アレックス・カサレスは高いカリスマ性を持った若いファイターでありながら、あまり活躍せずにUFCを去る一発屋だと多くの人間に思われていた。しかし、2011年3月にデビューを果たしてから5年が経った今、カサレスはUFCキャリアを続けているだけでなく、今週末に行われるUFCファイトナイト・ソルトレイクシティのメインイベントを飾る存在にまで成長している。 カサレスのようなファイターは珍しい。ジ・アルティメット・ファイター(TUF)シーズン12を経験したファイターはカサレスとマイケル・ジョンソンだけとなる。しかし、“ブルース・リーロイ”ことカサレスは決して「どうだ」とは言わない。 28歳のカサレスは次のようにコメントしている。 「オレがみんなの目にどう映っていようが関係ない。尊敬されていなくてもいい。基本的に(デビューした時から)何も変わっていない。オレが大人になったとか、成長したと思っているならオレの活躍を見ていなかったってだけ」 カサレス自身が否定しようが、変化はあった。トレードマークのアフロと満面の笑みは変わっていないかもしれない。しかし、UFCデビュー後、マッケンス・セルジエール戦とジミー・ヘッテス戦で立て続けに黒星を喫したカサレスの姿はもうない。ここ3年に渡り、浮き沈みの激しい状態にあったものの、10試合を戦ったバンタム級を去ってフェザー級に復帰し、マシオ・フーレンとコール・ミラーから白星を挙げている。 勝利の秘けつは地元マイアミからアリゾナ州にあるMMAラボ(ジム)にトレーニング場所を移したことだろう。 「悪くない。むしろこっちの方が好き。落ち着いているし、ハイキングが盛んなところが良い。暑いのはしょうがない」 活気に差があるマイアミとグレンデールについては、まったく問題ないと語ったカサレス。 「クラブとかバーには行かない。出かけるのが好きなタイプじゃないし、いつも家から引きずり出されていた」 多くの人が考えるカサレスのイメージとは対照的に、真面目な面も“人生”のために必要だと言う。 「戦うことより重要なことが人生には山ほどある。子供を授かったり、人を助けたりね」 格闘家としてのキャリアを重要視しているカサレスだが、常に物事が思い通りにいくことはないと考えているようだ。 「格闘家として戦う限り、人生の浮き沈みは避けられないものだし、常に荒れた道を通るってことなんだ。それを受け入れて、何度失敗しようと立ち上がって、試練に立ち向かっていくしかない」 素晴らしい心構えだ。しかし、私生活と格闘生活は常にかみ合うとは限らない。ファイターは前戦での活躍がすべてと言われている。カサレスはそれを笑いながら、マイアミ出身の若者が大人になり、しっかりと人生を見つめることができているだけだと反論した。 「他人は家賃を払ってくれないし、自分がどん底にいても助けてくれない。他人の意見は聞かないようにしている」