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ルイス、ネルソンとの壮絶怪物対決を僅差で制す

日本時間7月8日(金)、アメリカ・ネバダ州ラスベガスにあるMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われたUFCファイトナイト・ラスベガスのメインカードの結果は以下の通り。

ヘビー級 5分3ラウンド 
ロイ・ネルソン vs. デリック・ルイス




独特の風貌と格闘家らしからぬ体型、強打とタフネスで人気のネルソンは2月、ジャレド・ロショルトに判定勝利し連敗を3で止めて健在を見せつけた。現在ランキングは10位だ。

対するランキング12位、ルイスも強打の持ち主だ。ここのところ3戦は全てパンチによるKO/TKOで相手を仕留めており、特に前戦はガブリエル・ゴンザガを1ラウンドKOに下している。

1ラウンド、両者オーソドックスに構える。オクタゴン中央を取ったネルソンは、得意の右フックで距離を詰めて組み付いてのテイクダウンを狙うが、ルイスはディフェンス。やがてレフェリーによるブレイクが入った。

さらに距離を詰めるネルソンに対して、ルイスは豪快な左ミドルから右ミドル! 怯んだネルソンをコーナーに詰めるが、ここでネルソンがボディロックから外掛けでのテイクダウンに成功! 重量級の二人がマットに雪崩れ込んだとき、あたかもケージが揺れたかのような衝撃が走った。

ハーフの体勢で胸を合わせて抑え込んだネルソンが上からヒジを入れてゆくが、ルイスは脇を差して立ち上がると豪快な膝をボディにカチ上げてさらに右アッパー! ひるんだネルソンにさらに豪快な右の拳と膝でラッシュをかけるが、タフネスを誇るネルソンは組み付いてダメージの回復を図る。

終盤、レフェリーによるブレイクが入って両者が離れると、ルイスは再び右の拳を振り回し、重い重い蹴りを放ちながらのラッシュ! それでもネルソンは倒れずにボディロックで組み付くと、再びテイクダウンからマウント。そのまま重量級の二人による豪快極まりない1ラウンドが終了した。

2ラウンド。再び前に出るネルソンに対し、ルイスは飛び膝を放つ。それをかわしたネルソンは前に詰めると重い右ロー。これが効いてスタンスを変えたルイスに対して、さらに距離を詰めて必殺の右スイングを放つネルソンだが、ルイスは回ってかわす。

やがて組み付いてルイスをケージに押し付けたネルソンは、ダブルレッグテイクダウンで、三たびルイスの巨体を倒すことに成功! そのままサイドを取ると、巨大な腹を利して抑え込んで細かいパンチを放ってゆく。ルイスがなんとか立ち上がるたびに、ネルソンは組み付いて再び試合をグランウンドに持ち込んでみせ、このラウンドをコントロールしてみせた。

3ラウンド。前に出るネルソンは、ルイスの飛び膝を体で受け止めて組み付くと、再び体勢を低くしてダブルレッグを仕掛け、雪崩込むようにテイクダウンに成功。ハーフで抑えこまれながらも立ち上がるルイスだが、ネルソンはしつこく組み付いてテイクダウン。それでもルイスが立ち上がると、レフェリーがブレイクを命じた。

残り1分。ポイントでは不利と見たルイスは右をふるってのラッシュ。しかしタフなネルソンはパンチを貰いながらも組み付く。それを振りほどいたルイスがさらに右を振り回すと、ネルソンも必殺の右オーバーハンドを放つ。それが空振りに終わったところで、ルイスの右フックがカウンターでスマッシュヒット! 会場が震撼するほどの一撃だったがネルソンは倒れず、両者の拳がさらに交錯するなかで試合は終了した。

ヘビー級の怪物二人による壮絶な攻防は、2-1 (29-28, 28-29, 29-28)で最後に有効打を当てたルイスに。ネルソンの地元ラスベガスの観客からのブーイングを浴びた勝者は、風貌に似合わぬ冷静な口調で

「仕方がないよ。僕は心の中でチャンピオンだと思っている。3ラウンドでも5ラウンドでも、どれだけ疲れていても戦う準備ができていたんだ。もう一度ぜひロイ・ネルソンと戦いたいね。フィニッシュすると約束したのに、できなかったからね」

と語った。



ウェルター級 5分3ラウンド 
アラン・ジョバーン vs. ベラル・ムハマッド




ジョバーンは3月にブレンダン・オライリーにTKO勝利して勢いに乗っている。対するは、9戦全勝のレコードをもってUFCデビューを迎えるムハマッドだ。

1ラウンド。サウスポーのジョバーンに対し、オーソドックスに構えるムハマッドはジャブを付きながらプレッシャーをかける。そこにジョバーンの左フックがヒットしてムハマッドがダウン! しかしガードを取ったムハマッドは、下からオモプラッタを仕掛けてジョバーンの体勢を崩して立ち上がる。さらにムハマッドはそのままダブルレッグでテイクダウンを取り、ジョバーンの立ち上がり際に顔面膝で追い打ちをかける。

試合がスタンドに戻ると、前に出たムハマッドにジョバーンの左ハイがカウンターでスマッシュヒット! たまらず崩れ落ちたムハマッドに、ジョバーンはパウンドとヒジの雨を降らせるが、ムハマッドは必死に抱きついて凌ぎ、やがて立ち上がることに成功した。

2ラウンド。前に出るムハマッドに対して、ジョバーンはカウンターの左ミドルを当ててゆく。それでもかまわず前にでるムハマッドに、ジョバーンの左フックが再びヒットしてムハマッドは今日三度目のダウン! しかしムハマッドはすぐに立ち上がって組み付いてダメージ回復を計る。

その後もムハマッドはカウンターをもらいながらも前進し続け、終盤にはテイクダウンを奪うことに成功するが、ジョバーンはすぐに立ち上がってみせた。

3ラウンド。前に出続けるムハマッドは、セコンドの指示通りにテイクダウンを狙ってゆくがジョバーンはディフェンス。さらにムハマッドは、回りながら放つジョバーンのカウンター右を浴びながらも、ジャブから右フック、右ハイを交えながら前進し、徐々にその右がジョバーンを捕らえることが増えてくる。

残り1分近くのところで、ムハマッドの右ストレートが連続ヒット! 右の拳を振るってラッシュをかけるムハマッドだが、ジョバーンは被弾しながらも辛抱強く右でカウンターを放ちつづけ、最後まで倒れずに戦い抜いた。

激戦の判定は、3-0(28-27, 29-28, 29-27)で前半に3度のダウンを奪ったジョバーンの勝利。勝者は

「ベラル・ムハマッドは本当にタフな男だ。まだあまり有名じゃないかもしれないけど、これまで無敗の男で、僕があれだけ打撃を当てても立ち上がって攻撃を続けた。次はぜひトップ15の相手と戦いたいね。KOしたかったんだけど、彼は予想以上にタフだった。言い訳じゃないけど、2ラウンドに左の拳を折ってしまったから、3ラウンドは左をフェイントに使って、右の拳と蹴りだけでなんとかサバイブしようとしたんだ。次はぜひMSGで試合したいね」

と語った。



ライト級 5分3ラウンド 
ジョー・ダフィー vs. ミッチ・クラーク




アイルランド出身のダフィーは、前回ダスティン・ポイエーに判定で敗れてUFC初黒星を喫している。対するカナダのクラークは、昨年4月にマイケル・キエーザに判定で敗れて以来久々の登場となる。

1ラウンド開始早々、オーソドックスで構えた両者のパンチが交錯するなかダフィーの右ストレートが炸裂! 前のめりに崩れ落ちたクラークにパウンドで追撃したダフィーは、必死に立ち上がろうとしたクラークのバックに付くとチョーク一閃! これが強烈に入りクラークはたまらずタップ。僅か25秒でダフィーが鮮烈な勝利を挙げた。

UFCライト級史上4番目に早いフィニッシュを決めてみせたダフィーは

「ベガスに戻って来れて嬉しいよ。作戦はどの局面でも自信をもって戦うことだったよ。自分の目を信じて機会を待ったんだ。今度MSGでやる大会に出れたら嬉しいね」

と語った。