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すべてをかけて復帰戦に挑むヌルマゴメドフ

 

相次ぐケガにより3度に渡る手術を強いられたハビブ・ヌルマゴメドフは長い2年を過ごした。しかし、日本時間4月17日(日)に開催を控えたUFCファイトナイト・タンパで、新人のダレル・ホーチャーと対決するヌルマゴメドフは今回の試合に自身の選手人生がかかっているという。

「オレにとってリスキーな試合だ」とヌルマゴメドフは言う。「相手は無名で、UFC初試合。でもUFCに“誰でもいいから対戦相手を用意してくれ”って頼んだのは自分だ。オレは(ライト級)世界ランキング2位。相手は何も失うものがないし、自分のファンにUFCのトップファイターを倒せると証明したいところだろう。もしオレを倒せばトップ10入りだ。オレは負ければすべてを失うことになる。22連勝も、ランキング2位の座も、無敗記録も。だからこの試合はすごくリスキーなんだ。無名の相手に負けるのはオレにとって良くない」

 



ホーチャーはアメリカ・ニュージャージー州で活動する総合格闘団体CFFC(ケージ・フューリー・ファイティング・チャンピオンシップ)のライト級王者だ。しかし“ジ・イーグル”ことヌルマゴメドフは過去に、現ライト級王者のハファエル・ドス・アンジョス、カマル・シャロルス、アベル・トルヒーヨなどに勝利し、世界最強ファイターの一人であることを証明してきた。

長期間のブランクからくる自己不信や戦闘能力低下の可能性も考えられる一方、ヌルマゴメドフ自身は一度オクタゴンに入れば、問題なく試合ができると考えているようだ。

「前回の試合でドス・アンジョスからテイクダウンを奪った時、アイツが激しく呼吸しているのが聞こえた。よく分からないけど、その瞬間、アイツはもうダメだと分かった。そのまま戦い続けるファイターもいる。例えば、トルヒーヨとの試合は第3ラウンドでアイツが見せた目からは何でもする覚悟が伝わってきた。相手の気迫を感じる時もあれば、感じない時もある。解釈が難しい。オレはリング内で相手を感じたい。相手をパンチして、投げ回したい。とにかく戦わないといけないんだ」

ヌルマゴメドフのそういった感情を多くの人はプレッシャーと感じるかもしれない。しかし、彼にとって戦うことは宿命なのだ。ダゲスタン共和国出身のヌルマゴメドフは戦わないことは死を意味すると考える。当初、対決予定であったトニー・ファーガソンがケガで欠場してしまったものの、ヌルマゴメドフにとっては対戦相手が誰であろうと関係なかったようだ。ファーガソンはケガが治り次第の対戦を希望したが、“ジ・イーグル”はいち早く試合に出場することを希望した。

「誰かを倒さないといけない」とヌルマゴメドフは語った。「トニー・ファーガソンだろうが、ダレル・ホーチャーだろうが関係ない。誰かを倒してオレがタイトル戦にふさわしいファイターだと証明しないといけない。自分がケガをした時は腹立たしかった。当時、負傷のオレに代わってUFCはファーガソンに別の相手を用意したのに、今回、アイツがケガをして欠場することになって、オレに2カ月待てと言う。アイツは黙ってケガを治すことに集中したらいい。オレが(ドナルド)カウボーイ・セラーニ戦に欠場した時、オレは黙ってアイツがジョン・マクデッシと戦うのを見た。ファーガソンは黙ってオレのパフォーマンスを見てればいいんだ。オレはこの試合のために4カ月もの間、トレーニングに打ち込んできた。2カ月も待って戦う気はない。アイツはオレの意見を尊重するべきだ。7月まで待ってアイツと試合するなんてゴメンだね。今すぐ戦いたいんだ。2年間も試合に出ないなんて長すぎる」

ケガが重なったのは自分の責任だと感じているヌルマゴメドフ。しかし、彼は決して言い訳をしない。すべてをかけて復帰するのは自身のためだけではなく、選手人生を通してサポートしてくれた人のためだと感情的に説明した。

「ファンが待っているからね。立て続けにケガをしたことにファンは腹を立てているだろう。でもファンのことが大好きだ。だからUFCに誰でもいいから試合をさせてくれと頼んだ。オレは血が見たい。減量を肌で感じて、とにかく戦わないといけないんだ。もう一度すべてを感じないといけない。だから重要な試合になる。言っている意味、分かる? 相手を感じないといけないんだ。マットの感触も感じながら、打って、打たれたい。オレにはすぐにタイトル戦に挑戦する権利があると思っている。ただ2年も戦っていないからね、まずはファンにオレがまだ世界最強ということを証明しないといけない」

これまで築き上げてきた遺産を誇りだと主張するヌルマゴメドフは自身がMMAの未来を担っていると考えているようだ。

「ロシアには優れたフリーレスリングを教える学校がある。今までに7人の金メダリストを輩出してきた。ダゲスタン共和国全体で考えると、MMAはまだまだ新しい。でもすでに10人のUFCファイターがいる。3年後には20人になるだろう。オレたちは強い民族だ。戦うことから逃げない。試合に出ることがとにかく好きなんだ。それに尽きる」

そして今週末ヌルマゴメドフは再びオクタゴンに上がる。今はとにかくそれに尽きる。