UFCファイトナイト・タンパのプレリム前半戦の試合レポート
バンタム級 5分3ラウンド
ジョン・ドッドソン vs. マニー・ガンブリヤン
日本時間2016年4月17日(日)にフロリダ州タンパで開催されたUFCファイトナイト・タンパ大会のプレリミナリー・ファイト前半戦メインイベントに登場したバンタム級3位、アルバカーキ出身のジョン“ザ・マジシャン”ドッドソンがアルメニア出身のベテランファイター、メニー・ガンブリヤンをわずか47秒で粉砕し、会場のファンたちに大きな衝撃を残すとともにその戦績を19勝7敗と伸ばした。
サウスポーのドッドソンがオクタゴンの中央に進み出ると、その周囲をガンブリアンが相手のパワー・サイドとなる左へとジリジリと歩き始める。金網を背にするガンブリヤンとの距離を詰めたドッドソンが二発の左ストレートで飛び込むと、ガンブリヤンはこれらに反応できずまともに被弾!思わず頭が下がったガンブリヤンをドッドソンの左ストレートが貫く。金網際でドッドソンが無数の左が片膝をつき、防戦一方となったガンブリヤンを襲い続ける様子を確認したレフリーのジェイムズ・ウェーリングが両者の間に割って入り試合の終了を宣告、時間は1ラウンド47秒だった。
フライ級では二度タイトル戦を経験するなど素晴らしい活躍を見せてきたジョン・ドッドソンだが、その衝撃的なスピードとノックアウト・パワーはバンタム級でも健在なようだ。試合後には「俺がこの階級の新王者だ!みんな、この俺のスピードとKOパワーを忘れないでくれよ!」と自信満々に王者獲りを宣言したドッドソンだが、同級にはTUFでドッドソンを下しているT.J.ディラショー、そして王者ドミニク・クルーズがおり、超実力者たちの今後の対戦は見逃せないものとなりそうだ。
ドッドソンのスピードになすすべなく敗れた格好となったメニー・ガンブリヤンはこの敗戦で18勝10敗1ノーコンテストとなった。
ミ ドル級 5分3ラウンド
オルワレ・バンブーシェ vs. セザール・ フェレイラ

サウスポーに構えたフェレイラは前に詰めながらもバンブーシェの強打を警戒して足を止めずに遠距離から単発の打撃を繰り出している。時折左右のパンチを連打しながら突進するバンブーシェだったが、残り時間3分30秒にそのうちの一発がフェレイラを捉えると、バンブーシェは間髪入れずにフェレイラに躍りかかる!しかしフェレイラは冷静に足を効かせてこのピンチを凌ぐと、ほどなくバンブーシェを蹴り離し、攻防をスタンドに戻すと両足タックルでトップ・ポジションを奪い返す。すぐに胸を張って強烈なパウンドを振り落とすフェレイラ。数発のパウンドを被弾しながらも、一瞬のスキをついて跳ね起きたバンブーシェだが、やや動きが落ちてきたようだ。バンブーシェの飛び込みにタックルを合わせたフェレイラが、足を滑らせ下のポジションになったところでスリリングな第1ラウンドが終了した。
第2ラウンド開始後40秒でフェレイラが難なく両足タックルを成功させる。フェレイラはクローズドガードの中でバンブーシェの頭を引き付け、バンブーシェの瞬発力を封じながら、グラウンドの攻防で時間を使う作戦のようだ。やや乗りすぎにも見えるポジションだが、フェレイラはバンブーシェの下からのサブミッションは問題ないという判断だ。下からも細かなパンチを繰り出し、フェレイラから出血を誘っていたバンブーシェも、フェレイラの窒息するような圧力に次第に動きが落ち始め、フェレイラの重たい左右のヒジがめり込むように無数に打ち下ろされる。残り時間10秒、なんとかバンブーシェがフェレイラを突き放して立ち上がった。
最終ラウンドが始まると、すでにバンブーシェの口は開き、その呼吸は苦しそうだ。オクタゴンの中央に陣取り視線のフェイントを織り交ぜながら、ダイナミックなカポエイラ・キックを繰り出すフェレイラに、バンブーシェはなかなか飛び込めない。残り時間2分40秒、バンブーシェの後ろ回し蹴りに胴タックルを仕掛けたフェレイラだったが、バンブーシェはなんとかこれを振りほどく。残り時間1分45秒、フェレイラが両足タックルに飛び込むと、バンブーシェのコーナーからは「ダメだ!立て!」と激しく声が飛ぶが、バンブーシェは倒れこんでしまう。第2ラウンドに同様に、圧力をかけながら細かなパウンドを落とし続けるフェレイラ。残り時間20秒でバンブーシェは相手を突き放し立ち上がったものの、もはや反撃する体力は残っていなかった。
29-28、29-28、そして29-27のユナニマス判定でこの一戦を制したTUFブラジル・シーズン1優勝者のセザール“ミュータンチ”フェレイラは10勝5敗と勝利街道に復帰し、そのミドル級復帰は良い結果となった。7日前のオファーでこの一戦に臨んだナイジェリア出身のオルワレ・バンブーシェはUFC戦績1勝2敗、プロ通算戦績は6勝2敗となった。
ウェルター級 5分3ラウンド
エリゼウ・ザレスキ・ドス・サントス vs. オマリ・アフメドフ

互いに優れた打撃を有する両者がオーソドックスに構えると、ドス・サントスがすぐさまオクタゴンの中央に進み出る。二人は様子を伺うように単発の打撃を交換していたが、アフメドフが片足タックルに飛び込むと、残り時間3分30秒でこれを成功させる。下のポジションを強いられたドス・サントスは両足を効かせて相手を浮かせるとヒール・ホールドを仕掛けながらトップポジションを奪い返す。グラウンドの攻防はドス・サントスに分があるかと思われたがアフメドフは相手をキムラ・ロックに捉えると、ドス・サントスの右腕を捻りあげる!これをドス・サントスが前転で逃れたところでアフメドフは立ち上がり、攻防はスタンドに戻された。再びドス・サントスがオクタゴンの中央を支配する中、第1ラウンドが終了した。
ラウンド開始直後のドス・サントスの右のオーバーハンドがアフメドフの後頭部を捉え、真下に崩れ落ちたアフメドフだが、すぐにタックルに飛び込みテイクダウンを試みる。これをギロチンで引き込んだドス・サントスはギロチンが外れると金網を背にして立ち上がり、攻防をスタンドに戻すとオクタゴンの中央からアフメドフに左右のパンチを叩き込む。グラウンドに活路を見出したいアフメドフが再びタックルに飛び込むと、ドス・サントスはこれを受けて立ち、相手を引き込むように下になると足関節技を織り交ぜすぐに上のポジションを奪い返す。グラウンドの攻防でもドス・サントスに支配されるアフメドフだが、ここは暴れて立ち上がる。ドス・サントスがダメ押しのテイクダウンに飛び込んだところで第2ラウンドが終了した。
アフメドフのタックルを跳ね返したドス・サントスがパンチとヒザを織り交ぜアフメドフを下がらせる。アフメドフはドス・サントスの鋭いジャブと、見づらい軌道から飛んでくる右のオーバーハンドに対応ができない。何度となくアフメドフの頭部をアフメドフのパンチが跳ね上げる。残り時間2分30秒、下がるアフメドフをドス・サントスのパンチが的確にとらえ、アフメドフは左右の剛腕を振り回し起死回生の一発に臨みを賭ける!危険な打ち合いに応じるドス・サントスのパンチがドス・サントスを捉え続け、アフメドフを金網に押し付けながらヒザ蹴りを連打!完全に動きの止まったアフメドフを確認したレフリーのダン・マグリオータが試合の終了を宣告。時間は3ラウンド3分03秒だった。
互いに高いフィニッシュ率を誇るウェルター級同士の一戦を見事なフィニッシュで制したブラジルのエリゼウ・ザレスキ・ドス・サントスはこれで15勝5敗。対するダゲスタンのオマリ・アフメドフは15勝4敗と戦績を落とした。