前UFCミドル級王者のクリス・ワイドマンは常に故郷のニューヨークで戦うことを前向きに思い描いてきた。しかし、“エンパイアステート”で総合格闘技を合法化するのにかかった8年という時間は、忠実で楽観的なワイドマンをも落胆させるものだった。 日本時間23日(水)、ようやくワイドマンに笑みが浮かんだ。ニューヨーク州での総合格闘技を合法化する法案が可決され、ワイドマンや他のニューヨーク出身のファイターに地元で試合をする道が開拓されたのだ。 オールバニの本会議場で法案が113対25で可決されたことを受け、テレビ会議に登場したワイドマンは「もう7年間も戦ってきているけど、今まで地元のニューヨークにいる家族や友達の前で試合をすることができなかった。毎年期待して、不発に終わってきた。それがついにかなうなんて夢みたいだ。オレだけじゃなくてニューヨークのファンにとってもね」とコメントしている。 ファイターにとっても朗報だ。ニューヨークに在住する21人のファイター全員が、ニューヨークで行われる最初の大会で試合に出場したいと考えていることだろう。UFC会長兼最高経営責任者であるロレンゾ・フェルティータは年内に最低でも1回、可能であれば2回、大会を催したいと考えているようだ。6月に控えたUFC 199でルーク・ロックホールドからミドル級王座奪還を狙うワイドマンはUFCがマディソン・スクエア・ガーデンで大会を行う際の出場権をすでに主張している。フェルティータはどんなことがあってもマディソン・スクエア・ガーデンでの大会を開催させたいと考えられている。 「UFC、そして総合格闘技にとって非常に大きな意味を持つ機会となる」とフェルティータは言う。「ニューヨークに進出して、いずれマディソン・スクエア・ガーデンで大会を行う時は(UFC会長)デイナ(ホワイト)と他のスタッフと一緒に、ファンにとって最高の試合カードを組むことに集中しなければならない。盛大に大会を成功させ、ニューヨークで最高のスタートを切りたいと思っている」 ラスベガスにあるUFCのオフィスだけではなく、世界中が8年以上待ち望んだ50州目のMMA合法化に湧く中、フェルティータは2016年に変化が起きることを予知していたようだ。 「明らかな違いだったのは法案の支持反対にかかわらず、ヒースティ議長が民主的に法案を進めてくれたこと。前議長にはなかった姿勢だった」と続けたフェルティータ。 前議長のシェルドン・シルバー氏は昨年11月に収賄罪で退職勧告を受けている。そして今年に入り、MMAを合法にする法案を投票で決める機会を得ることに成功し、大勝利を収めた。UFC規制関連業務担当執行役員のマーク・ラトナーは教育と適切な機会が今回の法案の可決に繋がったと語る。 「議会の人を教育するために何度も何度も話し合った結果、彼らに総合格闘技がスポーツだということを分かってもらえた。そして規制が必要だということに気付いてもらうことができた。ほっとしている」 どれくらいほっとしているのだろうか? 「8年間妊娠していた子供がやっと生まれてきたみたいだ」とラトナーは言う。「振り返ってみると、とてもいらだたしかった。でも今は本当に興奮している。過去に起こったことは気にしていない。あとは前進するだけ、それが一番のニュースだ」