UFC 182 メインイベントの結果は以下の通り...。
1月3日、ラスベガス−UFCライトヘビー級王者ジョン・ジョーンズを好まないファンも居るだろう。また彼の事を“バッド・ガイ”と見立てるファンも居るかも知れない。しかし土曜日の夜にMGMグランドガーデン・アリーナで開催されたUFC 182のメインイベントで因縁浅からぬ宿敵、ダニエル・コーミエを判定で退けたジョーンズがどれほど強く、いや、偉大な王者であるかと言う事を否定する事は出来ない。 試合の決着はついたが、少なくとも王者に関してはどうやら高ぶり過ぎた感情が収まったと言う訳でも無さそうだ。 「彼はただの人間に過ぎない。」数ヶ月に渡る確執の絶頂で興奮さめやらぬジョーンズは語った。「彼が口にした全ての馬鹿げた事、それらは俺をやる気にさせたね。今は上手い事が言えずに悪いが、俺はDCが嫌いだ。」 判定は全てのジャッジが49-46でジョーンズを勝者とし、27歳の王者は戦績を21勝1敗と伸ばし、8度目のタイトル防衛に成功した。35歳になる元オリンピック・レスラーのコーミエはプロ転向後初めての敗北を喫し、戦績を15勝1敗と落とした。 試合が始まるとジョーンズは数発のキックで攻防を組み立てるのに対し、コーミエはテイクダウンを試みるが、これは失敗に終わった。コーミエがミドルを繰り出すと、これをキャッチしたジョーンズがコーミエを押し倒しテイクダウンに成功する。コーミエは直に立ち上がり打撃で攻防を組み立て直す。ジョーンズがテイクダウンに飛び込むと、観客が大歓声をあげ、その歓声はいつしか“DC”コールとなり場内に響き渡る。残り時間1分、ジョーンズは数発の打撃でコーミエを苦しめるが、ルイジアナのタフガイはこれに持ちこたえると、ジャブを繰り出し活路を開こうと試みる。コーミエの打撃を被弾しながらも、ジョーンズは精度の高い打撃を繰り出し、とりわけボディへのパンチが何発も吸い込まれる様に命中した。コーミエがようやく強烈なアッパーカットでジョーンズを捉えた所で第1ラウンドが終了した。 2ラウンドに入っても王者のボディ狙いは続き、ジョーンズはコーミエの腹部にミドルキックを叩き込む。コーミエは相手の打撃を良く見ながらテイクダウンを試みるが、2度のテイクダウンの試みは何れも不発に終わった。ラウンド開始後1分が経過すると、両者は金網際で首相撲の攻防にもつれ込み、コーミエがギロチンを狙うとジョーンズはそれを振りほどく。今度は両者は至近距離での打撃戦を展開し、攻防が消耗戦の様相を呈してくるとコーミエが僅かに手数で勝って来た様に思われた。 3ラウンドが始まるとジョーンズは当初のキックを主体としたその身長差とリーチ差を最大限に利用した戦略に立ち返った。コーミエが距離を詰める事に成功し、至近距離からのパンチのコンビネーションを繰り出すと、その都度観客から大歓声を引き出した。ラウンド開始後90秒の時点で偶発的なサミングにより試合は一時中断したが、攻防が再開されると両者は互いにテイクダウンを試み、その後有利なポジションを巡って時折打撃を織り交ぜながらの激しい首相撲の攻防を繰り広げた。展開の作れない両者にレフリーがブレークを命じ、ジョーンズは数発の遠距離からの打撃を繰り出したが、すぐにコーミエは再び王者の胸元まで距離を詰めた。ジャッジにとって判定の難しいラウンドではあったが、終盤にコーミエが盛り返すまで、ジョーンズは堅実にポイントを重ね続けた。 第4ラウンドが始まると、ジョーンズの強烈なキックが何発かコーミエに命中し、さらにジョーンズは二度に渡りコーミエをテイクダウン。二度目のテイクダウンの際は覆い被さる様に上からのチョークでコーミエを脅かしたが、“DC”は立ち上がって脱出した。ジョーンズはコーミエを金網に押し付け、時折スペースができるとパンチやヒジで相手を攻め立てた。残り時間2分、コーミエは失ったポイントを挽回すべく反撃を試みる。ジョーンズはコーミエにそれを許さなかったものの、この試合ジョーンズに取って最高のラウンドを確実に物にした、と言えるほどの圧力を相手に掛ける事もまた出来なかった。 最終ラウンドが始まると自コーナー飛び出したコーミエだがジョーンズをテイクダウンする事は出来ず、両者の攻防は再びジョーンズの得意とする金網際での首相撲の攻防にもつれ込んだ。金網際での取っ組み合いがしばらく続くと、コーミエはようやくジョーンズを力強くマットに叩き付けテイクダウンに成功したが、ジョーンズは即座に跳ね起きると、その後は試合終了まで相手のテイクダウンを防ぎ続けた。