日本時間31日(日)、ニュージャージー州ニューアークのプルデンシャル・センターで行われたUFCファイトナイト・ニューアーク大会、メインカードの結果は以下の通り。
セミメインイベント
ヘビー級 5分3ラウンド
ジョシュ・バーネット vs. ベン・ロズウェル
現在38才のバーネットは前回のUFC日本大会にて、ロイ・ネルソンとの5ラウンドの激闘を制しており、現在ランキング8位につけている。対する34才のロズウェルも、ここまで3連勝でランキング7位と好調だ。勝った方がヘビー級タイトル戦線において、大きな一歩を踏み出すこととなる。
また、これまで北米では「ウォーマスター」を名乗って来たバーネットは前回、日本大会ということもあって「青い目のケンシロウ」キャラクターを復活させており、今回どうするかは日本のファンにも気になるところ。対するロズウェルも、前回マット・ミトリオンをチョークで仕留めた後の試合後インタビューにおいて、邪悪に高笑いする悪役キャラクター「Evil Ben」パフォーマンスを試みており(それが非常にぎこちないものだった上に、直後に空気を読まないインタビュアーのジョン・アニックから不意打ちの質問を受け、思わず素の「いい人」に戻って返答してしまったことで、余計に大きなインパクトを与えることとなった)、キャラクター対決としても注目のこの試合だ。
試合前。怪獣が出現するようないかめしい音楽に乗って登場したロズウェルに対し、バーネットは普段の北米仕様の「ウォーマスター」としての入場に戻したようだ。
1ラウンド。オーソドックスに構えたバーネットに対し、ロズウェルはスイッチしながら距離を詰める。やがてサウスポーにスイッチしたバーネットは、右ジャブを当ててゆく。前に出るロズウェルに対し、バーネットの右のヒジや左ストレートが当たってロズウェルは鼻から出血。その後も、拳を開いて脱力したロズウェルがパンチを当てる場面も見られたが、比較的静かな展開のままラウンドが終了した。
2ラウンド。オーソドックスに戻したバーネットは、前に出るロズウェルのパンチをよく見てパーリングでさばくと、組み付いてボディロックを作る。それを振りほどくロズウェルは、両手をリラックスさせた体勢から変則的なパンチを繰り出してゆく。やがてバーネットが組み付いて片足を抱えてのタックルを狙うと、ロズウェルはケージ際で腕をバーネットの首にこじ入れて、自分の胸をバーネットの後頭部に押し付けると、喉元でグリップを作って締め上げる。これは前回マット・ミトリオンを仕留めた、ロズウェルの得意のテンフィンガー・タイプのギロチンだ。そのままロズウェルがバーネットを捻り倒し、体重をかけて締め上げるとバーネットがタップ! 3分48秒のことだった。
首技を得意とするキャッチレスラーのバーネットの首を見事に極めてみせ、MMAにおいてバーネットからタップ奪った最初の男となったロズウェルは、「これはスティペ(ミオチッシ)や(アリスター)オーフレイムらへの警告だ。ひとつ言いたいのは、これはゴゴ・チョークといって俺を育ててくれた黒帯のルイス・クラリオが作った技だ。ジョシュ・バーネットは本当に偉大な選手で、試合前はすごく不安だった。オレは今後チャンピオンとなって王座を防衛して行くつもりだけど、それでも今日の試合はオレにとって最大の勝利であり続けるだろう」と、邪悪なる“Evil Ben”は封印し、喜色満面の表情でタイトル奪取を宣言してみせた。
バンタム級 5分3ラウンド
ユーリ・アルカンタラ vs. ジミー・リベラ
前回、ペドロ・ムニョスに辛勝して17連勝を記録した26才、地元ニュージャージー出身のリベラを迎え撃つのは、ランキング14位、35才のベテラン戦士アルカンタラ。前回はレアンドロ・イッサとのブラジル人対決を判定勝利で制している。
1ラウンド。リベラはオーソドックス、アルカンタラはサウスポー。地元の大声援に乗ったリベラはワンツーで距離を詰めようとするが、アルカンタラはカウンターのボディへの膝で対抗。その後も強烈なパンチで前に出るリベラと、それを足を使ってさばくアルカンタラという展開が続いたが、終盤リベラが豪快に抱え上げてのテイクダウン! しかしアルカンタラもすぐに下から足関節を仕掛けて距離を取ることに成功した。
2ラウンド。リベラはプレッシャーをかけてアルカンタラをケージ際に追い詰めると左フックをヒット。さらに前に出てパンチを当てて組み付いたリベラは、アルカンタラをケージに押し付けて細かい打撃を当ててゆく。レフェリーによるブレイクが入った後、このままでは形勢不利とみたアルカンタラが前にて左ストレート! フラッシュダウンを喫したリベラだが、すぐに立ち上がると組み付いてテイクダウンでお返し。残り時間僅かのところで、スイッチを狙ったアルカンタラの背後を取ってみせた。
3ラウンド。左ハイを出すアルカンタラに対し、リベラは距離を詰めての左右のフックを当てる。さらに前に出るリベラは、突き放そうとしたアルカンタラの蹴り足を取って倒すが、アルカンタラも立ちあがる。残り一分、前に出たアルカンタラが再び左ストレートをヒットしてリベラがバランスを崩す。すぐに立ち上がったリベラが組み付くと、アルカンタラはその腕をキムラロックに固めて投げるが、リベラもすぐにスクランブルで立ち上がる。リベラはアルカンタラの蹴り足を掴むとテイクダウンを狙うが、アルカンタラがそれを防ぐうちにラウンドは終了した。
テイクダウンとプレッシャー、手数で上回ったリベラと、左ストレートで二度のフラッシュダウンを奪ったアルカンタラ。白熱の攻防の判定は3-0(三者ともに29-28)でリベラに。次の瞬間、観客は大歓声で地元ニュージャージーのリベラの勝利を称えた。
ウェルター級 5分3ラウンド
セージ・ノースカット vs. ブライアン・バーバリーナ
弱冠19才にしてデビュー以来7戦全勝、驚異の身体能力と端正な顔立ち、そして底抜けなまでにポジティブな態度で注目度急上昇中の新鋭"スーパー"セージ・ノースカットが、予定されていた対戦相手の負傷により急遽階級を上げてウェルター級での試合を敢行。前回チャド・ラプライズに敗れたブライアン・バーバリーナと対戦することになった。
1ラウンド。バーバリーナはサウスポー、ノースカットはオーソドックスで軽快なフットワークを見せる。しばらく遠い間合いでの様子見が続いた後、前に出て来たバーバリーナにノースカットのカウンターの右がヒット! フラッシュダウンを喫したバーバリーナだが、すぐに立つ。しかし組み付いたノースカットはバーバリーナを抱え上げてテイクダウンを取ると、そこからバックに飛びつく。それを振りほどくバーバリーナ。離れるとノースカットは前に出てスピードのある右を連続でヒットし、さらにダブルレッグでテイクダウンにつなげてみせる。再び立ち上がるバーバリーナは、クリンチの攻防からノースカットの体を捻ってテイクダウンを取るが、ノースカットはバタフライガードからすぐに距離を作って立ち上がる。その後、両者が近距離から激しい打撃の攻防を繰り広げるうちにラウンドが終了。前半はさすがの瞬発力で試合を支配したノースカットだったが、後半はバーバリーナの打撃をもらう場面も目立って来た。
2ラウンド。動きの落ちてきたノースカットは右を強振すると、そのまま浴びせ蹴りにつなぐユニークな動きに。しかし、そこですかさず上を取るバーバリーナ。ガードを取ったノースカットは下から頭を抱えて距離を潰して守ろうとするが、バーバリーナはヒジを落としてゆく。消耗したノースカットから片足を超えてハーフガードの上を取ったバーバリーナは、さらにエルボーとパンチで削る。ノースカットはフルガードに戻そうとするが、バーバリーナは低くプレッシャーをかけてそれを許さず、やがてハーフガードから対角線上から肩固めに入るバーバリーナ。通常あまり極まらない体勢と言えるが、やがてノースカットがタップ! 3分6秒のことだった。
インタビューを受けたバーバリーナは、 「俺のチームはみんな俺の勝ちを信じていたんだ! (フィニッシュの肩固めは)あのままパスしたかったけど、タイトに入っていたからあのまま極まると分かっていたよ。MMAラボは世界最強のチームだ!」と勝利の雄叫びをあげた。
大いなる注目を集めたノースカットは、前半は持ち前の爆発力を活かした打撃とテイクダウンの連続攻撃を見せたものの、ベテランのバーバリーナに粘られると途中から失速。スタミナ配分等の課題が見える初敗北となった。