日本時間3月12日(日)、 ブラジル・セアラ州フォルタレザにあるセントロ・デ・フォルマソン・オリンピカ・フォルタレザで行われたUFCファイトナイト・フォルタレザのプレリミナリーファイト(前座試合)後半戦の試合レポート。
ライト級 5分3ラウンド
フランシスコ・トリナウド vs. ケビン・リー
38歳のブラジルのベテラン、トリナウドはなんとここまで7連勝中、現在ランキング11位。対する米国のケビン・リーも3連勝と勢いに乗っている。上昇気流に乗る両者による、タイトル戦線入りを賭けた戦いとなった。
1ラウンド、サウスポーのトリナウドに対し、オーソドックスで軽くステップを踏むリーはテイクダウンに入るが、トリナウドはそれを振りほどく。しかしリーは、トリナウドの左に合わせて再びダブルレッグに入ると、今度はテイクダウンに成功した。トリナウドは脇を差して立ち上がると、さらにテイクダウンを狙うリーにスタンディングのニンジャチョークを合わせるが、リーは振りほどく。
両者スタンドに戻ると、手を出したリーに対してトリナウドの左オーバーハンドがヒット! ぐらついたリーは、前に出て来たトリナウドにタックルを合わせるがトリナウドはディフェンス。再びスタンドで左を当てたトリナウドは、さらにリーのタックルを切って今度は左肘を当てる。さらに前に出たトリナウドは、今度は強烈な左アッパーをヒット。効かされたリーはタックルに入るが、トリナウドはそれを切る。さらに終盤トリナウドは至近距離で左フックを当てるが、リーは効いていないとアピールしてみせた。
2ラウンド、トリナウドが重い左ストレートを放てば、リーも鋭い右ハイを返してゆく。やがてリーは長距離からテイクダウンを狙うが、トリナウドは切ってみせる。その後リーの右ハイがヒット! ぐらついたトリナウドはタックルに入るが、リーはそれを小手で投げ返してマウントを奪取! トリナウドの動きに合わせてバックに回り、四の字フックを完成したリーがパーム・トゥ・パームのグリップからチョークで締め上げると、3分12秒でタップを奪ってみせた。
敵地で見事な逆転勝ちを収めたリーは「ブラジルのみんな、ありがとう! 作戦はテイクダウンを取ることだったよ。向こうはキックボクシングの世界王者だからね。1ラウンドはいいパンチをもらってしまったけど、2ラウンドは蹴りを当て、僕が打撃でもベストとやり合えることを示すことができたよ。(最後のチョークで)大事なのは腰にプレッシャーをかけてコントロールすることさ。これに関しては僕は世界トップの一人だと思っている。今度、ぜひ僕の地元のデトロイトでUFCを開催してもらいたいね」と語った。
ウェルター級 5分3ラウンド
セルジオ・モラエスvs. ダヴィ・ラモス

ブラジリアン柔術世界王者のモラエスは、引き分けを挟んでUFC5連勝中。対するUFC初登場のラモスは、これまでMMA6戦1敗にして、サブミッションレスリングの世界最高峰、ADCC世界大会優勝という実績を持つ。モラエスの当初の対戦相手が欠場したため、世界屈指のブラジル人グラップラー同士の対決が急遽実現した。
1ラウンド。スイッチをしながらフックやローを放ち、距離を詰めようとラモスに対し、リーチに勝るモラエスはオーソドックスで周りながら、右のオーバーハンドや蹴りを放ってゆく。お互い警戒し合い、なかなか射程距離に入れないまま時間が過ぎて行き、場内からはブーイングが聞かれはじめた。
2ラウンドも、スタンドでお互い中に入れない展開が続く。リーチに勝るモラエスのジャブが当たるシーンがやや目立ったが、ラモスのボディストレートでモラエスが一瞬前のめりになる場面もあった。
3ラウンド、ラモスはなんとか展開を作ろうと前に出るが、モラエスはすかさず下がって被弾を避けてはジャブや前蹴りで距離を取る。結局お互い有効打のないまま試合終了。世界最高峰のグラップラー対決は、一度も寝技の展開にならないまま終わってしまった。
判定は 3-0 (三者とも30-27)で、リーチを活かしてやや手数で上回ったモラエスを支持した。
バンタム級 5分3ラウンド
ハニ・ヤヒーラvs. ジョー・ソト

軽量級屈指の寝業師ヤヒーラは、前回田中路教と対戦。多少の被弾とスタミナ切れ覚悟でテイクダウンを何度でも仕掛けてゆき、一度グラウンドに持ち込むと卓越したグラウンドワーク抑え切るという必殺の流れで判定勝利を収めている。対するソトもまた、米国の誇る寝業師。最近2連勝と上昇気流に乗っている。
1ラウンド、両者オーソドックス。ヤヒーラはときにスイッチをしながら、積極的に前に出てパンチの連打を放つが、ソトは落ち着いて対処。やがて前に出たヤヒーラにソトのカウンターの右オーバーハンドが炸裂! もんどりうって倒れたヤヒーラだが、すぐに立ち上がる。さらに前に出るヤヒーラは右膝をヒットするが、ソトも右を返す。
回りながらも積極的にジャブを繰り出すヤヒーラに対し、ソトはオクタゴン中央を取り頭を振りながらパンチで距離を詰めにいく。するとそこでヤヒーラは身体を入れ替えてシングルからテイクダウンに。ソトはギロチンでカウンターを試みるが、ヤヒーラはすぐに頭を抜く。ソトはバタフライガードを作るが、ヤヒーラは見事なボディバランスでハーフに移行。胸を合わせた優位な体勢でラウンドを終えた。
2ラウンド、手を出しながら距離を詰めるソトと、積極的にジャブを起点としたカウンターを放つヤヒーラ。パンチが交錯するなか、両者の頭が激突しヤヒーラが膝から崩れる。それでもタックルに入ったヤヒーラに対してソトはギロチンを合わせるが、その額からはおびただしい量の出血があるのを見てレフェリーのブレイクが入る。
ドクターのチェックを経て再開後も激しく打ち合う両者。プレッシャーをかけるソトにヤヒーラはタックル。これを切られてももう一度タックルに入るヤヒーラだが、ソトはこれもがぶってバックに。するとヤヒーラは身体を下にズラしてディープハーフガードを作ってスイープを狙うが、ソトはすぐに察知して立ち上がる。顔の左半分を鮮血で染めたソトはさらに前に。ヤヒーラのカウンターのタックルを切ってはパンチを当ててゆく。
ヤヒーラもワンツー、膝、ハイといつになく多彩な打撃を繰り出しながらテイクダウンを狙うが、血と汗にまみれたソトを倒し切れない。ラウンド終盤には疲労困憊のまま仕掛けたタックルを押し倒されて下になり、ニアマウントからパウンドの連打を受けてしまった。
3ラウンド。またしてもヤヒーラのテイクダウンを切ったソトは、大流血にもめげずバックについてパウンドを当てる。ヤヒーラは明らかにスタミナ切れを起こしながらも下から動き続けるが、ソトはそれに反応して上をキープ。ハーフ、サイド、ニーオンザベリー、バック、ノースサウスとポジションを変えつつパウンドで削り続ける。それでも決して諦めずに動き続けるヤヒーラに対しソトが腕十字を狙うが、ここで腕を抜いたヤヒーラがトップに。しかしソトはバタフライの体勢を取って隙間を作ってすぐに立ち上がる。
スタンドに戻ると、ヤヒーラは前に出てワンツーから前蹴り、膝と打撃を仕掛けるが、ソトはその膝を掴んでテイクダウンに成功して再び上に。ハーフで抑えて有利な体勢でタウン度を終えた。大量の血を失いながらも戦い抜いたソトは、試合が終わるとしばらくキャンバスに倒れ込んだ。
両者死力を尽くした激闘の判定は、3-0 (29-28, 29-27, 29-27)でソトに。勝者は「ハニの打撃は今まで以上に良かったよ。テイクダウンを狙っているのが分かったからあまり打ち返せず、向こうが積極的に仕掛ける展開が続いてしまった。ハニのことはリスペクトしているよ。今回みたいにフルトレーニングキャンプが張れると役に立つけど、今日は僕のベストを発揮することはできなかった。家族を養うためにも戦い続けるよ」と語った。
ライト級 5分3ラウンド
ミシェル・プラゼレス vs. ジョシュ・バークマン

地元ブラジルの33才のプラゼレスは、MMA21勝2敗という好成績を誇り、現在もUFC3連勝中だ。対するヴェエラン36才のバークマンは、ここのところ2連敗で正念場を迎えている。
1ラウンド、オーソドックスで構えたプラゼレスは、スイッチを繰り返して回るバークマンに左フックの連打で突進! 地元ブラジルの大歓声に乗り、金網に詰めて左右のフックをヒットする。 被弾したバークマンはテイクダウンを試みるが、プラゼレスはそれをがぶると背後に付いてさらにパウンドの猛攻! それでも立ち上がるバークマンだが、プラゼレスは足をかけてテイクダウンに成功。ハーフから足を抜いてサイドに付くと、バークマンの頭を脇で抱えて上四方に移行。そのままノースサウスチョークで締め上げて1分42秒、タップを奪った。
先制攻撃の打撃から寝技へと移行し、相手に反撃の隙を与えないまま勝負を決めたプラゼレスは「今までなぜ僕はUFCで試合をフィニッシュできないんだと言われていたけど、それは時間の問題だったんだ。UFC がこうして強い相手を当ててくれるから、僕も強くなれた。僕の地元のみんなにもありがとうと言いたいね!」と喜びの声を発し、
さらに試合後にグローブを置いて引退を表明したバークマンについて聞かれると、「彼のことは尊敬している。戦えて光栄だったし、これからの人生での幸運を祈るよ」と語った。