日本時間2016年11月20日(日)に北アイルランド・ベルファストにあるSSEアリーナで開催されたUFCファイトナイト・ベルファストのメインカード初戦で、日本人フェザー級ファイターの石原“夜叉坊”暉仁がジ・アルティメット・ファイター(TUF)準優勝の肩書を持つロシア出身アイルランド在住のアルテム・ロボフと対戦し、黒星を喫した。
フェザー級 5分3ラウンド
アルテム・ロボフ vs. 石原“夜叉坊”暉仁
日本時間2016年11月20日(日)に北アイルランド・ベルファストにあるSSEアリーナで開催されたUFCファイトナイト・ベルファストのメインカード初戦に日本人フェザー級ファイターの石原“夜叉坊”暉仁が出場。ジ・アルティメット・ファイター(TUF)準優勝の肩書を持つロシア出身アイルランド在住のアルテム・ロボフと対戦した。
3ラウンドに渡り、ロボフの圧力で金網を背に戦った石原は3ラウンドにワンツーでロボフからダウンを奪い、反撃の兆しを見せたものの、3-0のユナニマス判定によりUFCで初めての黒星を経験した。
石原は右に構えるハードパンチャー、ロボフの周りを時折スタンスをオーソドックスにスイッチしながら細かく左右に軸をつらし、ローキック、ジャブ、そしてボディストレートで距離を測る。遠目の間合いから飛び込みながらの単発のパンチを繰り出す石原に対し、ロボフは右のカウンターを狙う。ラウンド中盤過ぎに遠い間合いから両足タックルに飛び込みこれを成功させるも、石原は寝技にはこだわらずに距離を取る。残り時間1分30秒、石原がピッチを上げて手数をあげようとすると、ロボフもすぐに圧力を強め、両者は中間距離で主導権を緊張感のある打撃戦を展開。ロボフの右で一瞬動きが止まった石原だが、崩されることなくラウンドを終える。
これ見よがしに右を揺らしながらストレートを狙うロボフに対し、石原は左のキックを連打し相手の右を封じにかかる。するとロボフは左にスイッチし左のオーバーハンドと左のローで圧力を取り戻す。時折石原の飛び込みながらの左ストレートがロボフの顔面を捉えるが、ロボフはその前進を緩めない。ラウンド中盤がすぎると石原の脚が止まり始め、ロボフの正面に立つ時間が長くなり始める。距離が詰まると石原は丁寧にジャブを突くがロボフはこれを気にとめず、至近距離で危険な左右を振り回す。終了間際にロボフが近距離での左フックを皮切りに、左右の連打をまとめてみせた。
左右のローを散らして左ストレートで飛び込む機会をうかがう石原だがロボフの圧力は弱まわらない。ロボアフの打撃を被弾し体が流れるような素振りも見せていた石原が、突如ワンツーで飛び込みロボフの顔面を捉えるとロボフがダウン! 一気に距離をつめて石原がトップポジションをうばうがスタミナを消耗したのかパウンドをまとめることができない。ロボフが攻防をスタンドに戻すと石原は両足タックルに飛び込むがこれを潰したロボフがさらにテイクダウンに成功、そしてポジションをマウントへと進めて試合を終えた。
ジャッジの判定は30-27、 30-27、そして29-28でロボフ。なお、この結果、石原暉仁は10勝3敗2分、アルテム・ロボフは14勝12敗1分1ノーコンテストとなった。
ライト級 5分3ラウンド
ロス・ピアソン vs. スティービー・レイ
遠い間合いでジャブ突き距離を測るピアソン。相手の至近距離でのパンチを警戒するレイはサウスポーに構え大きく左に回り続ける。レイはキックでピアソンを遠ざけ、その踏み込みに左フックを狙うことでうまく距離をコントロール。残り時間1分40秒、やや手数が少ないと感じたのか、ロスがレイのキックに対するカウンターも狙うがこれは届かない。残り時間30秒、レイが遠い間合いから両足タックルに飛び込みピアソンを高々と抱え上げるとテイクダウンを成功。アイルランドのファンたちが英国とスコットランドの英雄たちに惜しみない声援を送る。ピアソンが攻防をスタンドにもどしたところで第1ラウンドが終了した。
これまでよりやや近い距離で細かなジャブを突くピアソン。レイはこれまで通りダイナミックなキックを多用し、ピアソンをパンチの距離から押し戻す。レイのキックをいなし、ピアソンが金網を背にするとレイは即座に両足タックルに飛び込むが、ピアソンがこれを受け止めるとレイはこだわらずに距離を取る。ラウンド中盤をすぎるとレイを追い続けるピアソンに苛立ちの表情が浮かぶ。ピアソンも時折キックを繰り出すが、その強打へと繋げる糸口はつかめない。
相変わらず左へ回りながらキックを多用するレイをピアソンは詰めきれない。ピアソンがレイのローや前蹴りの蹴り足を捉えて距離を縮めようとすると、レイは強烈なハイキックをガードの上から叩き込み、相手に狙いを絞らせない。ピアソンもローキック、そして飛び込みながらのパンチを振るって距離を詰めようと試みたものの、ついにレイを捉えることはできなかった。
ジャッジの判定は30-27、27-30、そして30-27と大きく別れたものの、スプリット判定で勝利を手にしたのはそのフットワークで相手の得意なパンチを完封したスティービー・レイ。レイはこれで20勝6敗と連敗を免れ、いっぽうロス・ピアソンは3連敗となってしまった。
ヘビー級 5分3ラウンド
ティモシー・ジョンソン vs. アレクサンドル・ボルコフ
ボルコフの右を警戒し、大きく相手の左へサークリングしながらジョンソンが時折パンチで距離を詰める。リーチにまさるボルコフは遠い間合いではワンツー、そして距離がつまると猛烈な右膝を突き上げる。右を被弾したジョンソンが下がると、ボルコフがパンチの連打で前に詰めジョンソンを金網に押し付けるが、離れ際にジョンソンの右アッパーがもの凄い音をたてて相手の顔面を跳ね上げる!崩れ落ちたボルコフにジョンソンはパウンドとともに襲いかかるが、ボルコフはこれを凌いで立ち上がる。
偶発的に距離の詰まった両者は金網際での壁レスにもつれ込むが、ここではジョンソンが攻防を支配。テイクダウンを伺いながら、時折細かな打撃を散らしてボルコフを金網に押し付ける。レフリーの指示で両者がブレイクされると、飛び込みながらの連打を狙うジョンソンに対し、ボルコフはジリジリと距離を詰め、相手を金網に押し込むもののテイクダウンは奪えない。
ジョンソンの左フックでのカウンター狙いを察したボルコフは右ミドルを3発繰り出し、その後ジョンソンに組み付くがテイクダウンは奪えない。互いに決定的な形が作れない流れの中、両者は辛抱強い戦いを強いられる。残り時間30秒、ジョンソンが強引な払い腰でテイクダウンを狙うが、これを跳ね返したボルコフがジョンソンをガブッて試合の終了を迎えた。
ジャッジの判定は29-28、27-30、そして29-28のスプリット判定でアレクサンドル・ボルコフを勝者として支持。この結果、ボルコフは27勝6敗、ティモシー・ジョンソンは10勝3敗となった。