日本時間3月12日(日)にブラジル・フォルタレザいあるセントロ・デ・フォルマソン・オリンピカ・フォルタレザで開催されたUFCファイトナイト・フォルタレザのメインカードの試合レポート。
ライトヘビー級 5分3ラウンド
マウリシオ・フア vs. ジアン・ヴィランテ
「全ての試合が自分の夢の実現なんだ」
日本時間3月12日(日)にブラジル・フォルタレザのセントロ・デ・フォルマソン・オリンピカ・フォルタレザで開催されたUFCファイトナイト・フォルタレザのセミメインイベントに登場し、ライトヘビー級ランキング12位の米国人ファイター、ジアン・ヴィランテを3ラウンド59秒でTKOに沈めたMMA界のレジェンドの一人、マウリシオ・フアは自身の試合に対する気持ちをそう表現した。
日本でも“ショーグン”のニックネームと共にその名を広く知られるフアは1ラウンドには相手のパンチを被弾し、両足が止まるシーンも見られたものの、序盤から丁寧な打撃の打ち分けでしっかりとポイントを稼ぎつつも相手の攻め手を封じ、3ラウンドに訪れた一瞬の相手の隙を見逃さずに右のショートフックを一閃。この一撃を効かせたフアは全盛期と変わらぬ殺気のこもった連打で相手を捉えると、見事なTKO勝利を記録しその連勝を3へと伸ばすことに成功した。
テイクダウンも念頭に置くフアはオクタゴンの中央に陣取ると散発的にローキックをくりだし相手のローキックを誘っている。思わずキックを繰り出した相手の蹴り足をキャッチしたフアが、テイクダウンを狙うがヴィランテはこれを振りほどく。残り時間3分40秒、フアのコンビネーションの打ち終わりをヴィランテのアッパーからの左が捉え、一瞬フアの足が止まるとヴィランテすぐにパンチで襲い掛かる。しかしフアは下りながらもパンチとヒザで応戦し、相手に組み付くと巧みにダメージを回復させる。両者の攻防がスタンドに戻ると、フアは丁寧にボディとオーバーハンドを打ち分け、フアの右のオーバーハンドが何度もヴィランテの側頭部を捉え続ける。残り時間90秒にはヴィランテが一瞬両手をマットにつくシーンも見られたが、ヴィランテはすぐに持ち直した。
ジリジリとヴィランテが前に出始めるが、フアは丁寧に頭をずらしながらヴィランテのパンチにカウンターを狙い続ける。残り時間2分、それまで打撃一辺倒だったヴィランテが片足タックルを成功させるがフアは容易く立ち上がる。残り時間90秒、フアのオーバーハンドでヴィランテがマットに倒れこむはこれはスリップ、ヴィランテにダメージは無いようだ。その後もヴィランテのパンチにフアが右のオーバーハンドとボディを返す攻防が繰り返される。
再びヴィランテにオーバーハンドを繰り返すフア。ヴィランテはフアの打ち終わりにコンビネーションを狙うがフアは巧みに距離を取る。そこにヴィランテがワンツーと共に前に出ると、フアが下りながらの右フックが相手の顎を直撃!棒立ちになったヴィランテにフアは左右のパンチの連打で襲い掛かるが、この中でもフアは冷静に上下を打ち分ける。ヴィランテが頭を抱えて金網際まで下がるとフアはハイキックで距離を測り、猛烈なパンチの連打でヴィランテをパンチの海に沈めて見せた。
この結果、マウリシオ・フアは25勝10敗と戦績を伸ばし、ジアン・ヴィランテは15勝8敗と戦績を落とした。
ライト級 5分3ラウンド
エドソン・バルボーザ vs. ベニール・ダリウシュ
サウスポーのダリウシュは左のキックと頭を右にずらしながらの左オーバーハンドを主軸に距離を詰めるが、バルボーザは少しでも距離が近くなると猛烈な手数のパンチの連打で相手を突き放す。ラウンドが中盤を過ぎると、バルボーザはペースを落ち着けやや遠めの間合いで得意の右のキックを狙うが、ダリウシュは積極的に距離を詰めながら、豊富に左のカーフキックとインローを繰り出し、相手の距離を潰し続ける。
前に出続けるダリウシュに対し、再びバルボーザが豊富にパンチを繰り出すが、ダリウシュはこれを被弾しても気にせず距離を詰め続ける。残り時間3分、片足タックルを見せたダリウシュは深追いせずに距離をとるがやや疲れが見え始める。相手の前進が緩むとバルボーザの多彩な右のキックが機能し始めるが、残り時間2分にローブローにより試合が中断されると、この休憩でスタミナを回復したダリウシュが再び距離を詰め始める。しかし、残り時間1分25秒、中間距離からダリウシュがジャブから両足タックルに繋げると、バルボーザがこれをノーモーションの飛びヒザ蹴りで迎え撃つ!この一撃が、ダリウシュの顔面を完璧に捉えると、ダリウシュはそのままもんどりうって倒れこみ、バルボーザがまるで映画のワンシーンの様な見事な一撃でKO勝利を記録した。
「ずっとジャブからタックルに来てたからね、あのタックルが来るのは分かっていたよ」と試合後に語ったライト級5位のブラジリアン、エドソン・バルボーザはこれで3連勝。プロ通算戦績も19勝4敗と伸ばし、タイトル挑戦を要求した。なお、対戦相手のベニール・ダリウシュは14勝3敗となっている。
フライ級 5分3ラウンド
ジュシー・フォルミーガ vs. レイ・ボーグ
前後のフットワークを繰り返すフォルミーガに対し、ボーグは上体を左右に振り込みながら相手の飛び込みにカウンターを狙う。残り時間4分、ボーグの3-4コンビネーションがものすごい音を立てて命中するが、フォルミーガは顎を引いてこれを受け止めダメージを伺わせない。中盤がすぎるとジリジリとボーグが前に出始め、飛び込みながらのジャブ・アッパーを狙うがフォルミーガは冷静に距離をとりながら頭をずらし相手のパンチを避け続ける。ボーグの飛び込みを横に捌いたフォルミーガが右のフックを命中させたところで第1ラウンドが終了した。
ボーグが右ストレートから片足タックルに繋げるが、フォルミーガは容易くこれを振りほどく。残り時間3分30秒、ボーグがパンチから両足タックル、そしてリフトからスラムへと繋げ、マットに一瞬両手をついた相手のバックに飛びつくが、フォルミーガはネコの様なしなやかさでこれを振りほどく。残り時間2分、フォルミーガがやや手数を増やし、キレのあるパンチにテイクダウンも織り交ぜるがボーグは鋭い反応でフォルミーガの試みをはねのける。残り時間30秒、両者が互いに重たいローを命中させるなか、第2ラウンドも終了した。
最終ラウンド開始直後にテイクダウンに飛び込んだボーグのタックルを潰したフォルミーガは一瞬ポジションをマウントまで進めるが、ボーグは暴れてスペースを作るとタックルでこれを切り返す。しかしこのタックルもしっかりとこらえたフォルミーガは相手の一瞬のスキをついて瞬間移動の様な素早さでボーグの背後に回り込むと、ボーグを4の字フックに捉えてがっちりとコントロールし、最終ラウンドを取ったかに見えた。しかし残り時間2分、ボーグは体をよじって正面を向くと、フォルミーガのガードの中でトップポジションを取り戻すことに成功し、掛け声とともに右のヒジを何度も振り下ろす。下からのアームバー狙って腰を上げたフォルミーガに対し、ボーグはしっかりと頭を上げてこれをかわすと、トップをキープ。試合の終了までフォルミーガに反撃の機会を与えなかった。
ジャッジはこのフライ級の激戦を29-28のユナニマス判定でレイ・ボーグの勝利と判定。敵地ブラジルで、フライ級3位のジュシー・フォルミーガを下したメキシコのレイ・ボーグのその健闘を讃えてか、いつもより明らかに控えめなブーイングを送るブラジルのファンたちに対して「俺のことが嫌いなのは知ってるぜ、でも俺は君らの美しい国が大好きだ!」と独特な表現で感謝の意を表したボーグはその後「DJ、ヘイス、どんな気分だ?今行くぜ!」と続けてベルトへの挑戦をアピールした。なおこの試合の結果、フォルミーガは19勝5敗、ボーグは11勝2敗となっている。
女子バンタム級 5分3ラウンド
ベチ・コヘイア vs. マリオン・レノー
レノーは豊富なキックを繰り出すが、コヘイアはレノーのキックに合わせて踏み込みながらパンチで手数を稼ぐ。残り時間3分20秒、レノーのミドルが快音を響かせるとコヘイアは一瞬嫌がる素振りを見せ、次のミドルに合わせて距離を詰めるがテイクダウンまでは繋げることが出来ない。至近距離でのパンチの打ち合いになると、コヘイアは頭を下げてレノーに組み付くが、レノーはコヘイアのボディにヒザを突き上る。テイクダウンに繋げることができず、距離をとったコヘイアだがレノーのパンチの回転にやや劣勢だ。しかし残り時間15秒で胴タックルからテイクダウンを成功させたコヘイアがトップをとって第1ラウンドを終えた。
コヘイアはパンチから胴タックルに繋げると、レノーを金網に押し付けるがレノーは上手くコヘイアを突き放す。ややスピードの落ちたレノーにコヘイアのパンチが当たり始める。ラウンドが中盤を過ぎるとコヘイアの手数が上回り始め、残り時間90秒、レノーのヒザ蹴りをキャッチしたコヘイアは容易くテイクダウンを成功させる。レノーはコヘイアの手首をコントロールしながらトライアングル・チョークにコヘイアを捉えるが、コヘイアはそれを振りほどくとトップをキープしながら要所でパウンドを振り下ろした。
レノーのハイキックとコヘイアのストレートが相打ちになり、コヘイアはグラつきレノーは尻餅をつく。すぐに跳ね起きたレノーがパンチをまとめると、一度は棒立ちになったコヘイアが低空タックルで飛び込み流れを変えようと試みる。レノーはこのタックルを潰すとフルマウントを奪取、すぐに猛烈なパウンドを落とし始める。苦しい状態ながらも何度もコヘイアは最悪のポジションからの脱出を試みるが、レノーはその都度コヘイアのアタックを潰し、トップをキープしながらパウンドを落とし続ける。残り時間1分40秒、もがくコヘイアのバックに回ったレノーはその後は試合の終了までパウンドの手を緩めずにチョークを狙い続けた。
ジャッジ一名が29-27でレノー、残る二名は28-2と判定したため、この試合の結果はマジョリティ・ドロー。この結果、女子バンタム級9位のベチ・コヘイアは10勝2敗1分け、同13位のマリオン・レノーは7勝3敗1分けとなっている。
ウェルター級 5分3ラウンド
アレックス・オリベイラ vs. ティム・ミーンズ
左右に動きながら積極的にパンチを繰り出すオリベイラが相手のキックに合わせて組み付くと、残り時間4分でミーンズを釣り上げるようにテイクダウンを成功させる。ミーンズはバタフライ・フックを効かせながらジリジリと金網際まで移動し、サブミッションを織り交ぜながら残り時間3分で立ち上がることに成功すると、そのまま両者は金網際で激しくポジションを競い合う。スルスルとミーンズの背後に回り込んだオリベイラが何度もミーンズを釣り上げテイクダウンを狙うが、ミーンズはその都度しぶとく立ち上がる。残り時間1分30秒、オリベイラが強引に相手を真後ろに引き倒そうとしたところでミーンズは上手く体を入れ替え相手の投げを潰すとそのままサイドポジションを奪取、すぐに相手をがっちりと抑え込みながら細かなヒジでコツコツとダメージを積み重ねる。
オリベイラの豪快な後ろ回し蹴りにミーンズが素晴らしいタイミングの片足タックルを合わせるが、オリベイラはしっかりとミーンズを差し上げテイクダウンを許さない。体を入れ替えミーンズを金網に押し込んだオリベイラは容易く両足タックルを成功させるが、ミーンズは下になるとすぐにサブミッションを仕掛けてスペースを作るとパウンドを許さずに立ち上がる。すると背後から相手の足を払って攻防を再びグラウンドに戻したオリベイラは間髪入れずミーンズのバックを奪うと右腕を巻き付け、2ラウンド にミーンズのタップを引き出した。
UFC 207での借り(ミーンズの偶発的な反則のヒザ蹴りでノーコンテスト)を、地元ブラジルで見事に清算して見せたブラジルのカウボーイことアレックス・オリベイラはこれで16勝3敗1分け2ノーコンテスト。一方ティム・ミーンズは26勝8敗1分け1ノーコンテストとなった。