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Wanderlei Silva reacts after knocking out Brian Stann in their light heavyweight fight during the UFC on FUEL TV event at Saitama Super Arena on March 3, 2013 in Saitama, Japan. (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC)
Hall Of Fame

ヴァンダレイ・シウバが2024年度のUFC殿堂メンバーに

元PRIDEミドル級王者がパイオニア部門で殿堂入り 

現地17日(土)、UFCが元PRIDEミドル級王者のヴァンダレイ・シウバを2024年にUFC殿堂のパイオニア部門に迎えることを発表した。2024年UFC殿堂入りセレモニーは今夏にラスベガスで行われ、『UFC FIGHT PASS(UFCファイトパス)』によって独占ストリーミング配信される。

UFC会長のデイナ・ホワイトは「ヴァンダレイ・シウバはMMAというスポーツの真のパイオニアのひとりだ」と述べている。

「ヴァンダレイは容赦ない選手で、格闘技史上最も記憶に残るファイトを披露したことで知られる。ミルコ・クロコップ、チャック・リデル、ダン・ヘンダーソン、ブライアン・スタンとは伝説的な戦いを繰り広げ、リッチ・フランクリンとの数々の試合はまさに戦争だった! 彼はまた、PRIDE初期のスーパースターのひとりであり、MMAファンを世界的な規模に成長させることに貢献した。この夏に彼をUFCの殿堂入りに迎えることができて光栄だ」

シウバはパイオニア部門の19人目のメンバーとしてUFC殿堂入りを果たす。パイオニア部門は(総合格闘技の統合ルールが承認された)2000年11月17日以降にプロに転向し、35歳以上、または引退から1年以上が経過したアスリートを対象としている。

22年間のMMAキャリアで51試合を戦ったベテランのシウバは、35勝14敗1分ノーコンテスト1回(UFCとPRIDEで27勝11敗1分ノーコンテスト1回)を記録し、UFCの殿堂メンバーである桜庭和志、マイケル・ビスピン、ダン・ヘンダーソン(試合部門)や、UFC®13のライト級トーナメント優勝者であるガイ・メッツァー、元UFCライトヘビー級王者の“ランペイジ”ことクイントン・ジャクソン、パンクラスミドル級、ライトヘビー級、無差別級の王者である近藤有己、元ストライクフォースミドル級王者のユージーン・ジャクソン、元WEC®ライトヘビー級チャンピオンのブライアン・スタンから白星を奪っている。

シウバは1996年11月1日に実施されたブラジリアン・バーリトゥード・ファイティング6でMMAのプロデビューを飾った。第1ラウンドで相手をノックアウトで破り、その後5試合中4試合に勝利してからUFCに参戦している。

Wanderlei Silva Hall of Fame Announcement

シウバは1998年10月16日にブラジルのサンパウロで開催されたUFCブラジル:アルティメット・ブラジルでUFCデビュー。UFC 12のヘビー級トーナメント王者で、のちにUFCライトヘビー級王者となるヴィトー・ベウフォートと対戦し、第1ラウンド開始44秒で打撃によって敗れている。

ベウフォートに敗れたシウバはバーリトゥードに戻って2勝を挙げてから、1999年5月7日に開催されたUFC 20:BATTLE FOR THE GOLD(バトル・フォー・ザ・ゴールド)でオクタゴン®に復帰し、トニー・ペタラを第1ラウンドでノックアウトしている。

シウバはUFCを離れ、そこから日本の伝説的なMMAプロモーションであるPRIDE(プライド)で3戦3勝をマーク。その後、オクタゴンに復帰し、空位になっていたUFCライトヘビー級王座を懸け、UFC 25:アルティメット・ジャパン3のメインイベントで未来のUFC殿堂入りファイターであるティト・オーティズと対決した。フルラウンドの戦いの末、オーティズがユナニマス判定でタイトルを勝ち取っている。

UFCライトヘビー級のタイトルを逃したシウバは、それから7年の主な活動拠点を日本のPRIDEに定める。この間、シウバは日本で25試合に登場し、2001年に行われたPRIDE 17では、後にUFC殿堂に迎えられる桜庭和志を倒してPRIDEミドル級王者となった。シウバは4度のタイトル防衛に成功し、王者として君臨した期間は1,939日におよぶ。これはPRIDE史上、最長の期間だ。

ミドル級タイトルを手にしている間、シウバはPRIDE GRANDPRIX 2003にもミドル級ファイターとして出場。桜庭のほか、柔道の世界チャンピオンで3度のオリンピックメダリストである吉田秀彦、元UFCライトヘビー級王者のクイントン・ジャクソンを下して、グランプリチャンピオンに。2005年と2006年のPRIDE GRANDPRIXにも参加し、いずれの年も準決勝に進出した。

2007年に再びUFCに戻ったシウバは、元UFCライトヘビー級チャンピオンのチャック・リデルとUFC 79:NEMESIS(ネメシス)のセミメインイベントで相まみえる。ユナニマス判定で敗れたシウバだったが、その戦いぶりはファンの胸を打ち、この試合は複数のメディアによって“ファイト・オブ・ザ・イヤー”に選ばれた。

それから6年の間、シウバはUFCミドル級とライトヘビー級でトップコンテンダーたちと戦っている。2013年3月3日には、元WECライトヘビー級王者のブライアン・スタンをUFC on FUEL TV:シウバ vs. スタンのメインイベントでノックアウト。これが、シウバのUFCラストファイトとなる。2018年9月29日に引退するまで、オクタゴンの外で2試合に登場した。

シウバは下記のような見事な業績を残して、UFC殿堂に迎えられる。

UFC

  • 『Zuffa(ズッファ)』歴代(PRIDE/UFC/WEC/Strikeforce)最多ノックアウト:19回
  • 『Zuffa(ズッファ)』歴代(PRIDE/UFC/WEC/Strikeforce)最多ノックダウン:27回

PRIDE

  • PRIDE歴代最多勝利:22勝
  • PRIDE歴代最多ノックアウト:15回
  • PRIDE歴代最多ノックダウン:18回
  • PRIDE歴代最多有効打:720回
  • PRIDE歴代最長の連続無敗記録:20試合(18勝0敗1分 ノーコンテスト1回)
  • ミドル級王者としてPRIDE歴代最長の在位期間:1,939日
  • PRIDE歴代最多タイのサッカーキック/ストンプによるノックアウト:4回

オクタゴンの外で、シウバはキャリアを通じて数々の栄誉に浴してきた。2004年にはPRIDE 28でのクイントン・ジャクソンへのノックアウトが『Sports Illustrated(スポーツ・イラストレイテッド)』誌の“ノックアウト・オブ・ザ・ディケイド”に選ばれている。2008年はUFC 79でのチャック・リデルとのバトルがファイト・オブ・ザ・イヤーに選出されたのに加え、UFC 82のキース・ジャーディン戦で決めたノックアウトが『Fighters Only(ファイターズ・オンリー)』誌の“ワールドMMAアワード”でノックアウト・オブ・ザ・イヤーに輝いた。2020年にはシウバの生涯をつづった『Sem Coleira(セム・コレイラ)』が出版されている。

ブラジル・クリチバ生まれのシウバは、シュート・ボクセ・アカデミーでムエタイやキックボクシングのトレーニングを開始。ブラジル陸軍に入隊し、ブラジリアン柔術のトレーニングにも着手した。現在は妻や子どもたちと共に、クリチバに暮らしている。

UFC殿堂に迎えられたアスリートや試合のリストや、殿堂のフォーマット等についてはUFC HOF(リンク先は英語のみ)まで。