マイケル・ディサントが日本時間8月5日に開催されるUFC on FOXのメインイベントを徹底予想する
時計を2006年の11月18日に巻き戻そう。
私はそのことを、昨日のことのように思い出すことができる。UFC 65で、当時上り調子の新星だったブランドン・ヴェラは、UFCのレジェンドであるフランク・ミアと対戦。わずか69秒でKO勝利を収め、MMA界を震撼させた。
しかし、ここからヴェラのキャリアは転落の一途を辿る。続く4試合で3敗を喫し、そのあと連勝を収めたものの、目下3連敗中だ。これほどの才能が、ここまでのスピードで転落するのは珍しい。
そして日本時間8月5日、ヴェラは元UFC王者にして元PRIDE王者でもあるマウリシオ・“ショーグン”・フアと対戦する。当然、この試合の本命はショーグンだ。勝てば9月の王者ジョン・ジョーンズvsダン・ヘンダーソンの勝者とタイトルをかけて戦う可能性が高い。
それでも、この試合の重みをより感じているのはヴェラのはずだ。この一戦はキャリアの存亡をかけた一戦であり、勝てば再びタイトル争いに食い込めるという意味で、その価値は計り知れない。負ければ、進退について考えなければいけなくなるだろう。
ショーグンはUFCで最も恐れられるストライカーで、さらにヴェラもスタンドでの攻防に重きを置くタイプだ。ただ二人のスタイルは違う。
ショーグンは“拳のカオス”とも呼ぶべき乱打を得意としている。これはシュートボクセ・アカデミー出身のファイターの特徴だ。テクニカルな試合運びより、打ち合いを得意とする。そしてショーグンは、そのなかでも最も優秀な卒業生だ。
一方のヴェラは、戦術家のなかの戦術家だ。ローキックの名手で、右のパンチも素晴らしく、左のフックも同様だ。よく動いて、様々な角度から攻撃を繰り出す、テクニカルなキックボクサーだ。ただ、ショーグンのように前に出てくる相手は苦手としている。
どちらもインファイトを制するだけの力があるが、その展開になったら恐らくショーグンが勝つだろう。ただ、ヒット&アウェイを駆使すれば、ヴェラはうまくやるはずだ。
テイクダウンは忘れていい。ヴェラは優秀なレスラーだし、眠ってでもいない限り、ショーグンにテイクダウンされることはないだろう。また、自らグラウンドの攻防に持ち込むこともできるはずだ。それでも、床ではショーグンの方が多彩な技術を誇り、さらに守備の面で特に優れるため、グラウンドでの攻防はおススメできない。
普通に考えれば、この一戦ではショーグンが有利だ。ここ数年の実績でも上回っているし、勝利パターンも多彩だ。
ただ、ヴェラを侮ってはいけない。ミアを破壊したように、ワールドクラスのファイターを相手には強さを発揮する。ヴェラの潜在能力は捨てがたい。机上のポテンシャルでいえば、どのファイターも適わない。私は彼の対戦相手の勝利に賭けたりはしない。
マウリシオ・“ショーグン”・フア ・30歳 ・20勝6敗 ・最近5試合で2勝3敗 ・最近10試合で6勝4敗 ・KO/TKO勝利が85% ・判定勝利が10% ・サブミッションでの勝利が5% ・元UFCライトヘビー級王者 ・元PRIDEミドル級王者 ・ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを2度受賞 ・ファイト・オブ・ザ・ナイトを2度受賞 ・259日間試合をしていない ・最長の休養期間は483日 ブランドン・ヴェラ ・34歳 ・12勝5敗1ノーコンテスト ・最近5試合で2勝2敗1ノーコンテスト ・最近10試合で5勝4敗1ノーコンテスト ・KO/TKO勝利が58.3% ・判定勝利が33.3% ・サブミッションでの勝利が8.3% ・249日間試合をしていない ・最長の休養期間は336日