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テイムル判定勝利、アリスターがハントをKO!

日本時間2017年3月5日(日)にアメリカ・ネバダ州ラスベガスのT-Mobileアリーナで開催されたUFC 209 メインカードの試合レポート

ライト級 5分3ラウンド
ランド・バンナータ vs. ダビッド・テイムル

日本時間2017年3月5日(日)にアメリカ・ネバダ州ラスベガスのT-Mobileアリーナで開催されたUFC 209のセミ・メインイベントで実現したダビッド・テイムルとランド・バンナータによるライト級戦は、試合の序盤から両者がその持ち味を存分に発揮する好勝負にもつれ込み、会場を訪れたファンたちを魅了した。

スウェーデンのキックボクシング4冠王テイムルの破壊力のある打撃に対し、ニューメキシコのバンナータも得意のカートウィール・キックや驚異的なタイミングで繰り出されるカウンターで何度も見せ場を作ったが、試合が進むにつれ手数に勝るテイムルが攻防を優勢に進めると、30-27のユナニマス判定でUFC3連勝を記録した。

キックボクサーのテイムルがサウスポーに構えバンナータの周囲を回る。リラックスした構えのバンナータは独特の動きで距離を詰めると流れる様なコンビネーションを繰り出すがテイムルは動じない。残り時間2分40秒、カートウィール・キックからストレートを命中させたバンナータが一気に前に出る!一度は膝の落ちたテイムルだったが、金網を背にしてこの打ち合いに応じるとバンナータを押し戻す!素晴らしい回復を見せるテイムルがさらに鋭い左ストレートを繰り出すと、バンナータの顔面が跳ね上がりバンナータが後退。テイムルがコンパクトで鋭い打撃で優勢にたったかにみえたが、バンナータが両足タックルで攻防をグラップリングに持ち込み相手に主導権を渡さない。

相変わらずゆったりとした構えから多彩な打撃を繰り出すバンナータだが、その念頭にテイクダウンがあるのは明らかだ。距離が詰まるとテイムルの猛烈なヒザが何度もバンナータの腹部にめり込むが、バンナータは何事もなかったかのように距離を取る。要所でダイナミックな打撃を見せ会場を沸かせるバンナータだが、次第にテイムルのオーソドックスながらも回転力と爆発力をともなう打撃が攻防を支配し始める。残り時間40秒、バンナータが強引に距離を詰め始めるが、テイムルは巧みに回り込みながら、距離が詰まると獰猛なヒザを連打する。

最終ラウンドが始まると両者の打撃戦は一層激しさを増す。何度も飛び込みを繰り出すテイムルに対し、常に前進を続けるバンナータは相手の飛び込みを紙一重でかわしながら右のカウンターを狙う。残り時間2分30秒、テイムルが意表を突く両足タックルを成功させるがバンナータはすぐに立ち上がる。前に出続けるバンナータに対し、テイムルは何度もテイクダウンを織り交ぜ、そこに鋭いコンビネーションを織り交ぜる。固い音を響かせながらテイムルのパンチが無数にバンナータの頭部に吸い込まれるが、試合終了のブザーが鳴るまでバンナータの前進は止まらなかった。

なお、この結果勝者のダビッド・テイムルは6勝1敗、敗者のランド・バンナータは9勝2敗となっている。
ミドル級 5分3ラウンド
ラシャド・エバンスvs. ダニエル・ケリー

オーソドックスのエバンス、サウスポーのケリーは互いに相手の外を取りながらのストレートを狙っている。タックルも織り交ぜたいエバンスはやや相手の正面に体を残しながら、ジャブ、そして右のボディストレートでケリーの前進をとめる計画のようだ。ケリーは堅実に右へと出ながら豊富に左を繰り出し時折エバンスの顔面を捉えるが、エバンスは崩れない。ラウンド中盤にエバンスが両足タックルを試みると、ケリーはこれを差し上げ大外刈りを繰り出すが、エバンスもこれを振りほどく。エバンスの左ミドルがものすごい音を響かせケリーに命中したところで第1ラウンドが終了した。

小外掛けで相手の動きを止めながらケリーが左ストレートで前に出る。両者の距離が詰まるとケリーはすぐに内股を繰り出すが、エバンスはこれを容易に振りほどく。残り時間3分、小手を巻いたケリーが強引な払い腰を繰り出すが、これを潰したエバンスが相手の立ち上がり際のケリーの顔面にヒザを突き上げる。その後の打ち合いでエバンスによるサミングで試合は一時中断されるが、攻防が再開されるとケリーは積極的に距離を詰める。エバンスも真後ろには下らずうまく回り込んでいるが、手数ではケリーが上回っている。残り時間1分10秒、エバンスが両足タックルを成功させるがケリーはすぐに立ち上がる。エバンスはさらにハイキックを命中させるが、ケリーはこれを受け止め相手を金網に押し付ける。

最終ラウンドが入ると、エバンスが手数を増やし始める。ケリーの正面で右アッパーと細かなジャブでケリーの前進を押し戻すシーンが見られるが、それでもケリーは意表を突く小外掛けを織り交ぜながらジリジリと前進を再開する。残り時間が少なくなると、エバンスも強引に左右の連打を繰り出し圧力を強めたものの、ケリーはここでもパンチを被弾しながら左右を打ち返し、両者は会場から歓声を引き出した。

ミドル級の両者の激闘をジャッジは29-28、28-29、そして29-28のスプリット判定でダニエル・ケリーの勝利と評価。「ラシャド、試合を受けてくれてありがとう。彼はこのスポーツのアイコンの一人だ、これ以上嬉しいことはないぜ!」とその喜びを表現した。元オーストラリアの柔道オリンピアン、ダニエル・ケリーはこれで13勝1敗。一方、満を持してミドル級デビューを迎えた元UFCライトヘビー級王者のラシャド・エバンスだったが、その戦績は24勝6敗1分けとなった。

女子ストロー級 5分3ラウンド
アマンダ・クーパー vs. シンシア・カルビーヨ

クーパーがコンパクトな構えから左のジャブ、フック、そして右のストレートを狙いジリジリと前に出る。カルビーヨは何度か頭を下げて飛び込むと、左右のパンチを振り回しクーパーにペースをつかませない。残り時間3分15秒、カルビーヨは両足タックルで突進!これを成功させるとその後のスクランブルも制しクーパーの背後に回り込む。完全に相手を背後からコントロールしたカルビーヨはその左腕をクーパーの喉元に巻き付けると1ラウンド3分19秒で相手のタップを引き出した。

自身のUFCデビュー戦を鮮やかなサブミッション勝利で演出したシンシア・カルビーヨはこれで3勝1敗。一方、アマンダ・クーパーは3勝3敗と戦績を落とした。
ヘビー級 5分3ラウンド
アリスター・オーフレイム vs. マーク・ハント

即座に重たいアウトローを繰り出すハントに対し、オーフレイムは右ストレートを狙う。ハントは二発目のローキックをオーフレイムにカットされた際に、右の脛を痛め、おびただしい量の血が脛の傷口から噴き出し始める。オーフレイムはスタンスをスイッチしながら前蹴りで距離を取りつつ左右のストレートを狙い、さらにテイクダウン狙いも織り交ぜるが、ハントも脛の負傷は意に介さず、右のローとミドルを繰り出し快音を響かせる。

第2ラウンドが始まると、オーフレイムがコンパクトな左ストレートで何度かハントの顔面を跳ね上げる。関節蹴り、ストレート、そして回転系の強打を織り交ぜるオーフレイムにハントはペースがつかめない。残り時間3分30秒、距離を詰めたオーフレイムがハントを四つに捉えると猛烈なヒザを何度もハントの腹部に突き上げる!いったん距離をとったオーフレイムは離れ際にもミドルを叩き込み、優勢を印象付けるが両者の距離が詰まった際にハントのヒジがオーフレイムの顔面を捉えると、オーフレイムはガードを固めて後退!ハントはパンチで追撃を狙うがオーフレイムは冷静にガードを固めてこのピンチを凌ぐと、相手に組み付きしっかりと金網に押し込みダメージからの回復を図る。その後は相手を金網に押し込むオーフレイムのヒザと、押し込まれるハントのヒジが何度か相手を捉えるが、ここでもオーフレイムが優勢に試合を進めているように見える。

3ラウンドが始まるとやや消耗の見えるオーフレイムだが、巧みに距離をとってハントを寄せ付けない。ハントが苛立ちの表情を見せながら距離を詰めると、オーフレイムはすかさずハントに組み付き金網に押し込みその強打を封じて見せる。しばらくハントを首相撲の形で押し込んでいたオーフレイムは巧みに空間をつくると左のヒジを炸裂!この一撃でハントの体が流れると、間髪入れず右のヒザでその顔面を突き上げる!さらに両手でがっちりとハントの頭部を引き付け再び右のヒザを繰り出すと、この一撃が側頭部をかすめたハントは真正面に崩れ落ちた。

そのタフさと剛腕で知られるニュージーランドの人気者、マーク・ハントを3ラウンド1分44秒でフィニッシュしたオランダのアリスター・オーフレイムは試合後に「ハントはタフなんだ、以前戦ったことがあってね。ハードに備えてきた、いつもハードに備えているんだ、俺にはまだやることがあるだろ?」とタイトル挑戦の意向をにおわせた。なお、これでヘビー級3位のオーフレイムは41勝15敗1ノーコンテスト、同級8位のハントは12勝11敗1分け1ノーコンテストとなった。