現地時間6月1日、ラスベガスのザ・パームズ内のザ・パールにて開催された、ジ・アルティメット・ファイター Live フィナーレのメインカードの結果は以下の通り。
先週行われた全メインカード・ヘビー級イベント、UFC146における短時間決着続出に刺激されたのだろうか、ジ・アルティメット・ファイター Live フィナーレのメインカードに出場したファイター達は前回大会の勢いを継続させ、5試合中4試合において一本及びKO決着を演じてみせた。この夜、マイケル・キエーザが新アルティメット・ファイターの称号を得て、番組収録開始後一週間も経たぬうちにキエーザの父が亡くなるというこの痛ましいシーズンを、ハッピーエンディングで締めくくった。またメインイベントにおいては、マルティン・カンプマンがその超人的な打たれ強さとムエタイの土台を活かし、170ポンド級のベルトにまた一歩近づいてみせた。
ジェイク・エレンバーガー vs マルティン・カンプマン
この夜、UFCの最新鋭選手達の中でも特に選りすぐりのファイター達による軽量級のアクションが続いた後に、二人のウェルター級のベテランがザ・パームズにおいて大激闘を繰り広げた。マルティン・カンプマンは、彼にとって15度目のオクタゴン出陣となったこの闘いで、プロMMAにおける20勝目を、そしておそらくは、次回の多タイトル挑戦権をも、勝ち取った。8度目のUFC登場であったジェイク・エレンバーガーは、試合序盤は優勢に立って相手に大きなダメージを与えてみせた。しかしそこでカンプマンのトレードマークである打たれ強さがものを言い、彼は2ラウンド1分40秒、膝蹴りでエレンバーガーをノックアウトした。
戦前から両者が短時間決着を予告していたこの試合は、即座にアクションが展開された。開始のベルが鳴って30秒も経たないうちにエレンバーガーが前に出て、彼の代名詞である左フックでカンプマンをダウンさせたのだ。エレンバーガーはさらにフックと肘打ちで畳み掛けたが、カンプマンはどうにか凌いでみせた。カンプマンはこのラウンドの残り時間のほとんどを、フェンスに背中を付けたグラウンド状態からのギロチン狙いでエレンバーガーを脅かすことで費やし、また常に積極的に仕掛けることでブレイクを回避し、結果として両者ともにダメージを回復させることと なった。
2ラウンドの序盤、カンプマンは攻撃に出るも、全てのパンチを全力で振るうエレンバーガーは強烈な連打で反撃し、カンプマンの鼻をカットしてみせた。真っ向から打ち合う両者だが、鼻からの鮮血によりやや慎重になったカンプマンに対し、エレンバンガーは全力でパンチを振り回すあまりバランスを崩してしまう。キックボクシングの前デンマーク王者のカンプマンは、この機を逃さずエレンバーガーをフェンスまで追いつめて膝を二連打。その二発目が“ジャガーノート”をマットに沈め、2ラウンドの1分40秒、レフェリーのスティーブ・マザガッティが不要なダメージからエレンバーガーを守るために飛び込んで試合を止めた。
カンプマンはこれで戦績を20勝5敗とした。片やエレンバーガーの連勝は6でストップし、戦績は27勝6敗に後退した。
マイケル・キエーザ vs アル・イアキンタ
チーム・フェイバー所属同士、ひょろ長いスクランブラーであるマイケル・キエーザと、ストイックなアル・イアキンタの間で争われたTUF Live フィナーレは、ハートと技術の戦いとなることが約束されていた。この試合は、ライト級の寝業師である両者にとってともに一ヶ月で三試合目となるものであった。結果はアンダードッグのマイケル・キエーザが、1ラウンドでイアキンタを締め落とし、感動的な13週間のシーズンを締めくくるとともに、TUF Live 最初のシーズンにおけるアルティメット・ファイターの座に輝いた。
イアキンタが右ストレートで容赦なく襲いかかると、キエーザは様子見のキックで対応。イアキンタはそのうちの一発を捕らえ、そのままキエーザを金網まで持ってゆき押し付けた。キエーザはテイクダウン狙いで反撃、そこをイアキンタは足を掛け、両者はスタンドに戻った。
両者は再びパンチを交錯させ、またもやイアキンタが蹴り足を掴み、キエーザを金網まで押し込んだ。しかし今回はキエーザがスタンド状態でイアキンタのバックに回り、両足をフックさせたままグラウンドに持ち込む。この時点でまだラウンドは半分以上時間が残っていた。イアキンタは必死で手首をコントロールしようとするものの、キエーザはリアネイキッドチョークを深く食い込ませた。1ラウンド2分47秒、タップを拒否したイアキンタは絞め落とされた。
キエーザにとってプロとして6度目の一本勝ちであるこの勝利によって、この新しいUFCファイターの戦績は8戦全勝となった。片やイアキンタの戦績は5勝2敗1分となり、彼はシーズン初の敗北を味わうこととなった。
新たなアルティメットファイターが試合後インタビューで語ることを聞いてみよう
ジョナサン・ブルッキンズ vs チャールズ・オリベイラ
TUF12優勝者のジョナサン・ブルッキンズと、ブラジル人にしてブラジリアン柔術(BJJ)の神童チャールズ・オリベイラによるフェザー級の魅力的なカードにおいて、オリベイラは1ラウンドは果敢にボクシングで挑み、やがて必殺のサブミッション技の一つを極めてみせた(彼はこれまでUFCで6試合闘ったうち、三試合においてサブミッション・オブ・ザ・ナイトのボーナスを、一試合においてファイト・オブ・ザ・ナイトのボーナスを獲得している)。
序盤の様子見の段階では、ブルッキンズはボクシングで戦い、オリベイラはローキックを繰り出した。両者ともにクリンチからの膝で相手にダメージを与え、オリベイラは機会あればボディへの蹴りと右ストレートを当てた。ブルッキンズがテイクダウンを取るとオリベイラは十字を狙うが、ブルッキンズはそれを逃れ、賢明にも後退して試合をスタンドに戻してみせた。ここからオリベイラがスタンド打撃の技術を見せつけ、一度はブルッキンズからダウンを取り、さらに繰り返し彼を金網に追いつめ押し付けた。しかしブルッキンズも反撃し見せ場を作ってみせた。強烈な右を当てたブルッキンズはさらにパンチを連打し、もう一発ストレートを放つと、オリベイラは頭を動かしもせずにそれをもらってしまった。
2ラウンド、ブルッキンズが距離を掴んでくると両者は金網中央で打ち合った。特にアッパーカットが光るブルッキンズに対して、オリベイラはクリンチからの膝で対抗。オリベイラが試合を金網際に持ち込むと、ブルッキンズはスタンドからのギロチンを仕掛け、チョークが入った状態で背中を金網に付けたままグラウンド状態に持ち込んだ。柔術黒帯のオリベイラはそれを外すと、上からブルッキンッズを金網に押し付け、片腕を入れたギロチンをロック。オリベイラはブルッキンズを金網に釘付けにし、2分42秒、ブルッキンスはタップを余儀なくされた。
オリベイラは16勝3敗1ノーコンテストに戦績を伸ばした。これでこの元ライト級ファイターは、フェザー級において2戦全勝。片や、ライト級でTUF優勝を飾ったブルッキンズは14勝5敗、フェザー級では1勝2敗となった。
“ドゥ・プロンクス”の試合後インタビューを見てみよう
マックス・ホロウェイ vs パット・シリング
この奇妙なフェザー級戦において、二十歳のストライカー、マックス・ホロウェイは動きの悪いパット・シリングを3ラウンド弄んでみせた。この試合においてシリングは、十回にもわたってレフェリーからスタンドを命じられたのた。
シリングは金網の中央を取り、金網に押し付けてシングルレッグを狙う。身長に勝るホロウェイはカレッジ・レスラーの攻撃を遮断しようと対抗し、なんとか防いでみせた。一度シリングはグラウンドに持ち込むことに成功したものの、ホロウェイはすぐに跳ね起きるとローキックでシリングを金網中追いかけ回した。
両者とも打撃を当てる場面はあったものの、3ラウンドを通じてローキック、ボディブロー、膝などの多彩な攻撃を用いて激しい展開に持ち込んだのはホロウェイであった。ホロウェイは何度もシリングをフェンスに追い込み、ボディ打ちその他の打撃で痛めつけると、シリングは必死でテイクダウンを狙いダイブし、レフェリーに指示されるまでは立ち上がろうとせずにグラウンド状態にいた。
ホロウェイが容易くシリングのテイクダウンから逃れると、シリングはグラウンド状態からホロウェイを誘おうと試みた。そこで試合は膠着し、レフェリーが割って入りシリングを立たせた。ある時など、ホロウェイの連打を受けたシリングはわざと腰を降ろし、一縷の望みを大逆転のアームバーに託してホロウェイを誘い込もうとしたが、ホロウェイはまったくそれにつき合おうとしなかった。
シリングは1ラウンドの終盤に前転して膝十字を狙ったが、タップを奪う前にラウンド終了のベルが鳴ってしまい、苛立ちのあまりマットを殴った。2ラウンドの終盤においては、ホロウェイがシリングを打撃でダウンさせ追撃したが、そこでベルが鳴った。
3ラウンドは常にジャブ、ストレート、ボディを放つホロウェイのボクシング練習のようなものであり、シリングはごくたまに反撃を試みるだけであった。シリングの打撃は彼が重い腰を上げて繰り出した時には効力を発揮し、見事な回転裏拳打ちも二発当たったのだが、それを除くとシリングの動きは鈍く、攻撃の意志も見せず、結局彼はこのラウンドの終盤にも再びダウンを取られたのである。
ジャッジは全員30対27でホロウェイに。彼はこれで5勝1敗となった。試合後に1ラウンドに肩を痛めたと語ったシリングはこれで5勝2敗となり、二つの敗戦はともにUFCにおけるものとなった。
ホロウェイが試合後インタビューで語らなくてはならなかったこと
ジャスティン・ローレンス vs ジョン・コーファー
TUFライブで準決勝に進出したビンス・ピシェルとジェームズ・ヴィックの両者が、先週金曜の試合後にメディカル・サスペンションを受けた結果、卓越したキックボクサーのジャスティン・ローレンスとタフな南部人ジョン・コーファーがフィナーレのメインカードのスポットを獲得し、派手なスタンド打撃の打ち合いでFUEL TV放送のオープニングを飾った。この試合は3ラウンド19秒、ローレンスが劇的なハイキックで相手を打ち倒し、ブラックハウスMMAにおけるアンデウソン・シウバらとのトレーニングの効果を見せつけた。
コーファーは、この試合における最初のローレンスのキックを捕らえ、すかさずこの危険なストライカーをグラウンドに持ち込み肘を連打した。立ち上がったローレンスは逆にコーファーの蹴り足を捕まえて、彼を倒してさらにグラウンドまで追いかけてパンチを連打した。この時点でまだ開始後40秒であった。
ローレンスは立ち上がって試合をスタンドに戻した。以降、このラウンドの残りと次のラウンドでは、恐れ知らずのライト級ファイター二人による打撃戦が展開された。パンチとキックを織り交ぜて繰り出すローレンスは、手も足も同等に自在に使いこなし、特に離れ際やカウンターで左フックを当ててみせた。彼のキックが当たるたびに、ズシンという音がザ・パームズ内のザ・パール全体に響き渡った。対するコーファーも容赦のない攻撃を見せた。彼は左右のコンビネーションで前進し、やがて特にローキックと左フックにおいて自分の距離をものにした。
2ラウンド、残り時間が1分にも満たない時にローレンスはスピニングバックキックを放ったが、コーファーにバックを奪われて派手に弧を描いて投げ飛ばされた。ローレンスはそこから逃れコーファーを立たせようとしたが、やがて飛び込びざまフライングパンチを放った。コーファーがローレンスをタイトなガードの中に入れて抱えたところでこのラウンドは終了した。
3ラウンド、まずコーファーがハイキックで仕掛けると、両者は至近距離から打ち合った。ローレンスは近い距離からのアッパーを二発当て、コーファーは離れ際で左フックを当てた。そしてローレンスが見事なハイキック放ち、身長5フィート9インチのコーファーは一発で沈んだ。
22才のローレンスはこれでプロとして4戦全勝に。片やコーファーは7勝3敗となった。
ローレンスの試合後インタビューを見てみよう