1試合にしか出ていない。でもいいわ。その話はやめましょ」とコメントしている。
「彼女がチャレンジャー。ストロー級のランキングでも1位だしね。ある意味でふさわしいとは言えるわ。だから私は彼女と戦えてうれしいと思っているし、とっても尊敬しているの。柔術もすごくできて、本当に優れたアスリートよね。ただ、私は完全なの。私がチャンピオンよ」
イェンドジェイチェクはライバルであるガデーリャに勝利し、去年の活躍に続いて今年もファンを魅了していくことに燃えているようだ。
「クラウディアに勝ちたくてしょうがないし、今回はファンのために試合をする。この試合は楽しむわ」