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オクタゴンで自分を証明したいディラショー

 

T.J.ディラショーは一部のファンや批評家からバンタム級王者にふさわしくないと見られていた。しかし、ヘナン・バラオン戦での2勝を含む3連続KO勝利をマークして批判の声を封じた。

ところが、日本時間18日(日)に3度目のタイトル防衛戦に挑むディラショーが、またしてもあり得ないような騒動に巻き込まれている。元チームメートであるユライア・フェイバーと次戦の挑戦者ドミニク・クルーズとの間に三つどもえのライバル心があるというわけだ。

もちろん、ディラショーは今回もこの問題を素早く解決するつもりである。

 



「オレはそこに座って、あんたたちとやり取りをするような男じゃない。これは女子高生のドラマじゃないんだ。おしゃべりで誰が1番か決めたいとは思わない。ケージの中でケリをつけるつもりだ。オクタゴンの戦いですべてを見せる」

昨年9月まで、ものごとは今よりずっと単純だった。バラオン戦で2度目の勝利を挙げてから2カ月、ディラショーには負傷による長期離脱で王座をはく奪された元バンタム級王者クルーズとのタイトルマッチが予定されていた。

オクタゴンでの戦いを熱望し、クルーズ戦に向けてディラショーは所属していたサクラメントのチーム・アルファメール(TAM)を離れてコロラド州でトレーニングキャンプを張っていた。長い間にわたって彼のコーチを務めてきたドゥエイン・ラドウィックがいるデンバーでのトレーニングは初めてのことではなかったが、今回はTAM設立者であるユライア・フェイバーとの関係がうまくいかなくなった。

フェイバーと袂を分かつことになった経緯についてディラショーは「ドゥエイン・ラドウィックはチーム・アルファメールで2年間、オレのヘッドコーチをしていたんだけど、コロラドに戻ることになった。オレは以前にコロラドでキャンプをした時から、あそこが気に入っていたんだ。ドゥエインとトレーニングをするということだけではなく、エレベーション・ファイトチームでトレーニングをするってことがね。ところが、フェイバーはオレが思ったようには、この一件を取ってくれず、チーム・アルファメールからたたき出された。オレがコロラドに来てトレーニングをしたことが、予想以上にフェイバーをいら立たせたんだ。彼はこのことを深刻に取った」と説明した。

エレベーション・ファイトチームに移ったことは地元の新聞に小さく掲載される程度のニュースでしかなかったはずだったが、数日間、ニュースのトップを飾り続け、友好的に見えた決別がとんでもない騒ぎになってしまった。

この騒動についてディラショーはこう述べている。

「単なるヘッドコーチの問題なんだ。オレが成長するためにはドゥエインが必要だと思った。このスポーツでは、できるだけ長く最高の状態でいられるように手を打っちゃいけないのか。チームを変えたことのゴタゴタに対応するってことは、取り除かなければならない障害物がもう1つあったという程度のこと。個人的な生活のことなのに。最初はかなり大変だったし打ちのめされたよ。でも、逆にオレに火を付けた。もっと自分を追い込んで、自分が人生で選択したことは間違っていなかったと証明したい」

ディラショーは後ろを振り返ることなく、断固たる決意を持っている。しかしながら、これで新たな対戦相手を作ったことにはなっただろう。ボストンの試合の勝者とフェイバーが対戦するという話が浮上し、元チームメート同士の対決があおられている。

「フェイバーは引退間近だが、オレは今がピークだ。試合があるとすればビジネスとして決定が下されるんじゃないかな。オレはこの対戦を個人的なものだとは取っていないけど、フェイバーは違うだろう」とディラショーは述べた。

とはいえ、ディラショー自身が愛情を込めて呼んでいる“判定勝ちの男”クルーズとの対戦が目前であることを忘れてはいけない。このニックネームに対してクルーズが反論するとすれば、4戦連続判定勝利を収めた後、水垣偉弥戦で61秒KO勝利を挙げたことだろう。もっとも、ディラショーはこの勝利に感銘は受けても蜃気楼(しんきろう)のようなものだと思っている。

「オレたちのスタイルは似ているとよく言われる。2人とも動いて角度を作ることができるからね。でも、オレは似ているとは思わないから、ある意味おもしろい話だ。オレがフットワークを使っても、それはドミニク・クルーズのように戦うという意味ではない。彼もフットワークを使うが違うやり方で、ポイントを獲得するためのフットワークだ。オレの目的は相手をノックアウトすることだ。世界最強であると同時にエンターテインメント性のあるファイターになりたい。判定勝利を目指してはいないし、今度の試合でそれを証明する」

 



ディラショーはこの騒ぎが収まる頃、クルーズは撃破され、フェイバーが彼の拳に倒れる次の敵になると感じている。また、すべての話は王者ディラショーではなく、彼が成し遂げたことに恐れを抱いている人たちの口から出るものだという。戦いだけがすべてだと分かっている人たちにとって、それ以外のものはショーウインドウの飾りつけ程度のことにすぎないのだ。そして、今回の一件に関しては自分自身をより燃え立たせてくれたと明かす。

「オレがファイトで見せる攻撃性を理解できないヤツらはいる。どうしてここまで嫌なヤツになれるのか自分でも分からないけど、今回の一戦では、そういうことが完ぺきにうまく作用している」